カラオケ、麻雀、パソコン...男性利用者が殺到するデイサービス

カラオケ、麻雀、パソコン...男性利用者が殺到するデイサービス

  • 幻冬舎ゴールドオンライン
  • 更新日:2022/01/15
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最近目立ってきているデイサービスが男性利用者でも楽しめる工夫。麻雀や囲碁、将棋。さらにカラオケやパソコンまで。自分が楽しむために行くのであれば、介護者の都合で「行かされる」のではなくなる。デイサービスに何が起きているのでしょうか、相沢光一氏が著書『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』(河出書房新社)で明らかにします。

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訪問サービスには、どのような種類があるか

要介護認定が済み、担当ケアマネが決まると、利用者宅でサービス担当者会議が行なわれます。出席するのは利用者、おもな介護者、ケアマネ、ケアプランに組みこまれたサービスの事業者。

会議を進行するのはケアマネで、利用者の心身の状態とそれに対するケアの方向性、ケアを行なううえでの約束事などを打ち合わせ、情報を共有します。

この会議の時点では、介護をされる人も、介護をする人もケアの知識はほとんどないはずですが、サービスがスタートする前の大事な会議ですから、わからないことがあれば何でも質問し、理解しようと努めたいものです。そうした介護に対する前向きの姿勢を見せることが、ケアマネやサービス事業者の印象を良くし、仕事に対するモチベーションにつながるからです。

また、介護が始まるにあたって、どのようなサービスがあるか頭に入れておきたいものです。居宅サービスは、大きく訪問サービスと通所サービスのふたつに分けられます。

訪問サービスには、次の表のようなものがあります。

訪問介護で、できないこともあります。「身体介護」では医療行為が禁じられています。ただし、自動血圧計での血圧測定や、わきの下での体温測定は許可されています。可否の境目が素人では判断がつかないので、してほしいことがあれば、ダメ元で頼んでみてもいいでしょう。

「生活援助」では、利用者本人に対する援助はOKですが、介護をする人など家族も含む援助はNGです。掃除なら、利用者の居室やトイレのみ。窓拭きも禁じられています。年末の大掃除のときにするような清掃をお願いすることはできないとイメージするとよいでしょう。

また、庭の掃除や草取りもできません。利用者が日常的に使う部分の掃除に限られるということです。洗濯も利用者本人の衣類だけに限られます。

なお、定期的に訪問することはないため、訪問サービスの範疇には入りませんが、介護には欠かせず、介護保険も適用されるものがあります。介護のための環境を整えるサービスです。

そのひとつが福祉用具レンタル。介護用ベッドやベッド対応のテーブル、車椅子などを原則1割負担で借りることができます。また、居室用の便器はレンタルできないため購入することになりますが、その購入費用も年間10万円までなら1割負担になります。

自宅に手すりをつけたり、段差を無くしたりする改修工事にも介護保険は適用されます。工事費が20万円以内であれば、1割負担で済むのです。

男性利用者が「行きたくなる」サービスとは

■「行かされる」から「行きたくなる」デイサービスへ

デイサービスをはじめとする通所サービスに行きたがらない利用者(とくに男性)が多いという話をしましたが、サービス事業者もそれを認識していて、課題を見直し、誰もが行きたくなる新たな要素を盛りこむ努力をしています。

とくにデイサービスは参入する事業者が多く、近年設立ラッシュがつづいています。団塊の世代が75歳を迎え、国民の4人に1人が後期高齢者になる2025年は目の前。ニーズが増えるいっぽうだからです。そのため、デイサービスはすでに過当競争状態にあり、さまざまなアイデアで利用者獲得にしのぎを削っているのです。

最近目立ってきているのは、男性利用者でも楽しめる工夫。不評を買っていた簡単なゲームではなく、麻雀や囲碁、将棋ができるところが増えています。麻雀は男性ならたいていの人がのめりこんだ経験がありますし、囲碁、将棋に目がない人も多い。しかも頭を使うから認知症予防にもなります。

「行きたくない」とゴネている利用者も「麻雀ができるみたいよ」といわれれば行ってみる気になるでしょう。そして、卓を囲んでいるときは時間があっというまに過ぎますから、長時間いても苦にならないですし、顔見知りもたくさんできる。囲碁、将棋も同様です。

自分が楽しむために行くのであれば、介護者の都合で「行かされる」のではない。説得する必要もなく、進んでデイサービスに行ってくれるわけです。

ほかにも、趣味を通じたサークル活動、新たなことを学ぶ活動などを取り入れている施設があります。趣味では陶芸、書道、俳句、絵手紙など、学習は英会話、パソコンなどです。また、カラオケやフィットネストレーニングができるところも珍しくなくなっています。

利用者にとって、これらを行なうことは、要介護になって落ちこんだところからの復活であり、新たなチャレンジでもある。気持ちを前向きにし、元気を取り戻すきっかけにもなります。介護をする人にとっても、利用者本人が楽しんでくれれば心置きなく仕事ができる。過当競争によって生まれた新たなタイプのデイサービスは、利用者・介護者とも喜ばせているのです。

デイサービスを利用する必要が生じたら、ケアマネに利用者の好きなことや趣味を伝えておくといいでしょう。条件に合った施設を探してくれるはずで、そうすれば、行く行かないで、もめることはありません。

相沢 光一
フリーライター

相沢 光一

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