
瀧中瞭太投手
最下位から巻き返しを図る楽天の最下位脱出のキーマンとなれるか。ここまでチームトップタイの2勝をマークしている瀧中投手に話を聞きました。
5月14日の西武戦、先発マウンドに上がった瀧中瞭太。巧みなコントロールで的を絞らせず、西武打線を翻ろう!9回1アウトまでノーヒットピッチング、しかし…球団史上初のノーヒットノーラン達成とはならなかったが、堂々のピッチングを見せた。
瀧中瞭太投手
「いいピッチングできて勝てたのは自信になりますし、(プロ入り後)ベストピッチだったのかなと思います」
快挙目前に迫った裏には、苦難の中で掴んだある球種の存在があった。
瀧中は2019年ドラフト6位で楽天に入団。2年目には10勝を挙げて先発の一角として活躍も、昨シーズンはわずか2勝止まり。迎えた今シーズン、テークバックを小さくする新フォームで臨み、チームトップに並ぶ2勝をマークしている。復調の要因について本人に聞いてみると…
瀧中瞭太投手
「1番はやはりストレートですね。ストレートがスピンを効かせて投げ切れるかどうか。それがなければ変化球は生きてこない」
瀧中のストレートは、日本球界の平均球速よりおよそ5キロも下回る。150キロの速球が当たり前になりつつある近年、それでも、勝負できる理由とは。
瀧中瞭太投手
「カーブの有効性」
リリースの瞬間、大きく浮いてから落ちるカーブ!実は球界で2番目にカーブの投球割合が多いのが瀧中だ。この90キロ台のカーブがストレートを生かしているという。
瀧中瞭太投手
「とんでもなく遅いので僕の真っすぐでも詰まってくれたりする」
実際にカーブとストレートを比較すると、ミットに収まるまでの差は歴然。最大でおよそ50キロの緩急差が武器となっている。自身の投球スタイルを確立したカーブ。そのカーブを身に付けたきっかけとは。
瀧中瞭太投手
「大学で肘を手術した後のリハビリで、当時の監督にストレートとカーブを交互に投げろって言う話があったので、リハビリの副産物で生まれた。リハビリ期間中は、ずっと野球やめようと思っていたので…それでも毎日トレーナーさんがリハビリ手伝ってくれて、周りの同期もずっと話聞いてくれて。それがあったからそのあと野球出来ている」
ケガの功名で生まれたカーブ。今や生命線として重要な役割を果たしている。そして、苦難を乗り越え大記録目前の快投を演じた。
瀧中瞭太投手
「手術からちょうど10年なんですよそれも僕の中ですごい節目だったので。10年前の自分に言いたいですね。ちゃんと10年できるぞっていうのを」
磨き上げてきた緩急と手術からの節目で得た自信を糧に、白星を手繰り寄せていく。
瀧中瞭太投手
「1勝でも多く挙げたいし、チームは優勝に向かって動いていますし、その歯車としてしっかり回っていきたい」