「鼻ほじ」「汚部屋」男性と結婚した女性たちの心理

「鼻ほじ」「汚部屋」男性と結婚した女性たちの心理

  • 東洋経済オンライン
  • 更新日:2022/08/06
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部屋がゴミだらけで臭い、人前で不潔な行動をする、といった男性を選んだ女性たちの背中を押したものとは(写真:Ushico/PIXTA)

結婚相談所の経営者として婚活現場の第一線に立つ筆者が、急激に変わっている日本の婚活事情について解説する本連載。今回は部屋がゴミだらけで臭い、人前で不潔な行動をする、といった男性を選んだ女性たちの背景、思いをご紹介します。

年収2000万円と500万円の2択に

30代半ばのバツイチ女性・真由さん。前の夫は医者で経済的には何1つ不自由はありませんでしたが、モラハラを受けていました。つねに「お前」呼ばわりされ、腹部の激痛に見舞われて「救急車を呼んで」と頼んだときには、「俺は明日朝早いからもう寝る。自分で呼べよ」と言われたそうです。

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義母も強烈で、たびたび夫婦のマンションに来ては勝手に冷蔵庫を開けるなどして細かくチェック。あげく「うちの息子が粗末にされて……」といわれのない文句を言っては嘆いていたそう。そんな結婚生活に疲れて、子どもがほしかったのにできなかったこともあり、離婚しました。

真由さん自身は保険の営業職で年収800万円。自分のマンションを所有しています。生活力は十分あるのですが、「それでもやっぱり高収入の医者と結婚したい」と懲りずに医者を狙って弊社に入会しました。希望に沿って医者を中心に探し、最終的に2択になりました。

1人は40代の麻酔科医で年収2000万円。もう1人は5歳年下の一般的な会社員で年収500万円です。 麻酔科医は条件にぴったりです。ただ、前夫と同じように親の影がチラチラ見えていました。本人も「俺はもっと若い女からの申し込みがたくさんある」と、言う必要もない嫌なことをたびたび言ってくるのだそうです。「これでは前夫と同じことの繰り返しになるのでは……」と不安を抱いていました。

一方、年収500万円の会社員、陽太さんは、条件にはまったく当てはまりません。しかし、「真由さんにはきっと彼のようなタイプが合うと思いますよ」とおすすめして会ってみたところ、とても穏やかで優しく、真由さんのことを尊敬してくれて、一緒にいると安らぎを感じることがわかりました。投資目的で小さなマンションを所有し、8万円ほどの家賃収入を得ているので、経済的にもしっかりしています。

陽太さんは実家の近くに住み、実家で飼っているワンちゃんのお世話が趣味。休日はその犬のお尻のトリミングを自分でしているそうです。デートも素朴で、「ピクニックに行こう」と、サンドイッチをつくってきてくれたり、バドミントンを買ってきたりする。ちょっと天然ボケなところもあって、ピクニックに持ってきた日傘に穴が空いていたそうです。

そんなデートは、彼女がこれまでしてきたデートとはまったく違いました。これまでのデートはイタリアンだ、フレンチだと高級レストランや六本木ヒルズの会員制レストランで食事。

一方、陽太さんは経済的にそういうことはしてあげられない。かといって真由さんにお金を出させるのも嫌なんでしょうね。「自分ができる限りのことを」と考えた結果がピクニックだったのです。

優しい彼の部屋を訪れるとあまりの異臭

その一生懸命さに真由さんは心を動かされましたが、すぐには結婚を決意できませんでした。見栄があるからなのです。以前は医者と結婚していて、友人みんなにうらやましがられた。あの優越感が忘れられない。そしてもう1つ、優しい彼には大きな欠点があったのです。

真由さんはとてもきれい好きなのですが、それでもモラハラ前夫からは「ここが汚い、そこも汚い、ちゃんと掃除しろよ」と、しょっちゅう注意されていたそうです。そこで陽太さんはどうなんだろうと疑問がわいたそうで、私は彼の自宅を見てくることをおすすめしました。

彼の自宅は狭いワンルーム。それはいいのですが、ドアを開けた瞬間、真由さんは愕然としたと言います。

「玄関にいきなり大きなゴミ袋が2つも置いてあったんです。靴だかなんだかわからないものも、山ほど盛りあがっていて足の踏み場もない。

玄関から部屋の中が見えたのですが、テーブルの上にも山ほどゴミや荷物が載っていて、部屋じゅうに異臭が漂っていて……とにかく臭かった!」

あまりの汚なさ、臭さに、その日は部屋に入らずそのまま帰ってきたそうです。

真由さんはまた心が大きく揺れました。麻酔科医はきれい好きだと言っていた。お金も十分ある。やはりそちらのほうがいいんじゃないか。でも、前夫と同じような相手を選んでいいのか……。

世の中、2回離婚する人が少なくないのですが、そういう方は以前の離婚理由についての分析をしていない人が多い。私は次のようにアドバイスしました。

臭すぎる彼にベタぼれしたワケ

「真由さんは経済的に自立されています。高収入の男性になにがなんでも頼らなければならないということはないですよね。陽太さんは真由さんのことを尊重し、大切に思ってくれている。

であれば、経済的に真由さんが引っ張っていけばいいのではないでしょうか。ゴミについても、真由さんが先生になったつもりで指導すれば、時間はかかるかもしれないけれどなんとかなるかもしれません。彼に『きれいにすることが結婚の条件』とはっきり伝えてみては?」

言われたとおりに彼に伝えると、次に自宅に行ったときには、ちゃんとゴミも捨てテーブルもきれいにして、カーテンもスッキリ洗っていたそうです。彼はもともとプライドが高いほうではないし、年上の真由さんのことの言うことを素直に聞いてくれるんですね。真由さんはそんな彼を見て結婚を決意しました。

2人そろって最後の挨拶に来たときは、手をつないでいらしてラブラブ。真由さんのほうがベタぼれの様子でした。結婚時は、シーツやカーテンなどの布類はもちろん、家具も食器も全部捨てさせて、持ち物は最小限の服だけ、スーツケース1個分にさせたそうです。服ももう一度真由さんが洗いました。「持ってきたスーツケース自体が臭かった」と笑っていました。

年収2000万円の医者から年収500万円の会社員と結婚となると、生活レベルはだいぶ変わります。以前のように友人にうらやましがられることもないでしょう。でも真由さんはこだわっていた見栄を捨て、「私が稼ぐ」と気持ちを切り替えました。真由さんも彼もお互いに捨てるべきものは捨てた「お掃除婚」と言えます。

外資系企業に勤める30代後半の女性・凛子さん。1億円のマンションを所有し、貯金は数千万円。容姿にも恵まれていますので、結婚相手に求める条件は「年収1000万円以上、同世代」と厳しめ。

「これだけ稼いでいる私に似合う人はそうでなきゃ」と譲りません。その条件に当てはまる男性は20代の女性を求めます。結果、30代後半の凛子さんは苦戦していました。

そんな中でお見合いを申し込んだのが、新聞記者で30代後半の男性・賢人さん、年収1100万円。条件にぴったりです。写真を見るとイケメンでスタイルもいい。凛子さんは喜んでお見合いに向かいました。

写真と全然違う!のにモテる

ところが、実際に会ってみると、写真とは全然違ったそうです。他社さんだとよくあるのですが、プロフィールの写真は過剰に加工したものだったんですね。そのため賢人さんのお見合いは引く手あまた。

実際に会ってみるとガッカリされるものの、新聞記者という職業柄、物知りで話がおもしろいので結構モテているようです。逆に彼のほうが「この女性は話がつまらない」「もっと美人がいい」「コミュニケーション力があるほうがいい」とあれこれ文句を言っては、強気で婚活を続けているようでした。

凛子さんも「写真と全然違った」という点ではガッカリしましたが、やはり話は合ったようで交際に進むことにしました。ところが、デートでもっとガッカリすることが起きてしまいました。

「レストランに行ったんですが、マナーを知らないのか面倒なのかわからないけど、テーブルの上にあったナプキンをひざにのせずそのままテーブルに置きっぱなしだったんです。

それでピザを手で取って食べて、その手をナプキンで拭かずになんと自分の服で拭いていたんですよ。ナプキンはひざの上に置くものですよって、そんなこと私が教えないとならないんですか?」

と憤る凛子さん。

さらにもっと衝撃的なことも起きたそうです。

「一緒に歩いているとき、鼻の穴に人差し指を入れてたんです。それも第一関節までガッツリ! さすがに面と向かってではなく私が後ろを向いていたときだったんですが、その姿がはっきりとショーウィンドーのガラスに映っていました。そして、どうしたと思います? 鼻から出たモノを丸めて投げていたんですよ! 信じられます?」

凛子さんは葛藤しました。潔癖症で、1億円の広いマンションも隅々までピカピカに掃除をしている。そんな自分が、ナプキンの使い方も知らない、公衆の面前で鼻をほじる、そんな男性を夫として受け入れられるかどうか。

一方で、賢人さんは凛子さんにすっかりほれ込んでしまい、「どうしても結婚したい」と願うようになっていました。彼は彼女の家に遊びに行ったときに、ピカピカの豪華マンションを見て「こんなところに一緒に住みたい」と思ったそうです。

不潔な彼が取った驚きの行動

「早く結婚したい」という賢人さんに対して、凛子さんは踏み切れない理由を、「私は清潔好き。きれいできちんとした生活をしたい」と明かしました。

すると賢人さんは思わぬ行動に出ました。クリーニングサービスにアルバイトに行ったのです。

新聞記者という超多忙な仕事の合間を縫ってのアルバイトなので週に1回だけでしたが、ハウスクリーニングサービスで、お風呂の排水口からリビング、キッチンまで、家じゅう隅々まで掃除する方法を教えてもらって実践を繰り返しました。3カ月後、みごときれい好きに大変身し、凛子さんという伴侶を得ることに成功しました。

凛子さんはこれまでの婚活で、年齢がネックとなり苦戦していました。年収1000万円代の同世代男性で、30代後半女性でもいいという男性はなかなか見つからない、見つかったとしても性格や容姿、どこかしら難がある人でした。賢人さんも言ってみれば「不潔」という難がありましたが、不潔は変われるかもしれない。実際、賢人さんも凛子さんとの結婚のために大きく変わりました。

今回は衛生的に問題を抱えていた男性2人の例をご紹介しましたが、当然ながら女性でも不潔な人はいます。家の中はグチャグチャ、片付けられない。でも、外ではおしゃれに着飾っていて、パッと見はとてもきれいに見える。そんな女性もたくさんいますね。

(植草 美幸:恋愛・婚活アドバイザー、結婚相談所マリーミー代表)

植草 美幸

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