
デザインツールの枠を超えて利用者を広げている「Figma」と、オンラインホワイトボード「FigJam」。このシリーズでは、毎日の仕事で役立つFigma/FigJamの使い方について中の人にお聞きしています。
第2回では、デザイナーではないビジネスパーソンにおすすめ、日々の仕事でFigJamを活用するアイデアと便利な機能を教えてもらいました。
【今日のワークハックはこんな人におすすめ!】
Figma/FigJamに初めて触れる人
直感的にタスク管理をしたい人
チームで和気藹々とアイデア出し・ブレストしたい人
▼前回はこちら
すぐできる!ふせんを使ったタスク管理術

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「FigmaとFigJamのうち、ビジネスパーソンならまずはFigJamを使うのがおすすめ」とFigmaの谷さんはいいます。
オンラインホワイトボード・FigJamはデザインに限らず、使い方次第で様々な活用が可能。なかでも、すぐに試すことができるシンプルな活用法が、ふせんを使ったタスク管理です。

簡単にこのようなタスクボードもつくれる(クリックして画像を拡大)
たとえば、新しいタスクが発生したら、まずふせんを作成して記入。「未着手のタスクは画面左側に貼り、完了したら右側に移動させる」などのルールを決めてタスクを管理してみましょう。
このやり方のメリットは、アナログのふせんに近い感覚で直感的にタスク管理ができること。リアルのふせんだとスペースが必要になるうえに、貼ったり剥がしたりが大変ですが、これなら手軽にできますね。
またタスク仕分けのルールも自分で設定できるので、「未着手」「完了」以外にもそれぞれの業務に合わせたステータス分類ができます。
定期的にしたい自己分析「SWOT」

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そのほかに、ふせんを4象限(上記画像のように2×2マスに分割した図表)にマッピングすることで自己分析に活用することも可能。
これを応用して、たとえば「SWOT分析」も可能です。
SWOT分析

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Strength:強み(内部環境のプラス要因)
Weakness:弱み(内部環境のマイナス要因)
Opportunity:機会(外部環境のプラス要因)
Threat:脅威(外部環境のマイナス要因)
自分の持っているものを上記の要因に分類することで、強みと弱み、プラス要因となる環境とマイナス要因となる環境を知ることのできる自己分析の手法。
左上を「強み」、右上を「弱み」、左下を「機会」、右下を「脅威」としたうえで、自分の持つ要素をマトリクス図に配置していく。
FigJamにはテンプレートも用意されているので、マトリクスのテンプレートを使えばより簡単につくることも可能です。
チーム作業を盛り上げる機能満載!
ほかのユーザーとファイルを共有し、コミュニケーションをとりながら共同で作業するための機能が充実している点もメリット。
FigJamならではの、ユニークな感情表現手段が豊富に揃っています。
リアルタイムで気持ちを伝える「エモート」
まずエモートは、画面上のクリックした場所に絵文字を表示できる機能。
クリック後の一定時間、その場所からたくさんの絵文字が湧き上がるようなアニメーションが表示され、ファイルを共有している人にリアルタイムで気持ちを伝えることができます。

Screenshot: ライフハッカー編集部 via Figma
気持ちをペタッと残す「スタンプ」
スタンプは、画面の任意の位置に星やハート、Good、Badなどを追加できるもの。複数のアイデアからいずれかを選ぶ投票などに使うこともできます。

Screenshot: 酒井麻里子 via Figma
盛り上がったら「ハイタッチ」もできる
このほかに、「H」キーを押し続けながらマウスカーソルを左右に振ると手の形に変わり、ほかのユーザと画面上でハイタッチできるユニークな機能も用意されています。
たとえば、ほかのユーザーのアイデアにエモートやスタンプで「それいいね!」の意思表示をしたり、アイデアがまとまったときにハイタッチしたり、といったコミュニケーションが行なえるので、新しい意見を出しやすい雰囲気が生まれ、アイデア出しやブレストもより円滑に。
テンプレ、そしてユニークすぎる拡張機能も満載
真っ白な画面から始めるのはハードルが高いと感じたときは、テンプレートを活用できます。FigJamには目的別にさまざまなテンプレートが用意され、使いたいものを選ぶだけで自分のホワイトボードに追加できます。
さらに、世界中のユーザーがつくったテンプレートが集まる「Figmaコミュニティ」からは、より多くのテンプレートを探すことが可能です。

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テンプレートだけでなく、ウィジェットやプラグインを追加して使うことも可能。
ウィジェットはFigJamの画面上で特定の操作を実行できるもの。たとえば、その場で写真を撮影できる「Photo Booth」や、サイコロを振ることのできる「Dice」など。

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またプラグインは、画面上に表示される小窓内でほかのサービスの機能を利用できるもの。
たとえば、写真素材サイト「Unsplash」の画像を検索してホワイトボード内に追加できるものや、Todoリストを表示するプラグインなどが用意されています。
第3回目では、FigmaおよびFigJamを使ったプレゼンテーションについて教えてもらいます。
従来の「スライドを一方的に見せるだけ」ではない、Figma/FigJamならではの双方向性、自由度を生かしたプレゼン術をご紹介。お楽しみに!
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【今日のワークハックを教えてくれた人】
谷 拓樹(たに・ひろき)さん
Figma Japan株式会社 デザイナーアドボケート。事業会社、フリーランス、起業やスタートアップでのデザイン・開発を経験し、現在はFigmaのマーケティングやリソースの設計・開発に取り組んでいる。
コーリー・リー(Corey Lee)さん
アメリカ、カリフォルニア州出身。2010年に来日後プロダクトデザイナーとして活動開始。 大手からスタートアップ企業まで幅広く在籍し、プロダクトデザイン、サービス設計、DesignOpsに従事。 2017年度グッドデザイン賞を受賞。2018年に独立し新規事業の立ち上げやリブランディングを成功に導く。2022年にFigmaのDesigner Advocateに就任。
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Source: Figma, FigJam
酒井麻里子