
監視は国民を縛り付けるだけとは限らない
「監視社会は危険」と声高に主張するマスコミ
マイナンバーカードや監視カメラ、特定秘密保護法など、ちょっとでもプライバシーに触れるような技術や法整備の話が出るたびに、マスコミは「監視社会は危険」論を声高に言い出す。
「個人情報が政府に筒抜けになって危険だ!」
「国民は監視されていることを恐れて自主規制し、自由がなくなる」
「プライバシーが政府にばれたら、反権力だと思われて圧力をかけられるかも」
念のために言っておくが、そういう懸念はけっして「ゼロ」ではない。たとえばアメリカでは、エドワード・スノーデンが暴露したことで有名な「プリズム」というインターネットの監視システムや、世界中の無線通信を傍受している「エシュロン」というシステムがある。日本でも、公安警察や公安調査庁が監視対象の人物の個人情報を収集している。
しかしだからといって、政府や企業が個人情報を取得することを全部一緒くたにして「監視社会だ!」と叫ぶというのは、あまりにステレオタイプである。わたしたちはそういう古くさい批判から脱却して、バランス感覚のある考え方を持たなければならない。

佐々木俊尚氏佐々木俊尚氏(画像提供=徳間書店)
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