F１第15戦のシンガポール・グランプリは９月17日に決勝が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅はオープニングラップでの接触で２戦連続のリタイアを喫した。
【PHOTO】各チームニューマシンを発表！2023年シーズンを戦うＦ１全チームの新車を一挙紹介！予選ではQ１でトップタイムを計測しながらも、Q２では他ドライバーからの妨害と自身のミスによって２つのタイムアタックをいずれも走り切ることができずに15番手止まり。ここからの巻き返しを誓って臨んだ決勝では、スタートでポジションを２つ上げたが、インを突いてきたセルジオ・ペレス（レッドブル）と接触したことでラジエーターを破損し、レース続行を断念せざるを得なくなった。
フォーメーションラップでコース脇に車を停めたイタリアGP同様、ポイント獲得のチャンスを十分に秘めながらもまともにレースができないままに終わるという失意を再び味わった角田は、チームの公式サイトを通して、「直近の２つのレースで、クリーンな週末を過ごせていないことに、とてもフラストレーションを感じています。特にシンガポールでは、大幅なアップデートを施しただけに、余計にそう感じます」と心情を明かし、以下のように続けている。
「良いスタートを切ることができましたが、最初の周回で他車と接触し、サイドポッドとラジエーター、冷却システムが損傷してしまい、リタイアせざるを得ませんでした。とても苛立たしいことであり、チェッカーフラッグを受けられなかったことは残念であり、チームに対しても大変申し訳なく思っています。パフォーマンスを発揮する機会は得られませんでしたが、ポイントを獲得できるだけの速さは確実にあったので、リセットし、鈴鹿で力強いカムバックを果たせればと思います」
ペレスとの接触については、角田は『Fox Sports』に対して、「我々はポジションを争っていましたが、チェコは僕の車に横から突っ込んできて、ラジエーターを壊しました。イタリアでもシンガポールでも、上手くいかなかったことが残念です。チームは素晴らしい仕事をしており、次のレースで立ち直る必要があります」と語った。
チームはSNSで、リアム・ローソンの９位入賞を喜ぶ一方で、角田については「不運にもコース上で車を停めることを強いられた」と投稿し、またリタイア後に彼がチームスタッフに謝意と感謝を表わしたことを伝えている。テクニカルディレクターのジョディ・エッギントンは、「ユウキは接触による損傷でリタイアしなければならなかったが、それは彼のせいではなかった。金曜のロングランでは非常に強力なペースを見せており、残念だった」と、“もらい事故”であることを強調している。 各国専門メディアの報道では、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO.com』は「ユウキのレースは全く上手くいかなかった。日本人ドライバーはペレスと接触し、１周目でのリタイアを余儀なくされた。２週間前、モンツァではスタートラインにさえ立てなかった彼にとって、これは新たな失望となってしまった」と伝えた。
イギリスのモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、ローソンを評する中で「彼のQ３でのポジション（10番手）は、チームメイトがQ２で最終ラップを走り切っていれば、ユウキのものだっただろう」と指摘したが、一方で角田本人については、以下のように評している。
「ユウキにとって、何かを実現できたかもしれない週末だった。彼はQ１を制したが、そのラップタイムは、チームメイトのローソンが後にQ３で記録したタイムよりもはるかに速いものだった。しかし、Q２でのフェルスタッペンの妨害、ターン14でのミスが、彼を振り回した。レースはペレスとの接触によって１周目で終わったが、これは避けられたものだった。速さはあったが、結果には繋がらず、Q２でのミスが転機となった」
なお、角田はローソンの初入賞に対して、プレスリリースでも真っ先に言及しており、「シンガポールでのF１の初レースで、リアムがポイントを獲得したことを祝福したいと思います。彼は素晴らしい仕事をしました」とのメッセージをチームメイトに贈っている。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】角田裕毅、Q１ではトップタイムをマーク！ シンガポールGP予選ハイライト
