
なかなかすぐには行けないけれど、せめて心は旅したい。そんな高まる旅への思いを食卓を通じて心の旅へ出かけてみませんか? 今回は、フードジャーナリスト・野澤幸代さんに思い出深いベトナム料理のレシピを教えてもらいました。米由来の蒸留酒で、餅米の甘い香りをつけた「ネプモイ」を片手に南国の味を楽しんで!
ベトナム料理のよもやま話

ハノイの酒場はお風呂の椅子のように低いスツールを椅子にもテーブルにも使うのが定番。
“みずみずしいアジアの街角の情景”
美大に通う頃からインドに惹かれ、よく旅に出ていました。出版社で料理雑誌の編集者をしながらも、長旅への憧憬が抑えられず夫とともにユーラシアへ。その先々での紀行文を、雑誌『3分クッキング』に1年半にわたり連載していました。当時はメールもデジカメもない時代。手書きの原稿に、写真フィルムをフェデックスで日本の編集部に送る、というスタイルでした。時代が流れてもあまり変わらないのが、ハノイの酒場。路上に椅子を並べて夕涼みしながら飲む生ぬるいビール。忘れたくないアジアらしい風景です。
蒸しなすサラダ
カリカリのフライドオニオンとアツアツに熱した油。食感と風味のよさに、お酒が進むサラダ。
●材料(2人分)
なす…大2本(260g)
A
バジル(せん切り)…3枚分
しょうが(せん切り)…1/2かけ分
赤唐辛子(小口切り)…少々
ナンプラー…大さじ2
酢…大さじ 2
砂糖…大さじ 1
青ねぎ(小口切り)…2本分
フライドオニオン…大さじ1
植物油…大さじ1と1/2
●作り方
1.ボウルにAを入れて混ぜ合わせる。
2.なすはヘタを切り、ピーラーで皮をむく。 ポリ袋に入れ、電子レンジ(600W)に3分かける。 粗熱が取れたら縦4つ割りにし、1に加えてあえる。
3.2を器に盛り、青ねぎをこんもりのせ、フライドオニオンをかける。
4.小さめのフライパンに油を入れて中火で熱し、煙が立ち始めたら3の青ねぎにかける。
●ネプモイのモヒート
ネプモイ(ベトナムの米焼酎)100mL+蜂蜜小さじ1+スペアミントの葉1/4つかみ+炭酸水100mL
このレシピを教えてくれたのは

野澤幸代さん
料理雑誌編集部を経て1985年フリーエディター・ライターとして独立。数多くの料理人やレストラン、食文化を取材しながら、自身も料理家として多数の著書を出版。
cooking&styling&illustration:Sachiyo Nozawa photograph:yoshimi
text:Tomoko Yanagisawa
リンネル2023年9月号より
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