高知県の廃校が水族館に変身し大ヒット 「台風の街」のネガティブイメージを一掃

高知県の廃校が水族館に変身し大ヒット 「台風の街」のネガティブイメージを一掃

  • しらべぇ
  • 更新日:2020/09/15
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(写真提供:むろと廃校水族館)

文部科学省によると2018年5月現在、全国の廃校数は6,580校あり、1,675校(全体の25.4%)が未活用状態だ。各自治体では廃校の有効活用が課題となっており、今後も全国で毎年500校程度増えていくと予測されている。そんな中、台風で有名な街の廃校が話題を呼んでいる。

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■「お金をかけない」がポリシー

高知県室戸市室戸岬は、台風中継などでおなじみの街。その街の廃校を利用した「むろと廃校水族館」が、2018年4月にオープンした。この水族館のポリシーが、とにかくお金をかけないこと。この水族館は、NPO法人日本うみがめ協議会が施設の指定管理者となって運営している。

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(写真提供:むろと廃校水族館)

指定管理者制度は、一般的に自治体から運営費の補助を受けているケースが多いが、この水族館への支給はゼロ。入場料金とグッズの売上で人件費、光熱費等すべてを賄っている。

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■展示している魚はもらってきた

担当者は、「オープン当初とにかくお金がなかった」とこぼす。そのため、ホームページやチラシ・ポスターの作成は一切なし。また、展示されている50種類1,000匹以上の魚すべてを、近隣の漁港・漁師からもらってきたという。

サメやカメやブリもいるが、「定置網にかかった出荷しづらいものを漁師が提供してくれる」という、漁師町ならではの運営を行っている。

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(写真提供:むろと廃校水族館)

また、当時カーテンがなかったため、近隣の廃校から地図をかき集めてそれを貼ったり、校長室や職員室の事務机を現在のスタッフ用に有効活用中だ。

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(写真提供:むろと廃校水族館)

■町が賑わい住民も大喜び

オープン初年度は、全国から17万人、2年目が14万人がやってきて、廃校が地域の中心施設になりつつある。周辺の飲食店や宿泊施設にも賑わいをもたらした。また、視察に議員も大勢やってきている現状だ。

結果として住民が、「室戸岬というと台風というネガティブなイメージがつきまとっていたが、初めて明るい話題で全国にPRできている」と喜んでいるそうだ。

■廃校が華麗に変貌

この水族館は、学校の施設をそのまま残していることも特徴のひとつ。プールや水道施設、昔の学校ではおなじみのOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)を、展示水槽として使用している。

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(写真提供:むろと廃校水族館)

また、理科室や家庭科室をそのまま残しているため、魚をさばくといった実習もできるようになっている。そのため全国各地から、児童・生徒・学生もやってきている。

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(写真提供:むろと廃校水族館)

修学旅行や大学のゼミ、研修などでも多く使われているそうだ。研修に来た学生が室戸を好きになり、卒業後漁師になったという事例も発生。

学校からのお手紙はほぼ全員が同じ文章ですが、きのう届いた学校は皆さん個性的で面白く読ませて頂きました。

「飼育方法について詳しく」というリクエストで登校した学校でした。

3学期に手作り水族館をつくって地域に公開予定とのこと。

今度は私たちが登校します。 pic.twitter.com/Yw8QJGvYr8
— むろと廃校水族館 (@murosui_kochi)
September 13, 2020
from Twitter

廃校が、再度学びの施設へと華麗なる変貌をとげて、地域の中心となり、人を呼び活気をもたらした。

■地域産業との連携も

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(写真提供:むろと廃校水族館)

地域との産業とも連携し、かまぼこ屋とコラボした、「カメぼこ」も水族館で販売中。また、なかなか流通していない室戸はちみつを、水族館独自のラベルを貼り、近々発売予定だ。

1回1,000円で大人気の「ぶりくじ・さばくじ」は、1等から4等まで異なる大きさのぬいぐるみが景品となっている。1等は全長約80cmあり、開始からすでに4万5,000回利用された。

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(取材・文/しらべぇ編集部・おのっち

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