芸人が綴る初単独メモリーズ Vol.6(番外編) K-PRO児島気奈「結成の瞬間にも立ち会ったKOC王者の初単独」

芸人が綴る初単独メモリーズ Vol.6(番外編) K-PRO児島気奈「結成の瞬間にも立ち会ったKOC王者の初単独」

  • お笑いナタリー
  • 更新日:2020/09/16

初めてのことに緊張や戸惑いはつきもの。期待に胸を膨らませて臨んでも、想定外のハプニングに見舞われて大失態を犯してしまうこともある。そんな初々しい経験の中から「初単独ライブ」の思い出を芸人たちに綴ってもらうのがこの「芸人が綴る初単独メモリーズ」。今回は番外編として、お笑いライブ制作会社K-PRO代表の児島気奈氏を書き手に迎える。K-PROとして初めて制作に関わった単独ライブは、のちに「キングオブコント」王者となるあの芸人の初単独ライブだった。

文 / 児島気奈

No image

劇団イワサキマキオ

すべての画像を見る(全2件)

再会、結成、初単独

都内でお笑いライブを運営しているK-PROの児島と申します。

今回ありがたいことに初単独ライブについて何でもいいので書いてほしいと言っていただけたので、K-PROとして制作に関わらせていただいた初の単独ライブの話をさせていただこうかと思います。ちなみにその単独ライブを行った芸人さんもなんとそれが初単独だったんです。それは誰かと言いますと……

かもめんたるさんです。

当時はまだ「劇団イワサキマキオ」というコンビ名でした。

2008年のことです。それまでもいくつか単独ライブに関わらせていただいてはいましたが、私だけスタッフで行ったり、他の制作会社が入っていたりしていて、がっつりライブの全てを任されたのはこの単独が初めてでした。

もう一つ、この単独ライブをやらせていただくことになったきっかけを知っていただきたいのですが、実は私、この二人のコンビ結成の瞬間に立ち会っているんです。この単独の半年ほど前に、鎌倉の海岸の海の家でお笑いライブの営業がありまして、その時に偶然別の仕事で来ていた槙尾さんにばったり会ったんです。当時K-PROのライブによくご出演いただいていたWAGE(かもめんたるの二人に小島よしおさん、手賀沼ジュンさん、作家の森ハヤシさんがいたコントユニット)が解散してから、槙尾さんに会うのは初めてでした。今思うと、鎌倉で会うなんて偶然すぎますよね(笑)。

解散後は何をしているのかや、芸人活動は続けるかなどを聞いたりして、その日は別れたんです。すると後日、槙尾さんから連絡があり、「俺、う大さんとコントをやりたいんだよね……。でも声かけるの怖いから、よかったら児島さんも一緒に来てくれない?」と、なぜかコンビ結成の話し合いの場に誘われまして、私もなぜかOKしたんです(笑)。後日槙尾さんに聞いても、未だに納得いく理由はわからないんですが、なぜか一番大事であろう話し合いの席に参加させていただきました。

その後、ファミレスで話し合いをして、劇団イワサキマキオが結成されました。未来のキングオブコント王者の結成にほんの少しだけ関わっていたんです。お笑い人生の自慢の一つです(笑)。

そういう経緯があっての初単独でした。

場所は高田馬場の駅近くの、50~60人ぐらいの小さな劇場で、演劇でよく使われてはいましたが、お笑いのコントライブでは初めてだったんじゃないでしょうか? 「ウワサの二人組」というタイトルで、オムニバスコントを数本というシンプルな構成でしたが、一本一本のコントがWAGE時代と違い、皆様ご存知の「ゾクゾクする薄気味悪さ」全開の独特なコントばかりで、初単独から鬼才っぷりが全面に出ていました。

ちなみに初単独前には、横浜の演劇祭に参加して、なんと「60分の二人芝居」をやられていました。しかも男性同士の恋愛のストーリーという、笑いもあり感動もありの力作でした。今、う大さんは劇団かもめんたるですごい評価を勝ち得ていますが、その原点の作品を見られたんじゃないかと思うと、本当に貴重な初単独をやらせていただいていたんだなと誇りに思います。だからかと思いますが、全3回公演ありましたが、後にも先にも最終日が寂しくて来ないでほしいと思っていたのはこの単独だけです。

No image

あと思い出したのでもう一つ、かもめんたるのお二人は、ゲネ(本番同様に通す練習のこと)を、毎公演前に本番同様、全力で通されていたんです。大体の方は、本番がスタートすると、直したいネタを少し調整するぐらいで済ませて次の公演にという流れなんですが、お二人は、WAGE時代から「ゲネを全力でやるのとやらないのとでは本番のデキが違う」というジンクスを守られていて、全公演の前に全力で丸々一本通してやっていたんです。お客様がいる3公演と、毎回のゲネの3回の計6公演、つまり倍の公演分を見させていただいたのも、最高に貴重な思い出です。

……こうして書いて振り返っていたら、また見たくなってきました(笑)。

映像は残っているので、それを見返してもいいですが、本当にいい脚本だったので、初単独のコントと、演劇祭に出した60分の芝居をいつかまた今の「かもめんたる」としてのお二人に再演していただけたら最高ですね。そして、その時は是非K-PROに制作をやらせていただきたいです!

児島気奈(コジマキナ)

No image

2004年、お笑いライブ・イベント制作K-PROを旗揚げ。年間1000本を超えるライブを開催するほか、他社主催ライブの制作協力も行う。「K-PRO牧場」では所属芸人を募集し、プロダクションとしても活動。またオンラインサロンを展開中で、会員限定ライブやライブ制作のノウハウを伝授する講座「児島ライブ塾」を開いている。9月19日(土)に「スペシャルブルームスペシャル」、10月17日(土)に「東京若手ネタ!ネタ!ネタ!祭り!」「オールスタート#12」を東京・北沢タウンホールで開催。詳しくはK-PROのオフィシャルサイトでチェック。

お笑いナタリー

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加