セガサターンが発売から29周年。プレステ、NINTENDO64と過酷なハード戦争を戦った土星からの刺客を振り返る!

セガサターンが発売から29周年。プレステ、NINTENDO64と過酷なハード戦争を戦った土星からの刺客を振り返る!

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  • 更新日:2023/11/22

【セガサターン】

1994年11月22日 発売

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画像はセガハード大百科より

セガサターンは、1994年11月22日にセガ・エンタープライゼスから発売されたゲームハードだ。セガサターンという名前は、セガの6番目のハードであることから、太陽系の第6惑星・土星から名付けられたようだ。同時期に主流となっていたゲームハードとしては、プレイステーション(1994年12月発売)、NINTENDO64(1996年6月発売)が挙げられる。

セガサターンの代表作としては3D格闘ゲームブームの火付け役となった「バーチャファイター」、「バーチャファイター2」、後にセガのシミュレーションゲームの代表となる「サクラ大戦」などが挙げられる。特に「バーチャファイター」をやるためだけにセガサターンを購入するという人が現れることは決して珍しいものではなかった。また、後にアーケードシーンではセガサターンとの互換性のある「ST-V」という業務用基盤がリリースされたため、セガのアーケードゲームがスムーズに移植されるというのも特徴だった。セガのアーケードゲームをプレイしたいならセガサターンを所持していれば間違いなかったのだ。

本体の特徴としてはこの時代では珍しいインターネットへの接続機能を持っていたり、おそらく日本の家庭用ゲーム機としては最後の「オトナのゲーム」が遊べたことだろうか。

そんなセガサターンが、本日29歳の誕生日を迎える。今回は当時友人たちとこのハードで遊んでいた筆者が、その思い出を語ってみようと思う。

【セガサターン】

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家庭用ゲーム機にやってきた「3Dの嵐」

セガサターンが発売される1年前、まだまだドット絵が主流だったところに、ポリゴンを用いた3Dゲーム「バーチャファイター」が大ブームとなったことで、ゲーム業界には大きな旋風が巻き起こった。

「バーチャファイター」セガAM2研が開発した3D格闘ゲームだ。当時格闘ゲームといえば「ストリートファイター」のカプコン、「餓狼伝説」のSNKの2社がしのぎを削っていたが、そこに「バーチャファイター」が割って入ったことで勢力図は大きく書き換わったと筆者は思う。

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画像はアストロミニに収録された「バーチャファイター」のポリゴン。今見るとリアルとは言えないかもしれないが、当時からすれば生きた人間が戦っているようだった

ポリゴンブームは格闘ゲームのみならず、レースゲームやシューティングゲームなど、様々なジャンルのゲームがポリゴンで描写されるようになった。そこからセガサターン、プレステ、NINTENDO64などが発売されるまで若干のタイムラグがあったため、このときのアーケードゲームには特別なブランド感があった。そのため、それらのポリゴンゲームが家庭でも遊べるようになるということには大きな価値があった。筆者が最初にセガサターンに触れたのは友人宅だったが、ゲームセンターでしか遊べなかった「バーチャファイター」が家庭で遊べることは衝撃的だった。

豊富な周辺機器によって広がる遊び!

アーケードゲームの移植において、セガサターンは他機種より一日の長があったと筆者は考える。そもそもセガのアーケードゲームを移植するので当然ではあるが、それ以外のメーカーのゲームでもセガサターンは一歩先を行っていた。

例えば、SNKやカプコンの一部のゲームには「拡張ラムカートリッジ」、「拡張ラムカートリッジ4MB」の接続が動作に必須なゲームが存在した。手間ではあるが、これによりロード時間の短縮が行われ、他機種より良い環境でプレイができた。

特に後者の4MB版が必須となる「X-MEN VS. STREET FIGHTER」ではそれが顕著だった。このゲームは2人のキャラクターをリアルタイムで適宜交代させながら闘うチームバトルなのだが、他機種ではその機能がまるごと削除されていたりする。だが、セガサターン版ではアーケード版と同じく常時交代切り替えが可能であり、かつ切り替えてもロード時間が発生しないというアーケード版さながらのプレイができた。ここは格闘ゲーム好きな自分にとってセガサターンを購入するに充分な理由となった。

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拡張ラムカートリッジ。拡張ラムカートリッジ4MB版は上位互換ではなく、それぞれ対応するゲームが違っていた場合があったので、格闘ゲーム好きならば通常版と4MB版をそれぞれ所持して、ゲームによって差し替えていたのではないだろうか?

周辺機器によって遊びが広がったのは何も格闘ゲームだけではない。家庭用オリジナルタイトルでもそれは表れていた。アクションゲーム「NiGHTS」である。

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これはPS2でのリメイクである「NiGHTS into dreams…」のタイトル画面。幻想的な雰囲気が魅力的な作品である。

「NiGHTS」では、周辺機器である「セガマルチコントローラー」を使用してプレイする。このデバイスを簡単に説明すれば、今では当たり前になっているアナログスティック付きのコントローラーである。これで浮遊したキャラクターを操作するのだが、自由な世界を飛び回っているような没入感があった。よくセガのゲームは未来を先取りしすぎていると言われるが、それを体現しているゲームの1つだと筆者は思う。

互換機という概念があったのも珍しいハードだった。日立製作所からはハイセガサターン、日本ビクターからはVセガサターンという互換機が発売されていた。基本的な性能はセガサターンと同じだが、本体のカラーや、起動時の選出が違っていたりした。筆者の父親は日立製作所で新幹線、鉄道などの車両設計に携わっていたのだが、そこでは1年に1回社内の施設を使った夏祭りを開催していた。筆者はこの夏祭りが楽しみで、ハイセガサターン、通常のセガサターンが並んで「バーチャファイター」が楽しめたからである。家庭用ゲーム機を夏祭りの出し物として遊べたのはこの互換機の存在があったからだろう。

筆者思い入れの1本! クロスオーバーをセガだけでやってのけた「ファイターズメガミックス」

ではここで、筆者の思い入れのあるセガサターンオリジナルのソフトを紹介したい。それはセガサターンで1996年12月21日に発売された「ファイターズメガミックス」だ。

【ファイターズメガミックス】

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本作は、当時セガの3D格闘ゲームで大きな人気を博していた「バーチャファイター2」と「ファイティングバイパーズ」の2タイトルに参戦したキャラクターが一同に介するドリームマッチを実現させた3D格闘ゲームである。

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こちらが「バーチャファイター2」。「バーチャファイター2」ではリング外にはじき出されるとラウンドを取られてしまう

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こちら「ファイティングバイパーズ」。本作では四方を壁に囲まれているため、リングアウト負けは存在しない。しかし、特定の技でトドメを刺されると、このように壁が破壊されて吹き飛んでいく。その後ケロッと次のラウンドでは戻ってきているバカバカしさもなんともセガらしい

「ファイターズメガミックス」のゲームシステムも2作品を統合しており、オプション設定で「バーチャファイター2」寄りのルールにするか、「ファイティングバイパーズ」寄りのルールにするか設定できる。

わかりやすい変化を挙げれば、「バーチャファイター2」ルールであれば相手に空中に浮かされた場合にそのまま空中コンボを喰らい続けるしかない。だが、「ファイティングバイパーズ」のルールを適応すれば、空中で操作すると受け身を取り、追撃を回避できるようになる。なお、リングアウト自体は削除されている。

また、1つのゲームで2つのタイトルのキャラが使えると言うだけでも充分すぎるボリュームなのだが、このゲームの素晴らしいところは隠しキャラクターの豊富さにある。隠しキャラクターでは、なんとこの2タイトルと関係のないキャラクターが参戦するのだ。しかもそもそも格闘ゲームではないタイトルから参戦しているキャラクターが多い。

例えばガンシューティングゲーム「バーチャコップ2」から参戦した女刑事ジャネット。このキャラクターは「バーチャファイター3」で参戦する梅小路葵という合気道使いとほぼ同じ技を使用する。それだけでなく、元ネタよろしく拳銃を発砲するというオリジナル技まで引っ提げていた。レースゲーム「デイトナUSA」からは、何故かプレイヤーが使用する車であるホーネットが参戦。ウイリーのように2輪で立ち上がりつつ、「ファイティングバイパーズ」の主人公であるバンとほぼ同じ技を使用する。このカオスっぷりが子どもたちには「ツボ」であった。

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「デイトナUSA」のホーネット。この車が何故か二輪で立ち上がり、鉄山靠を決めるのだ

また、「バーチャファイター2」側の参戦キャラクターには、まだ家庭用移植がされていなかった新作「バーチャファイター3」で追加された新たな技が一部使用できた。見た目は「バーチャファイター2」だが、技は「バーチャファイター3」というちょっと嬉しいファンサービスだ。後に後継機「ドリームキャスト」でお披露目される技が、セガサターンで使用できたのはこのゲームがファンアイテムとしても評価が高い理由の1つだろう。

任天堂は自社キャラクターで対戦アクションを楽しめる「大乱闘スマッシュブラザーズ」を作り、任天堂が誇る人気キャラクターたちのドリームマッチを実現させた。セガは「ファイターズメガミックス」で同じようなことをやっていたのである。この手のゲームはキャラクターの数はもとより、参戦キャラクターに人気がなければ成立しないと筆者は思う。それをこの時代にやってのけていたのだから、セガのゲームはジャンルを問わず人気があったことを証明する1本だろう。

苦戦はしたが、任天堂に一矢報いたハード

セガサターンは世界展開をしたセガハードの中で唯一累計販売台数1000万台を突破することができなかったハードである。しかし、当時長年のライバルであった任天堂の同世代ハード、NINTENDO64に対し売上で上回り、セガハードの中では国内で最も売れたゲーム機でもある。また、タイトルとしても「バーチャファイター」、「NiGHTS」、「サクラ大戦」、「デイトナUSA」、「セガラリーチャンピオンシップ」など、新たなセガの時代を築き上げる新世代のゲームが誕生した時代でもあった。ポリゴンだけの描写技術だけでなく、セガのゲームのクオリティが高いことを証明したハードであると筆者は信じている。

(C)SEGA

原 尚樹

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