

健康志向の高まりによって身近な存在になったプロテイン。手軽にタンパク質を補給できるとあって定期的に飲んでいる人も多いだろう。
しかし、プロテインは飲み方によって効果が大きく変わるのをご存知だろうか?
今回はチャンネル登録者数90万人越え(2023年11月現在)を誇る、人気筋トレYouTuber・山澤礼明氏に、正しいプロテインの飲み方を聞いた。
話を聞いたのはこの人!

山澤 礼明●元シルク・ドゥ・ソレイユパフォーマーという異色の経歴を持つ、筋肉YouTuber。自身のサプリブランド「REYS」をプロデュースするほか、24時間365日通い放題のトレーニングジム「FIT PLACE24」を経営。「日本のフィットネス人口を3.5%から10%へ!」をモットーに、日々活動している。
1日に飲むべきプロテインの回数とタイミング
ーーまずは30~40代の男性に向けて、1日に飲むプロテインの回数とタイミングに対してアドバイスをお願いします。
プロテインを飲む回数は3回が基本です。タイミングとしては筋トレの60分前、筋トレ直後の15分、寝る前になります。
ーーそれぞれの理由をお聞かせください。
筋トレの60分前にプロテインを飲むと、より筋肉が付きやすくなります。なぜかというと、血中アミノ酸濃度が高い状態でトレーニングができるからです。
プロテインを飲むと胃で消化吸収されてアミノ酸として血中に分解されるのですが、血中のアミノ酸濃度が高くなるのは、飲んでから60分ぐらいなんですよね。
つまり、筋トレの60分前に飲んでおくと、アミノ酸濃度が高い状態でトレーニングができるのでより筋肉が付きやすくなります。
ーートレーニングが終わって15分後に飲むのも筋肉を付きやすくするためでしょうか?
そうですね。筋トレ直後は筋肉が付きやすい「ゴールデン・タイム」なので、あえてプロテインを飲むのを遅らせる必要はありません。筋肉を付けるベストなプロテインの飲み方が「筋トレ前の60分前」+「筋トレ直後の15分」の組み合わせになります。
ーー寝る前にプロテインを飲むのも、筋肉を付けやすくするためですか?
筋肉を付きやすくするというよりも、筋肉の分解を抑えるためです。長い時間、体にタンパク質入ってこないと筋肉は分解されやすくなるんですよ。
例えば、夕食を20時に食べて、次の日の朝食を8時に食べたとすると、食事の間隔が12時間も開きます。そこで、寝る前にプロテインを飲むと、寝ている間にも筋肉に栄養を送れるので筋肉の分解を抑えることができるんです。
失敗談から学ぶプロテインの正しい飲み方

ーー山澤さんはプロテインで失敗した経験はありますか?
あります。というのも、実は筋トレ中にプロテインを飲んでいた時期があったんです。よかれと思って独学でやっていたのですが、トレーニング中に消化不良を起こして気持ち悪くなりました(笑)。
あとは、「タンパク質をたくさん摂った方がいい!」と思って、食事と一緒にプロテインを摂っていたこともありました……。
ーープロテインは食事と一緒に摂るのはダメなのでしょうか?
食事で十分にタンパク質を摂っているのに、プロテインを飲んでさらにタンパク質を摂っても、思ったより筋肉が付かないんですよ。要するに、無駄なんです。
ーータンパク質はたくさん摂ればいいわけではないんですね。1食あたりで必要なタンパク質の量の目安はありますか?
1食あたり30gが目安です。例えば、肉や魚を150gも食べれば十分にタンパク質を摂取できます。
ーーなるほど! プロテインは食事以外のタイミングで飲むことが重要ということですね。
プロテインは吸収スピードが速いんです。肉とか魚とかの固形物は、消化吸収に3時間ぐらいかかるんですけど、プロテインは大体1時間ぐらい。なので、素早くタンパク質を補給したいときにプロテインを飲むようにします。
ーープロテインはあくまでも食事の補助というイメージですか?
そうですね。ただ、筋肉を付けやすくするためには、体重×2gのタンパク質が1日に必要といわれています。
例えば、体重60kgの人なら、1日あたり120gのタンパク質を摂取する必要がありますが、肉や魚など、食事だけで摂ろうとするとかなり大変だと思います。毎日、肉600gとか食べる計算になりますから(笑)。
しかも、3食しっかりした量を食べる必要がある。これって、一般の方は現実的に難しいと思います。
ーー食事でタンパク質を摂れないときは、一緒にプロテインを飲んだ方が良いですか?
例えば、僕らは普通に朝から鶏肉やサーモンを200gぐらい食べます。でも、朝は食欲がなくて、ご飯と納豆ぐらいしか食べられないという方も多いはず。でも、納豆ご飯で摂れるタンパク質って10gぐらいしかないんですよ。
そうなるとタンパク質が30g不足しますよね。この場合は食事と一緒にプロテインを飲むことをおすすめします。
ーーなかには週末だけトレーニングをするという方も多いと思います。筋トレをする日としない日でプロテインのとり方は変わってきますか?
基本的には、筋トレしていない日も体重×2gのタンパク質を摂るべきです。トレーニングをする・しないに関わらず、筋肉は分解と合成を繰り返しています。
そのため、週末だけしか筋トレをしていないとしても、毎日プロテインを飲んで体重×2gのタンパク質を摂ることをキープしてほしいですね。
プロテイン選びには正解がある?
ーープロテインには、ホエイやソイなど種類がありますが、それぞれのメリット・デメリットを教えてください。
プロテインの種類は主にWPC、WPI、ソイの3種類があります。そして、売られているほとんどのプロテインがWPC(ホエイ・プロテイン・コンセントレート)となっています。
WPCのメリットは3種類のプロテインの中でもいちばん美味しいこと。あとは、アミノ酸バランスがいいので、筋肉も付きやすくなります。価格が比較安いことも魅力ですね。
プロテイン選びで迷ったら、基本的にWPCを選ぶのが正解だと思います。
ーー逆にWPCプロテインをおすすめできない人はいますか?
日本人は乳糖不耐症の方が比較的多いといわれています。牛乳を飲むとお腹がゆるくなる人や体調に支障が出る方は、体質を考慮した選び方が大切です。
ーーお腹がゆるくなる人は他のプロテインがいい?
WPI(ホエイ・プロテイン・アイソレート)を選ぶ方が良いと思います。WPCからさらに乳糖や脂質を取り除いているので、乳糖不耐症の方でも飲むことができます。
乳糖や脂質が少ない分、タンパク質もたくさん入っています。100gあたりのタンパク質含有量はWPIが最も多いです。
ーーWPIを選ぶデメリットはありますか?
WPIは、乳糖や脂質を取り除く手間がかかっている分、プロテインの中でも値段が高く設定されています。イメージとしては無脂肪牛乳みたいなモノで、コクがないというか、さっぱりした味のプロテインが多いですね。
ーーソイプロテインを選ぶメリットはありますか?
う~ん……(笑)。WPCやWPIの方がアミノ酸バランスは良いので、乳糖不耐症でなければ特におすすめはしません。
味もメーカーによっては美味しいモノもあるけど……といった感じです。
ーービタミン入りのプロテインは吸収が速くなると聞きましたが。
正直、ビタミンは無視しちゃって大丈夫です。ビタミンが入っているといっても、十分な量が入っているわけではないんですよ。プロテインはあくまでもタンパク質を摂るためのモノなので、ビタミンは別で摂ってください、ということが大前提ですね。
自身がプロデュースしたREYSプロテインの魅力

価格は2138円から。詳細はこちら。
ーー山澤さんは「REYSプロテイン」を監修されていますが、おすすめの飲み方などはありますか?
おすすめは、水に溶かして飲んでいただきたいですね。牛乳に溶かして飲むと美味しくなりますが、吸収が遅くなってしまうんですね。プロテインの特徴は、吸収が速いところなので、ぜひ水で飲んでいただきたいです。
ーーREYSプロテインには7種類のフレーバーがありますね。山澤さんがいちばん好きな味は?
カフェオレですね。本当に甘いカフェオレを飲んでいるのと同じクオリティの完成度です。

「カフェオレ味はいちばん人気です」。
ーーノンフレーバーがないのも、味へのこだわりが強いからですか?
そうですね。プロテインは毎日飲むモノだから、味と価格にはこだわりました。あと、僕は甘いのが好きなんですよ。それに、ノンフレーバーって、本当にまずいんで……(笑)。
今の時代、スイーツ感覚でプロテインが飲めるというのは、メリットのひとつです。スイーツの代わりにプロテインを飲んで、効率良くタンパク質を補給してもらいたいですね。
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プロテインを自らプロデュースするほどのこだわりを持つ山澤氏の知識は、いつまでも健康的で若々しいカラダでいたいと考えている諸兄の参考になるはずだ。
OCEANS編集部