2025年大阪・関西万博の海外パビリオンの建設が遅れている問題で、大阪市は19日、チェコから建設に必要な「仮設建築物許可」の申請があったと発表した。自前で建設する「タイプA」を希望していた60カ国の中で、申請が出されたのは初めて。
申請「第1号」となったチェコを含む計7カ国が前段階にあたる基本計画書を提出していた。市は担当職員を増やして審査態勢を強化しており、許可までに要する期間は最短で約2週間。その後、さらに10日ほどかかる「建築確認申請」を経て、早ければ10月中に着工が可能になる。
チェコのパビリオンは、木製のパネルやアートガラスを組み合わせたデザインで、責任者は同日、「多くの注目を集める独自のパビリオンを世界に紹介するために最善を尽くす」とのコメントを発表した。
万博を運営する日本国際博覧会協会は、準備が難航しているタイプAを希望する国に対し、協会がプレハブ工法で建てた簡易施設を引き渡す「タイプX」を提案。しかし、自前での建設を断念してXへの移行を決めたのは1カ国にとどまっている。
一方、博覧会国際事務局(BIE)のケルケンツェス事務局長がこの日、大阪市役所を訪れ、横山英幸市長や大阪府の吉村洋文知事と面談した。報道陣の取材に、「負担を小さくしたい国にはいいのではないか」とタイプXを評価。建設の遅れについても府市や政府と協力して問題解決に当たるとして、「全く懸念していない。年末までに着工すれば慌てることはない」と述べた。【野田樹、石川将来】
毎日新聞