NiziUはデビュー前なのになぜこんなに人気? 快進撃の裏にファンを熱狂させる鬼教官の裏動画

  • 日刊サイゾー
  • 更新日:2020/10/19

メンバー決定から4カ月が経った『Nizi Project』。そのヒットの秘密については、すでに様々な分析がなされています。これまでの日本のアイドルとは一線を画すパフォーマンス能力、韓国の名プロデューサー・J.Y.Parkさんの名言の数々などなど。しかし、あえてYouTubeだけに絞って見てみると、非常におもしろい戦略が浮かび上がってくるのです。

ガールズグループ『NiziU』は12月2日にデビューを控えていますが、その間も公式YouTubeチャンネルは絶好調。チャンネル登録者数は145万人(10月18日現在)。総再生数は1億5000万回を突破。動画の数は全部で61本ですから、1本平均約260万再生というとてつもない数字を叩き出しています。

一番再生されている動画はプレデビュー曲『Make you happy』のパフォーマンスビデオで、約3カ月で2769万再生。ちなみに、今、日本一の女性アイドルグループである乃木坂46が3月に公開した白石麻衣さんの卒業シングル『しあわせの保護色』のミュージックビデオは943万再生ですから、いかに異例かがわかるでしょう。念のために改めて言っておきますが、これはデビュー前のグループなんです。いやはや、すごい。

そもそも『Nizi Project』という番組が世に最初に出たのはテレビではありません。月額1026円(税込)のサブスク型有料動画配信プラットフォーム『Hulu』で今年1月にスタートしました。にもかかわらず、3月には驚くべき仕掛けに打って出ます。なんと番組をYouTubeで無料公開したのです。

有料コンテンツを、内容を変えずに別のメディアで無料化するのはありえないこと。しかし、これがNizi Projectの知名度を大きく広げた要因となったのは間違いありません。

そして、NiziUのYouTubeでの活躍を語る上で欠かせないのが、プレデビュー曲の存在です。前述の通り公式チャンネルでの再生数は傑出していますが、それだけじゃありません。

芸能人・YouTuber・一般人を問わず、たくさんの人が歌ってみた・踊ってみた動画を投稿したことで拡散。中には普通の高校生が文化祭の発表で作ったプレデビュー曲のミュージックビデオを完コピした動画が335万再生。グループ誕生からデビューまでの空白の時間をブームアップに変換しています。一見すると曖昧で中途半端な位置づけのプレデビュー曲ですが、SNSの拡散がモノを言う今、あるとないとでは大違いなのです。

さらに、NiziUのYouTube網はまだあります。“裏動画”とも言うべきファン必見のチャンネルがあるのです。それは、オーディション期間中に彼女たちのダンスレッスンを担当していたチョ・セロム(cho serom)先生のチャンネル。

K-POPの有名アーティストのバックダンサーも務める彼女は、レッスン時はプロとして過酷なトレーニングを課す、いわゆる“鬼教官”。そんな彼女がトレーナーの同僚イ・セラ(lee sera)先生と一緒に、『Nizi Project』の番組を見ながらメンバーのパフォーマンスについて、コメントする動画を投稿したのです。

鬼教官だけに厳しいコメントを連発するのかと思いきや、二人のリアクションはまるで家族。「がんばれ~!」「私までドキドキする」「ここの表情大好き!」「リハよりうまくできてる!」「なんてかわいいの!」などなど。メンバーの努力の過程を見てきただけに、感慨もひとしおなのでしょう。時には「ダメだ……泣いちゃう!」と感極まる場面も。

そうかと思えば、ダンサーらしく自分たちも踊りながら大爆笑する動画もあったり……とにかくメンバーへの愛情が溢れ倒しているのです。

すると、コメント欄も二人のメンバー愛に反応。「裏方がアーティストをオープンに応援する文化すばらしい」「こんな素敵な先生に教えられたらうまくなるのも納得」「NiziUも好きだけど、お二人も好き」etc.。推しメンやグループだけでなく、チームそのものをハコ推しするムードが醸成されています。

これらの動画は100万再生を超えるものもありますが、間違いなく再生数以上の効果があります。今の時代のエンターテインメントは、裏方の発信にこそ成功の鍵がある。作り手がコンテンツの一番のファンとなり、愛情を伝えることで、ユーザーの心に響く。同じコンテンツを愛する同志となることで作り手とユーザーの垣根が無くなり、熱狂的なコミュニティが形成されるわけです。プロデューサーであるJ.Y.Parkさんの言動が取り上げられがちですが、二人の動画も見事なアシストをしています。

チョ先生の動画がどこまで戦略的に作ったものかはわかりません。しかし、こういった細かい活動こそが今のファンマーケティングには必要であり、NiziUの快進撃を支えているのです。

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