学術会議問題、ここにきて批判する野党のお粗末っぷりが明らかに...!

学術会議問題、ここにきて批判する野党のお粗末っぷりが明らかに...!

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2020/10/16
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迷走する学術会議の問題

日本学術会議問題で、私は先週のコラムで「野党にブーメラン」と書いたが、まさに、そんな展開になってきた。野党は追及のロジックを見い出せず、菅義偉政権の意思決定プロセスくらいしか、問題にできないのだ。なぜ、こうなってしまったのか。

立憲民主党の蓮舫代表代行は10月14日の会見で「誰のための任命拒否を、誰がどの権限で行ったのか、がまったく分からない。その部分はまさに、密室政治そのものではないか、と思っている」などと語った(https://cdp-japan.jp/news/20201014_0077)。

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立憲民主党の蓮舫代表代行[Photo by gettyimages]

自民党は学術会議の在り方を検討するプロジェクトチームを立ち上げ、初会合を開いた。これについて、蓮舫氏は「自民党も政府も、躍起になって論点ずらしをしているとしか思えない。まったく間違っている」と強調した。

そのうえで「日本学術会議の組織そのものに、百歩譲って課題があるとしても、今やらなければいけないのは、なぜ任命拒否をしたのか。その経緯の再検証が最優先だ。日本学術会議法に『内閣総理大臣が推薦に基づいて任命する』とある条文を、なぜ守らなかったのか、杉田官房副長官が人選に関与していたのか、違法行為があったのか。これに尽きると思っている」と指摘した。

この発言を見れば、追及が袋小路に入ってしまったことが分かる。

密かに論点を変えた野党の事情

それはなぜかと言えば、先週のコラムで指摘したように、学問の自由を脅かしていたのは学術会議自身だったことが、バレてしまったからだろう。北海道大学の奈良林直名誉教授が国家基本問題研究所に寄稿し、同大のM教授の研究について学術会議が圧力をかけ、研究を辞退させていたことが明らかになったのである(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76267)。

奈良林氏は当初「学術会議幹部は北大総長室に押しかけ、ついに2018年に研究を辞退させた」と書き、私も先週のコラムでそのまま紹介したが、その後、同氏は「幹部が総長室に押しかけた」部分を削除し「学術会議からの事実上の圧力で、北大はついに2018年に研究を辞退した」と訂正した(https://jinf.jp/weekly/archives/32608)。

それでも、圧力で研究を辞退させた事実は変わらない。

私は、この「北大事件」を「夕刊フジ」の連載コラムでも取り上げているが、夕刊フジ編集部の取材に対して、学術会議の広報担当者は「何をもって圧力なのか分からない」などと答えている。実に苦しいコメントである。詳しくは、本日10月16日に発売される夕刊フジをぜひ、ご覧いただきたい。

北大事件の最大のポイントは「学術会議の誰が、どのように圧力をかけたのか」「北大側は誰が応対し、なぜ圧力に屈してしまったのか」という点である。私は「M教授が研究を辞退しないと、学術会議は北大の学者を学術会議の会員に推薦しないぞ」と脅したのではないか、みている。

権威で凝り固まった学術会議

学者の世界では「日本学術会議会員」という肩書が「最高級ブランド」になっている。これを手に入れれば、社会的名誉はもちろん、学者の世界で幅を効かせられる。

具体的に言えば、政府の科学研究費(科研費)の配分をめぐって、学術会議会員の学者が事実上の裁量権を握ることも可能になる。科研費の配分は日本学術振興会の科研費審査委員が決める仕組みだが、学術会議会員が審査委員を兼ねる場合も多いのだ(https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/24_pamph/data/kakenhi2019.pdf)。

学術会議の会員(と連携会員)は現在の会員(と連携会員)が推薦する仕組みだが、推薦を受けたうえで、新会員(と新連携会員)候補者は学術会議の選考委員会と幹事会、総会、さらに会長の承認を得なければならない。そのうえで、最終的に内閣総理大臣に候補者を推薦するのは会長だ。つまり、推薦の決定権は完全に学術会議が握っている(http://www.scj.go.jp/ja/scj/kisoku/35.pdf)。

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日本学術会議[ウィキメディア・コモンズ]

こうした仕組みの下で、学術会議の意向に逆らうと、学者の世界で異端扱いされ、会員になれないばかりか、研究の命である科研費の恩恵にも与れなくなってしまいかねないのである。

いずれにせよ、まさに「学問の自由」に直結する問題であり、事は重大だ。学術会議は何をしていたのか。政府・自民党は、ぜひ「北大事件」の真相を国会で徹底的に検証してほしい。いまだに「学問の自由に対する侵害」などと叫んでいる野党や左翼学者たちは、その線で追及を続けると、自分たちがドツボにはまってしまうことに気が付いていないようだ。

蓮舫氏が決定プロセスについて「再検証が最優先」と言っているのは、そんな落とし穴に気づいて、軌道修正を図っているのかもしれない。そうだとしたら、野党はいずれ、問題をうやむやにして終わらせるのではないか。

北大事件の真相を含めて、あらゆる学術会議内部の情報は首相官邸に筒抜けになっている可能性も大きい。事務局を仕切っているのは、内閣府の官僚である。首相官邸が内部情報を求めれば、官僚が左翼学者たちに味方して、断るわけもない。

政府・自民党が学術会議の在り方を本格的に見直す構えである以上、官僚たちは「これはヤバい」と身構えて、防戦体制を整えるのが最優先課題になる。おバカな左翼が騒げば騒ぐほど、邪魔になるのは当然だ。彼らを黙らせる動きは、学術会議内部でも始まるだろう。

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6人の任命を拒否した菅義偉首相[Photo by gettyimages]

野党もマスコミも情けない…

情けないのは、左派マスコミだ。彼らは日頃、口を開けば「政府の監視が自分たちの役割」などと言いながら、この問題では野党や左翼学者の言い分ばかりを報じて、問題の真相に迫ろうとしない。私は左派マスコミをあまり見ないので知らないが、北大事件を報じた左派マスコミはあったのか。

蓮舫氏が問題視している意思決定プロセスについても、一言、付け加えよう。首相が案件を決裁するのに、官房長官や官房副長官、さらに閣僚たちを指示して、前さばきさせるのは当たり前だ。何から何まで、首相が自分1人で仕切るわけがない。

それを「密室政治」などとケチを付けているようでは、およそ子供じみていて、話にならない。野党議員はその程度、と今回の問題でも、またバレてしまった。

左翼学者たちは「日本学術会議を手に入れた」と思い込んだ。そこは、カネと名誉が思いのままになる「左翼の楽園」だった。調子に乗って、他の学者の研究にも文句をつけたら、見事に成功してしまった。そこに菅政権が任命拒否を仕掛けると、蜂の巣を突いた騒ぎになって「学問の自由」を言い出した。だが、それこそが、まさに「やぶ蛇」だったのだ。

私には、似たような記憶がある。学生時代の大学バリケード封鎖である。当時、左翼だった私はバリケードの中で「至福の思い」に包まれた。だが、それは長くは続かなかった。バリケードの中で内ゲバが始まったからだ。

幼稚さは、いまもかつても「左翼の代名詞」である。

10月14日公開の「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」は、高橋洋一さんが内閣官房参与に就任された内幕について、ご本人に語っていただきました。日本学術会議問題と、前回から始めて好評の「高橋教授のマクロ政策講義」も。

新型コロナ問題については、大阪大学大学院の森下竜一寄附講座教授と対談し、5月に「新型コロナの正体〜日本はワクチン戦争に勝てるか!」、第2弾として8月に「どうする!?感染爆発〜日本はワクチン戦略を確立せよ!!」(いずれもビジネス社)を発売した。こちらもぜひ、ご一読を。

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