平手友梨奈「どんなこともやり切らないと終わらない」 不安を超えて届けたいもの

平手友梨奈「どんなこともやり切らないと終わらない」 不安を超えて届けたいもの

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  • 更新日:2021/01/14
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歌手・俳優 平手友梨奈 (c)2021映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 (c)Tomoko Yamashita/libre

2021年初春の映画に立て続けに出演する。自分のことは客観的に見ることはできない。考えながら紡ぐ言葉に、19歳の研ぎ澄まされた誠実さが表れている。AERA 2021年1月18日号から。

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1月22日から公開される映画「さんかく窓の外側は夜」で“呪いを操る力”を持つ女子高生、非浦英莉可を演じている。英莉可は父親の指示により“呪い屋”として活動する一面を持つ。発する言葉一つ一つもなかなかハードな役どころだ。

平手友梨奈(以下、平手):緊張や不安、プレッシャーは常に感じていました。ほかの役者さんは、演じるなかで、どこかのタイミングで手応えのようなものをつかんでいらっしゃるのかもしれないですが、私は「つかんだな」という感覚になることはあまりないのかもしれません。

クランクインする前とクランクアップした後でどう変わったのか、自分のことは客観的に見ることができないので、よくわからないというのが本音です。ただ、役に引きずられるようなことはあまりないです。

印象的な映像表現が多い作品ですが、撮影の段階で「最終的にこんなイメージになります」と、森ガキ侑大(ゆきひろ)監督から教えていただいていたので、イメージはしやすかったですし、とても演じやすかったです。プレッシャーはありましたが、「ここで苦戦した」という記憶もあまりないかもしれません。

■表情や演技を新鮮に

英莉可が物語のなかで出会うのは、“霊を祓(はら)える男”冷川理人(岡田将生)と、“霊が視える男”三角康介(志尊淳)だ。撮影中、二人とは多くの時間をともにした。

平手:どうすればもっとバディ感を出すことができるのか、志尊さんと岡田さん、お二人でお話しされていたり、監督を交えてお話をされたりしている姿は近くで見ていたので、素直に「面白いな」と感じましたし、そこからたくさんのことを学ばせて頂きました。

内容はホラー要素もあるミステリーなのですが、だからといって現場の雰囲気まで引っ張られてしまうと、きっとメンタル的にも苦しくなる。みなさんがそこまで意識されていたのかはわからないのですが、カットがかかった後は、いい雰囲気だったのではないかな、と私は思っています。撮影の合間は、共演者の方々とは役について意見を交わすというよりも、世間話など、役以外のことを話していました。

英莉可を演じるにあたり、あえて自分の役の部分しか台本を読まずに現場に臨んだ。

平手:自分が演じるシーンの流れは把握していますが、ほかの方の細かいせりふまで読まない方が、表情や演技が新鮮に映るのではないか、と思いました。

英莉可は、孤独を抱えた女の子なので、初めの何日かは、「ほかの共演者の方と一緒になったとしても、あまり話さないで」と森ガキ監督に言われていたんです。

ですが、数日経ってから「やっぱり話していいよ」と監督から言われ、共演者の方々とも言葉を交わすようになったんです。

この映画の原作である、ヤマシタトモコさんの同名漫画にも心奪われた。映画だけでなく、漫画も多くの人に手に取ってもらいたい、と願う。

平手:作品を観た方が少しでも原作が気になったら、ぜひ原作を読んでみてほしい、という気持ちがあります。英莉可だけでなく、三角や冷川についても、私は原作を初めて読んだときに面白いと感じました。映画のなかの英莉可は原作とは少し違う部分もあるので、興味を持った方は、読んでみてくださるとうれしいなと思います。

原作を知っている方も、知らない方も、この映画を観てどう感じてくださるのかは、すごく気になります。新しい作品に臨む時はいつも、ただ純粋に「この作品を届けたい」という気持ちから入っています。

「さんかく窓の外側は夜」は、映画出演2作目に当たる。映画を観るのも好きだという。

平手:もともと映画は洋画を中心に、たくさんの映画を観ています。好きな作品は選びきれないです。演じる機会が増えたから、「ほかの役者さんの演技を観よう」という視点から映画を観るようになったということはあまりないです。「この監督が好きだから観る」というより、その時その時に興味を持つ作品を観ています。

興味がある映画はあるのですが、同時に「この規模の作品は日本ではできないのだろうな」という現実的な部分を感じてしまうことはあります。

■助けられ乗り越えた

3作目の映画出演作となる「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」の公開も控える。撮影はコロナ禍と重なった。

平手:外出自粛期間の前に、すでに撮影に入っていて、自粛期間を挟み、再び撮影に入るという状況だったので、外出自粛期間が明けたら、同じように撮影に戻ることができるのだろうか、というのは不安でした。たとえ撮影が再開できたとしても、時間が空いているので「自分に同じ役ができるだろうか」という不安もありました。最終的には、自分の力というよりも周囲の方々に助けられながら乗り越えることができた気がします。

不安になると、私はすごく考え込んでしまうタイプなのですが、最終的にはやりきらないと、どんなことも終わらない。不安を抱いたときはいつもそんな気持ちで、作品と向き合っています。

(ライター・古谷ゆう子)

※AERA 2021年1月18日号

古谷ゆう子

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