初心者がつみたてNISAで押さえておきたい4つのポイント。知らないと損することも

初心者がつみたてNISAで押さえておきたい4つのポイント。知らないと損することも

  • LIMO
  • 更新日:2023/03/19
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2023年度の税制改正において、2024年1月から開始される新NISA制度(少額投資非課税制度)に注目が集まっています。

改定が予定されているものの、毎月無理のない範囲でコツコツと始められる「つみたてNISA」は、初心者でも取り組みやすい有効な手段といえます。

この記事では、現行のつみたてNISAのメリットやデメリットを解説し、これからつみたてNISAを始めようと考えている人が押さえておきたいポイントをご紹介します。

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出所:金融庁「新しいNISA」

つみたてNISAのメリット

つみたてNISAとは、積立型の少額投資非課税制度です。

少額からコツコツと投資を始めたい人に向けた、長期・積立・分散投資を支援するための制度のことです。

2018年1月の開始から人気を集めている、つみたてNISAのメリットについて解説します。

1. 運用による利益が非課税になる

株式や債券・投資信託などの資産運用によって得た利益は、通常は20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%・住民税5%)の税金が課せられます。

つみたてNISAでは、この運用益にかかる税金がかかりません。

2. 少額からでも資産運用ができる

資産運用を始めるには、まとまった資金が必要と考えている人も多いでしょう。

つみたてNISAは、毎月の積立額を100円からでも設定することが可能です。

少額から始められるため、無理のない範囲でスタートし、徐々に積立額を増やすということもできます。

3. 手数料コストが抑えられる

投資信託を長期で運用していくうえで、購入時や運用期間中にかかる手数料コストは決して軽視できません。

つみたてNISAの対象商品は、全て販売手数料が無料(ノーロード)の商品になります。

また、信託報酬(運用中の手数料)も低い商品が多くなっています。

その結果、コストを抑えながら運用を行うことが可能です。

4. いつでも換金が可能

老後の資産形成に向けた長期投資といえども、住宅資金や教育資金など、ライフイベントの変化によってまとまった資金が必要になる場面もあるでしょう。

つみたてNISAは、自身で積み立てた資産をいつでも換金できます。

突然のライフイベントにも対応できるため安心です。

【比較表】現行制度と新NISAの制度は何が違う?つみたてNISAのポイントも整理

つみたてNISAのデメリット

非課税で少額から始められるつみたてNISAですが、メリットもあればデメリットもあります。

知らないで損をしないためにも、その特徴はしっかりと把握することが大切です。

つみたてNISAのデメリットについて解説します。

1. 元本割れのリスクがある

つみたてNISAの対象商品には元本保証がありません。

よって、元本割れ(投資元本に対して評価額が下がる)の可能性は十分にあり得ます。

元本割れのリスクは全て投資家自身の自己責任であるため、相場の状況によっては損失を出してしまうこともあるため注意が必要です。

2. 損益通算ができない

複数の口座で運用を行っていれば、1つの口座で損失が出た場合でも、別の口座の運用益と損失を相殺することが可能です。

これを損益通算といい、損益通算を行っても損失が残ってしまう場合は、その損失を翌年以降の3年間で繰り越して控除することができます。

しかし、つみたてNISAは非課税口座であるため、損失が出ても他の口座と損益通算することができません。

損失が生じた場合に、税制上の恩恵が受けられないのがデメリットです。

3. 投資信託の選択肢が限られている

つみたてNISAの運用商品は、金融庁により長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託に限定されています。

リスクは低いものの、リターンの少ない商品が多いです。

より積極的に資産運用を行いたいと考えている人にとっては、つみたてNISAの運用商品に物足りなさを感じてしまうこともあるでしょう。

初心者が押さえておきたいつみたてNISA4つのポイント

つみたてNISAのメリットとデメリットを把握したうえで、損をしないためにも初心者が押さえておきたい4つのポイントを解説します。

損失とは、赤字を出してしまうという意味のほかに、得する機会を失う(機会損失)という意味も含まれます。

チャンスを逃さないためにも、しっかりと知識を備えておきましょう。

ポイント1. 自身のリスク許容度を把握しておこう

つみたてNISAは、資産運用としては比較的リスクの低い金融商品であり、初心者には向いているといえます。

しかし、投資商品である以上、絶対に元本割れしない、損失は出ないとはいいきれません。

価格変動リスクに対しどこまで許容できるか、自身のリスク許容度をしっかりと把握しておくことが大切です。

選択した投資信託の値下がりに対し、どこまで経済的・精神的に耐えることができるのか、自分の意向や価値観に合った運用方針が重要です。

ポイント2. 無理のない範囲で長く続けることがポイント

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出所:金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」

運用利回り(年率)は、自分でコントロールすることはできません。

しかし、積立金額や運用期間は自分でコントロールすることができます。

つみたてNISAで利益を出すには「長期運用」が重要なポイントです。

毎月無理をして積立金額を捻出するようでは長続きせず、その結果求める効果は得られません。

長期間の積み立てを継続できるよう、無理のない範囲で行うようにしましょう。

ポイント3. 迷ったときはインデックスファンドがおすすめ

つみたてNISAの対象銘柄は200本以上あります。

どれを選択すればよいか分からないという人も多いでしょう。

初心者の人におすすめなのが「インデックスファンド」です。

インデックスファンドとは、ベンチマークと呼ばれる特定の指数に連動した動きを目指して運用される投資信託のことです。

指数とは、日経平均株価やS&P500などの株価指数や債券指数、REIT指数などが挙げられます。

インデックスファンドは市場の平均的な利益の獲得を目的としています。

大きなリターンは求めず、比較的リスクを抑えた堅実な運用が可能です。

ポイント4. 2023年中に現行NISAを活用するとお得

現行のNISA制度は2023年末で終了し、2024年1月からは新NISA制度が開始されます。

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出所:金融庁「新しいNISA」

新NISA制度は、現行のNISA制度とは別枠で利用できるため、まだNISAを利用していない人は、2023年末までに現行NISAを開始するのがおすすめです。

現行NISAでは、一般NISAで120万円、つみたてNISAで年間40万円までの枠があります。

これを利用したうえで、2024年以降で新NISAを別枠で利用すれば、非課税で保有できる限度額を増やすことができます。

新NISAも含めて資産形成を考える

誰もが抱える将来の老後生活に対するお金の不安。

これを解消するためにも、貯蓄から投資へ、自助努力の必要性は今後ますます重要視されます。

非課税という恩恵を受けながら、少額からコツコツと積立投資を行うことが可能なつみたてNISAは、投資初心者でも始めやすい資産運用の手段です。

どんな手段にもメリット・デメリットはあります。

大切なのは自分の意向や価値観に合った方法を選択することです。

初心者の人は、まずは自分の意向を把握し、無理のない範囲で、まずは一歩踏み出すことから始めましょう。

参考資料

金融庁「新しいNISA」

金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」

世良 真貴男

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