今年4月に富山地方鉄道の線路で保線作業をしていた19歳の社員が列車に接触して死亡した事故を受け、辻川徹社長が責任をとって辞任する考えを示しました。
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富山地方鉄道 辻川徹社長:「取り返しのつかない事故を起こしまして、この場を借りてお詫び申し上げます」
26日に開かれた決算会見で、事故について謝罪した富山地鉄の辻川社長。責任をとって社長を辞任する考えを示しました。
富山地方鉄道 辻川徹社長:「今回の事故は大変重く受け止めておるわけでして、私としては(社長として)残る選択肢はなかった」
この事故は4月11日、富山市水橋常願寺の富山地方鉄道・越中荏原、越中三郷駅間で保線作業をしていた富山地鉄の社員、清水健吾さん(19)が走ってきた列車に接触し、死亡したものです。
事故当時、現場には清水さんのほかに作業員3人、見張り役2人の合わせて6人がいましたが、清水さん以外は列車が来る前に退避して無事でした。
事故の原因は何だったのでしょうか。
富山地方鉄道 寺田潤常務:「突き固め作業中(保線作業)における列車監視がしっかり行われていれば事故は発生しなかったものと考えております」
富山地鉄では保線作業の際、列車の通過3分前に見張り役が作業員へ退避を予告し、2分前に退避を完了するルールがあります。
記者:「しっかり監視が行われていなかった可能性がある部分では何か言及できる部分は今の時点でございますか」
富山地方鉄道 寺田潤常務:「その辺につきましても調査中ということがございますので、差し控えさせていただきたい」
詳しい状況については国の運輸安全委員会が事故の原因を調査中であることを理由に明らかにしませんでした。
富山地鉄はできるだけ早い段階で再発防止策を公表するとしています。
富山地方鉄道 辻川徹社長:「至らないところが多々あったんではなかろうかなと。対策を立てていくということになっていく。それに尽きることだろうと思っています」
辻川社長の辞任を受けて新社長には中田邦彦取締役が就任する予定です。