【6月12、13日】週末何しよう? 翌週が楽しくなる週末の過ごし方5選

【6月12、13日】週末何しよう? 翌週が楽しくなる週末の過ごし方5選

  • CREA WEB
  • 更新日:2021/06/10

興味あることは沢山あるけど、「To Do List」じゃ重すぎる、スローなウィークエンドにしてほしい。そんなあなたのために、ゆるーい週末の過ごし方ガイドをCREA編集部が5つピックアップしてみました。

もちろん、今週末は部屋でゆっくり寝て過ごしちゃう、なんてのもOK。だって、週末はまた来週もやってくるんだから。

今週の「週末何しよう?」は引き続き特別編。緊急事態宣言が続き出かけることもままならない今、せっかくだから漫画でもゆっくり読んでみませんか?

①とってもかわいい「バクちゃん」が主人公のディアスポラ漫画

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第21回文化庁メディア芸術祭【新人賞】を受賞した増村十七による心温まる物語。

主人公の「バクちゃん」(これが名前)はバク星出身の男の子。本来は夢に溢れた星だったバク星ですが、今では花も土も夢を見なくなってしまい、バクたちにとって大切な「夢」が枯渇してしまっています。

そんな事情から「バクちゃん」は永住の地を求め地球へ、日本の東京へやってくることになりました。

とってもかわいくて健気なバクちゃんは慣れない環境に戸惑いながらも、やさしい人、きびしい人、いろいろな人と出会いながら安らげる場所を探しています。そう、これは故郷を追われたディアスポラの物語、決して遠い世界のお話ではないのです。

「すこし・ふしぎ」と「すこし・リアル」が補強し合ったような物語。作者の増村十七さんは『バクちゃん』の雰囲気をそう語ります。確かに、ちょっとバクちゃんがかわいらしすぎるものの、これは居場所を探している私たちそのもののよう。はじめての景色、はじめての人、はじめての文化に出会い、時にシビアな局面にハッとしたり、ちょっとしたやさしさに触れてホッコリしたり。バクちゃんの生きる姿はいつも一生懸命で、見守りたくなります。

2020年6月現在、日本に住んでいる外国人は288万人。みんながバクちゃんと同じように自分の居場所を探しているかもしれないし、いろいろな経験を経て見つけているかもしれない。そして、私たちも大なり小なり毎日の日々の中で必死に“自分”の居場所を探しているはずです。

『バクちゃん』はそんな精一杯な人たちを繋ぐ紐帯となるやさしい漫画。この本を読めば、きっと自分にも、周りにもやさしさのかけらを振りまくことができるはずですよ。

『バクちゃん』

増村十七著
ビームコミックス 814円

②地方出身者は読むべき『スキップとローファー』

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個人的には江頭さんと久留米さんを応援したい。

こちらもどうにも応援したくなる高校1年生岩倉美津未(みつみ)が主人公。

石川県の過疎地育ちから高校入学を機に上京した彼女は、まさに天然。勉強はできるけどちょっとズレてる「みつみちゃん」もバクちゃんと同じように、東京や都会の高校生の中にポチャンと飛び込み、いろんな波紋を起こしていきます。「不協和音スレスレのスクールライフ・コメディ」とはよく言ったもの。みつみだけでなく、クラスメイトもそれぞれが個性的で、一人ひとりとの交流もクッキリと鮮やかに描かれています。胸が痛くなるような、微笑ましくなるような、思わず頷いてしまうような……。青春時代を思い出して思わず目頭が熱くなってしまいます。

思えば、僕も大学入学で上京し、東京という分厚い壁にぶち当たった一人。みつみは初めてのカラオケで恥ずかしい思いをしますが、僕もバーミヤンが分からず(入学直後サークルの先輩に「バーミヤン行くぞ」と言われ「バーミヤンって何屋何ですか?」と聞いたら「バーミヤンはバーミヤンだよ」と言われた事件)、泣きながら家に帰ったことが思い出されます。あの時村重さんがいてくれたら……。

みつみが起こす波紋は徐々に広がって、そして美しい水面へと馴染んでいく。そんな爽やかな青春群像物語。この輪の中に入りたい! って思うこと間違いなしです。

『スキップとローファー』

高松美咲著
アフタヌーンKC 726円

③人間の脳髄に直接作用する『女の園の星』

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いつの日にか星先生が学生時代に書いたという、マン・ケーン教の教祖を舞台にした漫画も読んでみたい。

これはある女子校を舞台にした物語。

2年4組の担任・星先生はとっても普通なのに、とっても魅力的。そして、星先生を中心に描かれるこの漫画はなんてことのない日常が繰り返されているはずなのに、最高にクールで面白いんです。

諸星大二郎を彷彿とさせる(作者は伊藤潤二に影響をとのことなので、こう感じるのは僕だけのような気もするが)描線から放たれるズレたエピソードの数々は微笑間違いなし。ガハハというよりウフフな本です。しかも、何度読んでも面白い。ご飯のような飽きない魅力というよりももう少し蠱惑的な、ジンワリと脳に作用するようなゾワリ感があります。

当然舞台であるこの女子校はフィクションではあるのですが、実は何万光年も離れた別の銀河かなんかに存在していて、人類が進歩し続ければいずれ巡り合えるんではないかと僕は思っています。そんなパラレルな違和感とリアルさが共存した不思議な不思議な女の園。あなたも沼にハマってみては。

『女の園の星』

和山やま著
フィールコミックス 748円

④ページを開くと爽やかな風が吹く漫画『北北西に曇と往け』

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この漫画を読めば、誰しもがアイスランドに行ってみたくなる。かくいう僕もそのひとり。

舞台はアイスランド島、北緯64度のランズ・エンド。17歳の主人公・御山慧には3つの秘密があった。ひとつ、クルマと話ができる。ふたつ、美人な女の子が苦手。3つ、その職業は、探偵――。

漫画の帯にはこう書かれています。ミステリアスな雰囲気を孕みながら、展開していく物語そのものも魅力ですが、この漫画の一番の醍醐味は読むことによって浮かび上がってくるアイスランドを中心とした作品の世界観、もっと言えば本を開き、物語を読み進めることで感じる空気感です。

物語の中で縦横無尽に動く登場人物たちに心奪われることは他の作品でもあれど、ここまで背景の世界が魅力的に感じられる漫画は僕にとって初めての体験でした。アイスランドという土地、そして作中の空や風景に惹かれる。そんな漫画です。

言うまでもなく、登場人物たちも魅力的。一人ひとりが爽やかな風のように軽やかに、力強く過ごすその姿はとても美しい。いろいろな土地や経験を積んでその“風”がたどり着く地平はどんな景色なのか。最後まで読みたくなる漫画です。

『北北西に曇と往け』

入江亜季
ハルタコミックス 748円

⑤スインギンドラゴンタイガーブギ

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ニッポン・ジャズ・ストーリー開幕!

「芸能界」、そして「今の日本」の黎明期。昭和26年、米軍占領下の日本。

そこにはジャズ、そして猛烈なエネルギーが渦巻いていました。一度すべてを失った日本、そしてその音楽が再生する歴史を描く、一大ジャパニーズジャズストーリーがこの『スインギンドラゴンタイガーブギ』なのです。

生活は今の方が圧倒的に“豊か”なはずだし、社会的な制度やルールも未整備なはずなのに、ここで描かれる戦後は圧倒的に魅力的。コロナ禍もあるけれど、どこか後ろ向きな現代社会に比べると、とてもエネルギッシュで色彩鮮やかに見えます。“幸せ”が一般化される前の原初的な衝動というか、光と闇が分断されていない、混沌の醍醐味がここにはあります。

主人公のとらをはじめとしたバンドの演奏シーンもその音楽が聞こえてくるかのよう。生き生きと描かれています。当時のジャズの名曲が収録された、漫画とのコラボレーションCDも発売されているので、合わせて楽しんでみるとよりグッドです。

『スインギンドラゴンタイガーブギ』

灰田高鴻著
監修=東谷護
モーニングKC 1,383円

文=CREA編集部

CREA編集部

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