新車系の販売会社がピンチ!? 「売れるクルマが無い」苦境に立たされる自動車ディーラーの今後どうなる?

新車系の販売会社がピンチ!? 「売れるクルマが無い」苦境に立たされる自動車ディーラーの今後どうなる?

  • くるまのニュース
  • 更新日:2022/06/23

納車ができない!その影響は販売会社の経営にも?

多くのユーザーが頭を悩ませる新車の長納期化ですが、販売会社も大きな影響を受けているようです。

加えて、クルマの進歩や進む電動化も販売店にとっては逆風となっているようです。いったいどういうことなのでしょうか。

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各自動車メーカーの正規販売店では長納期化によりさまざまな影響が出ているという(画像は国内に約5000店舗を構えるトヨタ正規販売の看板イメージ)

コロナ禍やウクライナ危機などを原因とした、半導体やワイヤーハーネスといった部品不足によって、引き起こされている昨今の新車の長納期化は、多くのユーザーの頭を悩ませています。

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その一方で、この問題は新車を販売する各販売会社も苦境に立たせています。

各販売会社は、一部を除いて自動車メーカーからは資本上独立していることが一般的です。

自動車メーカーと正規契約をした販売会社は、自動車メーカーから卸売価格でクルマを買い取り、それをユーザーに販売することで利益を得るというのが基本的な仕組みです。

いうまでもなく、販売会社の主要なビジネスは新車販売にあり、販売会社における新車販売の売上高比率は、多くの場合で50%を超えるといわれています。

現在、コロナ禍も落ち着きを見せ、国内の新車販売台数自体は回復傾向にあります。つまり新車を購入しようとするユーザー自体は決して少なくはないということです。

ただし、多くのモデルが長納期化し、モデルによってはオーダーストップとなっていることもある昨今では、新車の注文を受けてから実際に納車するまでには、これまで考えられなかったほど多くの時間を要することになります。

新車購入費用の支払い方法についてはさまざまなケースがありますが、注文時に全額支払うというケースはそれほど多くはありません。

ある販売会社では、注文時に手付金、登録時に諸費用、そして納車日までに残額を精算するという方法を採用していますが、この場合では販売会社が実際に現金を手にするためには、納車をしなければなりません。

大企業であっても、給与の支払いや取引先への支払いなどに充てられる現金はそれほど多くないのがふつうです。

つまり、納車ができないと現金が入ってこないという点が、販売会社としては大きな問題となっています。

オーダーを受けてさえいれば遅かれ早かれ入金がなされます。しかし、オーダー自体がストップしてしまうと、それすらも難しくなってしまうということが販売会社にとってを窮地に立たせています。

実際に国産メーカーの販売店関係者は次のように話しています。

「最近では登録(納車)に時間がかかり、販売側もお客さま側ともにさまざまな影響が出ています。

正規販売店の売上は、おおよそ新車60%、中古車20%、車検・整備が20%という内訳で、もちろんメーカーや販売会社により異なるものの、基本は同じだと思われます。

そのため、新車販売の長納期が続くほど販売店としては厳しい状況なうえに、最近では生産調整の関係でオーダーストップになっているモデルも出ており、『売れるクルマが無い』ということにもなり、長い目で見れば客足が遠のいてしまう可能性も危惧しています」

技術の進歩や進む電動化も逆風に?

販売会社が抱える昨今の問題は、あくまでコロナ禍やウクライナ危機といった近年の偶発的な事象によるものです。しかし、販売会社にはこれまでもさまざまな課題がありました。

まず、少子高齢化が進むことで、日本の新車販売市場が長期的に減少傾向にあるという点です。

加えて、モータリゼーションが進んでいる日本では、クルマが必要な人やクルマを購入できる余裕がある人は、すでにクルマを持っている状態です。

そうしたなかで新車販売を増やすためには、いま現在クルマに乗っている人に買い替えを促すか、あるいは若年層をターゲットにするしかありません。

しかし、少子高齢化が進むこれからの日本では、新車販売市場が爆発的に伸びることは期待できません。

そこで、近年の販売会社は、新車販売に頼らないビジネスを展開してきました。そこで注力してきたのが、既存顧客を主要なターゲットとした整備や車検です。

正規販売店であることの安心感と高い技術力を武器にした結果、現在多くの販売会社で車検や整備はビジネスの柱へと成長しました。

販売店の売上の大部分が、新車販売によるものであることは先ほど説明したとおりですが、利益という点では整備や車検の比率は50%程度にまで高まるといわれています。

つまり、販売会社にとって、ディーラーで整備や車検をおこなってもらえるかどうかは、文字通り死活問題であるということになります。

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販売会社では新車/中古車の販売以外に車検/整備での売上もある

しかし、技術の進歩によって、クルマはかつてほど故障しなくなりました。さらに、自動ブレーキなどの安全運転支援システムが発達したことで、整備を必要とするような軽微な事故も減少しています。

当然、今後も技術は進歩していくため、今後もこうした傾向は続くことが予想されます。

さらに、世界的に進むクルマの電動化も販売会社にとっては向かい風となります。電気自動車(EV)は、既存のエンジン車にくらべて部品点数が少なく、また販売店でできる整備も限られています。

つまり、クルマが進歩し、電動化が進めば進むほど、既存の販売会社は窮地に立たされるといえます。

※ ※ ※

このように、日本の販売会社は、短期的にはコロナ禍やウクライナ危機で、中長期的にはクルマの進化や電動化、そして少子高齢化による人口減少によって大きな影響を受けることは避けられません。

そこで、多くの販売会社では、新たなビジネスを模索したり、デジタル化を推進することによる経費削減を図ったりしています。

ただ、成長市場ではないとはいえ、日本は依然として世界有数の自動車販売市場であり、その一翼を担ってきた販売会社にも非常に多くのノウハウが蓄積されています。

そうしたノウハウをどう活用し、変化の大きい社会へ対応していけるかどうかが今後のカギとなりそうです。

PeacockBlue K.K. 瓜生洋明

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