
ソフトバンク・近藤
今回のソフトバンク選手のインタビューは、日本ハムから移籍1年目の近藤健介外野手(30)です。ここまで全試合に出場し、打率、本塁打、打点の「三冠王」を狙える位置にいます。優勝を目指して加入したチームの現状に思うことから、打席に入る際に欠かさず行うルーティンの意味まで。打撃職人にざっくばらんに答えてもらいました。(聞き手・構成=鬼塚淳乃介)
―新天地での1年目。ここまでを振り返って。
「ここ2、3年意識してきたことが(成果となっている)というところ。だが、もっともっとできる部分、改善していく部分もある。毎日試行錯誤していきながら、より良いものという感じでやっている」
―三冠王も狙える位置にいるが、意識は?
「全然していない。自分のできることを、まずは一試合一試合やる。それに向けて準備する。そこだけを意識している」
―自身の成績より大事なのは勝ちにつながる打撃。
「もちろん。勝つために呼ばれてきたと思うし、自分もそう思っている。そういうところでの一本をどんどん打っていけたら」
―安打でなくても、勝利につながればいい。
「もちろん。先制点が欲しいところでヒット、長打は理想だが、しっかり打点を挙げることも意識していきたい」
―最低限、と折り合いを付ける。
「最高というより1点が入ればいいかなと。基本は最低限のことは、と考えている」
■独自の理論で
―打席で最重視するのは何か。
「どこに飛ばしちゃいけないというのを考えながら(打席に)入っている」
―足早に打席へ向かって、屈伸をするなどルーティンが確立している印象がある。その意図は。
「一番は構え遅れしないように早めに(打席に)行く。あとは重心を低めに保ちたいので。どうしても緊張すると、地に足がついてない状況になる。そういうところがないように」
―早めに打席へ向かうことで気持ちも焦らない。
「投手に合わせるというよりは、自分が先に入って待っておくぐらいのイメージではいる」
―相手を考えすぎず、自分のことに集中する意識。
「相手あってだけど、まずはなるべく自分主導というか。打者はもともと投手が投げないと始まらない。どうしても受け身になるが、そこは意識している」
―練習時のシューズも厚底のものなど、その都度変えている。
「疲れと相談というか。(前に所属した日本ハムの昨年までの本拠地だった)札幌ドームでは(試合中に)履き替えて守備に就いたりとかしていた。あとは体の疲れと相談しながら。疲れをためずに試合に向かうところは意識したい」
―「師匠」と呼んで慕う長谷川打撃コーチとはどんな話をするのか。
「ちょっとしたアドバイスを僕から聞くことが多い。感覚論にはなってしまうが僕も理解できる方。そういう話をするのは面白い。普通の人が聞いても難しいと言うのかな。僕は分かるけど」
―その存在は大きい。
「そういう話を聞いて、すぐ返してくれるというのは大きい。常に気にして見てもらっているのはありがたい」
―チームの現状をどう捉えているか。
「まずはクライマックスシリーズ(CS)に出て。日本一のチャンスは残っていると思う」
―「優勝したい」と移籍時には語っていたが、現状のチーム成績とのギャップは大きい。
「みんな勝ちに飢えてやっている。その中で勝てていないということは、何かしら変わらないといけないと思う。勝負事なので勝てないこともあるし、そこはみんなしっかり考えていると思う。そこは僕より勝ちを知っていると思う。僕自身も考えながらやっていきたい」
―どういう点にチームメートの勝ちに飢える姿を感じるか。
「12連敗をして3位にいるチームなんてないと思うし、そういうところに強さがあると思う」
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