東大生4人が創設した旧統一教会系の学生団体「UNITE」“安倍応援団”としての行動

東大生4人が創設した旧統一教会系の学生団体「UNITE」“安倍応援団”としての行動

  • NEWSポストセブン
  • 更新日:2022/08/06
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2016年に行われた旧統一教会系の学生団体「UNITE」のデモ(撮影/西谷格氏)

安倍晋三・元首相を銃撃した山上徹也容疑者は、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に入信した母親が全財産を教団に貢いだため裕福だった家庭が崩壊、貧困の中で育ち、憎しみのはけ口を安倍氏に向けた。しかし、それとは逆に、同教団には安倍氏を熱心に応援する2世信者たちがいた。

【画像】2021年9月、友好団体の集会にメッセージを送った際の安倍晋三氏

安倍氏は政権に返り咲いて3年目に大きな危機を迎えた。安倍政権が推進した安保法制(2015年)に反対するデモが国会を取り囲み、支持率は急落、若者に抗議活動を呼びかける学生組織SEALDs(シールズ)がマスメディアの脚光を浴びた。その頃、そうした流れに対抗して現役東大生4人が結成したのが「国際勝共連合 大学生遊説隊 UNITE(ユナイト)」(2016年1月結成)だ。創設メンバーの4人は全員、旧統一教会の2世信者だ。

UNITEは各地に結成され、〈安保法制 賛成〉〈憲法改正支持! 安倍政権を支えよう!〉などと書かれたプラカードや横断幕を持って全国の主要都市で遊説やデモ行進を展開した。

まさに若者の“安倍応援団”の中核としての行動だった。旧統一教会の活動に詳しいジャーナリスト・鈴木エイト氏はこう見る。

「2015年秋にSEALDsが若者に呼びかけて官邸前で安保法制反対の大掛かりなデモが行なわれたが、政府には対抗する団体がなかった。しかも、2016年には選挙権年齢が18歳に引き下げられて初めての参院選がひかえており、自民党は若者の支持が離れることに危機感を募らせていた。そこで統一教会・勝共連合がSEALDsに対抗する学生の団体を設立したのだと思います。

UNITEが『安保法制賛成』『憲法改正支持』を掲げてデモや遊説を行なうと、当時、自民党広報本部長代理だった平井卓也・元IT担当相はフェイスブックで『このようなデモはあまり報道されませんが、学生はシールズというイメージは間違いです』と書き込み、UNITEが各地で開くセミナーやイベントには自民党の国会議員が多数参加しています」

UNITEは参議院選前にも2度の一斉演説や6大都市でのデモ行進を行なった後、2017年に「勝共UNITE」と名前を変更し、活動はいまも続いている。

昨年の総選挙直後の11月7日には国際勝共連合主催・勝共UNITE共催の憲法改正推進イベント『救国救世勝共大会2021』が開かれた。前出の鈴木氏は、「大会の動画を確認したところ安倍派の中根一幸・元外務副大臣が音声のメッセージを寄せ、『今日は若い方々がたくさん参加をされている』『皆さまと一緒にしっかりとそういった素晴らしい日本を作っていきたい』と2世信者たちを勇気づけた」という。中根事務所では、「個別の問い合わせにはお答えしていません」と回答を拒否した。

本誌・週刊ポストが安倍氏や自民党議員との関係についてUNITEに取材を申し込むと、〈勝共UNITEとして「保守政治家を支えてきた」つもりはありません〉とした上で、安倍元首相とはどんな政治家だったと思うかという問いにはこう回答した。

〈一言で言えば、「大変偉大な政治家」だったと思います。外交・安全保障の分野に限っても、平和安全法制の制定や「自由で開かれたインド太平洋」構想の推進、そして、憲法改正を現実的な政治的課題に押し上げたこと等々、私たちが詳述するまでもありませんが、日本国にとって偉大なリーダーシップを発揮された方だったと思います〉

保守系団体や右派の動向に詳しい『宗教問題』編集長の小川寛大氏は、安倍支持層の中でUNITEの位置をこう読み解く。

「第1次安倍政権が誕生して以降、右派勢力に新しい流れが生まれた。北朝鮮による拉致問題や中国の安全保障上の脅威、日韓関係の悪化がクローズアップされると、街宣活動する従来の右翼団体とは別に、ごく一般の人が右派の運動に参加するようになった。いわゆるネット右翼もそうです。従来の伝統保守に加え、そうした層が“安倍応援団”を形成した。そしてネットでつながった人々はリアルな行動、集会やデモに参加するようになった」

そこに旧統一教会2世など学生信者を中心とするUNITEが結成され、安倍政権支持を熱心に訴えた。小川氏は続ける。

「彼らはネット右翼の人々と違って集会やデモでの働きに長けていて、人員整理からゴミ拾いまで率先して行なうから、活動の中心になっていくわけです。『勝共連合』の横断幕やのぼりを立てているから隠していませんが、旧統一教会系の団体だとは知らずに参加した人もいる」

こうして安倍支持層の中で存在感を示すようになった。

※週刊ポスト2022年8月19・26日号

NEWSポストセブン

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