ティモシー・シャラメ、アナ・デ・アルマスらがヴェネチアで語った待機作への想い「このような映画が重要だと思ってもらえる世界を望みます」

ティモシー・シャラメ、アナ・デ・アルマスらがヴェネチアで語った待機作への想い「このような映画が重要だと思ってもらえる世界を望みます」

  • MOVIE WALKER PRESS
  • 更新日:2022/09/23
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ティモシー・シャラメ、ハリー・スタイルズ、アナ・デ・アルマスらの待機作は? [c]SPLASH/AFLO

先日閉幕した第79回ヴェネチア国際映画祭では、秋以降に公開される話題作に出演するスターたちがレッドカーペットを歩いた。映画祭はヴェネチアのリド島で行われるため、スターたちも水上タクシーでヴェネチア入りする姿がパパラッチに捉えられている。また、公式上映にも水上ボートで乗り付けるため、ほかの映画祭とは異なる雰囲気がある。

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現在、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『DUNE/デューン 砂の惑星』(21)の第2部をハンガリーで撮影中のティモシー・シャラメは、コンペティション部門の『Bones And All』に主演している。シャラメが世界的に注目されるきっかけとなった、『君の名前で僕を呼んで』(17)のルカ・グァダニーノ監督の最新作で、同作で父親役を演じていたマイケル・スタールバーグも共演している。

社会のなかで居場所を失った少女(テイラー・ラッセル)と少年(ティモシー・シャラメ)が出会い、彼らが共有する特殊な渇望を追求していく物語。映画の主題にもある“疎外感”について、シャラメ自身が感じている孤独や脅威と重ね合わせ語っている。「僕らが演じたキャラクターが感じている孤独は、ここにいる誰もがパンデミックのなかで経験した、社会から孤立した感覚に近いと思います。承認欲求を満たすためではなく、自分が存在する場所を理解するためには、人との接触が必要です。(シャラメが演じた)リーが映画のなかで感じていたのと同じような幻滅を僕も感じていました。自分の世代についてしか言えませんが、僕らは常にSNSの猛威に強烈にさらされています。そこで、SNSの脅威ではなく内なるジレンマと格闘するキャラクターを演じることは、安心感につながりました。明らかにいま、生きるのは大変なことです。社会的な崩壊が起きていると思います。だからこそ、このような映画が重要だと思ってもらえる世界を望みます。それがアーティストの役割であり、なにが起こっているのかに光を当てることだと思うからです」。

メディア向けの記者会見に現れたシャラメは、劇中と同じようなコーディネートだったが、夜の公式上映には背中が開いた真っ赤なジャンプスーツで登場、映画祭随一の話題の的となった。静に燃えるような恋愛と、カニバリズムがテーマになった作品に合わせたかのようなファッションは、彼らの世代を代表するアーティストのステイトメントとなっていた。

ティモシー・シャラメと人気を二分していたのが、『ドント・ウォーリー・ダーリン』(11月11日公開)に主演しているハリー・スタイルズ。メイン会場のレッドカーペット脇には、早朝から多くのファンが“場所取り”をしていた。ヴェネチア映画祭での公式上映日には、スタイルズのNY公演の隙間をぬって渡欧し、もう1本の出演作『僕の巡査』(2022年11月4日よりAmazon Prime Videoで配信予定)のためにカナダのトロント映画祭でのプレミアにも出席している。

オリビア・ワイルドの2本目の監督作である『ドント・ウォーリー・ダーリン』は、1950年代のロサンゼルス郊外で“完璧な生活”を送る夫婦たちの物語で、スタイルズはフローレンス・ピューが演じるアリスの夫役。音楽活動と俳優の両立について聞かれたスタイルズは、それらは全く違うものだと認めながらも、「音楽は本当に個人的なものですが、演技は明らかに自分の経験から引き出している部分があります。でも、僕はまだ誰かを演じるふりをしているのかもしれません。2つの活動は、ある意味、相互関係にあります。一瞬でも違うレンズを通して世界を見ることができると、どちらに転んでも、想像力向上の助けになります。どちらも自分がなにをしているのか、よく分かっていないというところが楽しい。音楽は長くやってきたので、比較的安心してやっていますが、俳優業は自分がまだなにをやっているのかわからないという感じがして、とても楽しいんです」と語っている。

実はこの記者会見には、妻役のフローレンス・ピューの姿はなかった。ここ数か月、アメリカのメディアで騒がれているように、撮影中に監督のオリヴィア・ワイルドとフローレンス・ピューの間に軋轢が生じ、映画のプロモーションの場でも2人の間には距離が感じられる。また、ワイルドとスタイルズの仲を噂する記事も多く出ているため、2人が隣り合って座ることも避けられている。このように複雑な人間関係のなかで行われたプレミアでは、写真撮影位置や座席配置に細心の注意が払われたようだ。

映画祭会期後半には、Netflixオリジナル映画の注目作『ブロンド』(9月28日よりNetflix独占配信)が公式上映された。ジョイス・キャロル・オーツによるマリリン・モンローの評伝が原作で、『ジャッキー・コーガン」(12)のアンドリュー・ドミニクが監督を務めている。公式上映には、今作の制作会社PLAN Bの代表を務めるブラッド・ピットも来場し、約1年かけてマリリン・モンローことノーマ・ジーンになりきったアナ・デ・アルマスの体当たり演技を讃えた。

キューバ出身で2014年からハリウッドで活躍するアルマスは、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21)やNetflixオリジナル映画『グレイマン』(22)などでヒロインを務めた、ハリウッドで最も多忙な女優の一人。壮絶な生い立ちと、はりぼてのようなハリウッドの名声の間で精神を病んでいったモンローの姿を演じきったアルマスは、「この映画は私の人生を変えました」と記者会見で認めた。

「自分を追い込むために、そして自分へのプレゼントだと思いこの役を引き受けました。他人による私に対する評価を変えるためにこの映画をやったわけではないので、どんな評価を受けようと、私自身の経験として自分のなかに残るでしょう。彼女が映画スターであったことを抜きにしても、私は彼女と同じ歳の女性で、映画業界で働く女優です。今作では自分自身を開放し、厳しく脆く、簡単ではないところに行かなくてはなりませんでした。でも私は、この人物とのつながりを見つけました。彼女は何者なのかを、映画を通してアンドリュー(・ドミニク監督)と共に、彼女の感情的な真実を見つけたかったのです」。

国際映画祭の醍醐味は、世界初披露される作品をクリエイターや出演者と共に鑑賞し、彼らの言葉を直接聞けるところにある。この秋以降公開される意欲作に出演している、ティモシー・シャラメ、ハリー・スタイルズ、そしてアナ・デ・アルマスの率直な言葉からは、彼らの人生の貴重な時間を作品制作に費やし、それらを世界に披露することで自己を研磨し続けていることがわかる。だからこそ、スクリーンや画面越しに観る彼らの演技から深い感銘を受けるのだろう。

文/平井伊都子

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