日本のスタートアップの宇宙ロボットがSpaceXで宇宙へ飛び立った日

日本のスタートアップの宇宙ロボットがSpaceXで宇宙へ飛び立った日

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/09/16
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8月29日にSpaceXのロケットが打ち上げられ、アボカドや実験用のブラインシュリンプ、アイスクリームをはじめとした様々なものがISSに届けられました。実はその積み荷の中には、日本のスタートアップGITAIが開発した宇宙用ロボットアームS1も含まれていたのです。

ISSでは、宇宙用ロボットアームS1に基本的な船内外作業を遂行させる技術実証実験を実施し、微小重力空間での機敏性や汎用性について実証する予定です。将来的には、宇宙飛行士が普段行っている日常的な作業や、さらには船外の修理などの危険を伴う作業も代わりに行うことが可能になるでしょう。

今回の実証実験は、GITAIだけではなく日本のスタートアップ界全体にとっても非常に大きなマイルストーンです。日本のスタートアップが、日本ならではの技術力でゼロからロボットを開発し、世界中の宇宙事業で採用される技術になろうとしているのです。まさに日本の誇りです!

私たちがGITAI創業者の中ノ瀬さんに初めて会ったとき、彼はロボット開発のバックグラウンドがないにもかかわらず、GITAIロボットのプロトタイプを開発して、テレロボティクスの会社を作るのだと意気込んでいました。

渋谷の狭いオフィスで彼と面会したときのことは忘れられません。自宅のガレージで誰かが趣味で作ったようにしか見えないロボットがいくつも置いてあるのを見て、私は正直なところ、本当に実現できるのかと懸念せざるを得ませんでした。そのおもちゃのようなロボットが将来、NASAの協力のもと、宇宙に送られるロボットの原型になるとはとても想像できなかったのです。

それでも投資するべきだと、悩んでいた当時の私を説得してくれた共同創業パートナーのYoheiには感謝しなければなりません。投資して本当に良かったと思います。

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その後、中ノ瀬さんは私たちがこれまで支援してきた創業者の中でも「集中力」が特に高い人物であることがわかりました。最初から一貫して、彼は企業の最優先課題への集中的な取り組みの妨げとなるようなことを一切排除してきました。Coralのイベントに招待しても、重要ではないと判断されたものは躊躇なく断られてしまっていたほどです。1つのことに集中し、なにごとに対しても論理的に考えられるスキルは本当に素晴らしいと思います。あまりにもすごいので、Coralチームの間でも、「中ノ瀬さん自身が、遠い惑星の宇宙人かなにかに遠隔操作されているGITAIなんじゃないか」と冗談で言い合っていたくらいです。

実際、中ノ瀬さんは、その常人離れした集中力のおかげで、最終的に日本有数のロボット技術者たちをチームに引き入れることに成功しています。そのうちの1人は、Googleが買収したロボットベンチャーSCHAFTの共同創業者である中西雄飛氏です。その後、同じくSCHAFTで活躍していた植田亮平氏も加わり、他のトップレベルのロボット技術者も続々と集まりました。ワンルームの薄暗い渋谷のオフィスでおもちゃ作りをしていた頃から、「日本最強のロボット技術者集団」を率いるところまで成長したのです。

GITAIの近年の成長は非常に目覚ましく、大胆で無謀に思えるくらい大きな夢を目指すインスピレーションを他に起業家に与えるきっかけになればと思います。やりがいのある目標に向けて優秀な人材が集まり、集中力と強い意志を発揮すれば、あの遠い宇宙にさえも手が伸びるのですから。

P.S. Coralでは、今後日本から始まって本格的なグローバルビジネスへと成長できるスタートアップの多くは、技術や科学の分野で生まれると予想しています。SaaSやマーケットプレイスなどの分野にも投資し続けますが、グローバル展開を考えると、それらのビジネスはいずれ言葉や文化の壁で苦戦することになるでしょう。一方で、困難な課題に立ち向かうような技術もしくは科学のイノベーションは、言葉や文化の壁を超えて世界に通用する可能性が高いと考えられます。実際、私たちはこのカテゴリーで過去にもGITAIやInfostellar、Kyoto Fusioneering、Provigate、Polyuseなどのスタートアップを支援しています。そして今後も、グローバル市場への独自のネットワークを通して、こうした企業の成功をサポートして参ります。

もし技術や科学の困難な課題に対して、グローバル展開を目指して取り組んでいる起業家の方がいらっしゃいましたら、ぜひこちらまでご連絡ください!

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