
陸軍多連装ロケット(MLRS)チョンムと同じ車両を共有する「対砲兵探知レーダーII(天鏡II)」 [写真 防衛事業庁]
9日、慶尚北道(キョンサンブクド)LIGネクスワンの亀尾(クミ)ハウスで見た対砲兵探知レーダーIIは、横2メートル・縦3.5メートルのアンテナを立てた形状があたかも砲弾を映す鏡を連想させた。実際に名称は「天鏡」だ。檀君神話で桓雄が受けた「天の鏡」にちなんで天鏡II(TPQ-74K)と呼ぶ。短時間で首都圏を焦土化できる北朝鮮の長射程砲を空で鏡に映すように正確に原点まで追跡するレーダーだ。
LIGネクスワンの権炳現(クォン・ビョンヒョン)副社長は「天鏡という名称のように、北の長射程砲をいつ、どこでも眺めるという覚悟で作業をしている」と述べた。対砲兵探知レーダーIIの試験場と組み立て工程がメディアに公開されたのは初めてだ。
野外試験場では対砲兵探知レーダーIIが洛東江(ナクドンガン)の向かい側約1キロ離れたビーコンタワー(位置情報を伝達するために信号を周期的に伝送する塔)に向けて電波を発信していた。各種電波妨害など実際に運用される環境を設定して応答信号をテストする過程だった。
◆「ソウル火の海」脅迫を遮断する砦
対砲兵探知レーダーIIが追うのは北朝鮮の170ミリ自走砲および240ミリロケット砲、すなわち北朝鮮の長射程砲だ。現在、首都圏に向けて配備された北朝鮮の長射程砲は約340門。1時間あたり最大1万発以上の発射できる。北朝鮮は長射程砲を信じて「ソウルを火の海にする」という脅迫を繰り返してきた。
この日、アンテナの下に位置する運用室内の27インチモニターにはリアルタイムで情報が表示されていた。対砲兵探知レーダーIIが探知区域の地形を探索ビームを放って探索空間を確保し、飛んでくる物体が探知されると、確認ビームで砲弾の有無を識別した。そしてすぐに追跡ビームで弾道の発射原点を把握した。その直後、弾道曲線の角度、速度、位置などの情報で方程式を計算する作業まで数秒で終えた。
対砲兵探知レーダーIIはこのように北朝鮮が挑発する瞬間、直ちに長射程砲の位置を把握し、味方の砲台に座標を伝達、原点を打撃するようサポートする対砲兵(counter-battery)レーダーだ。LIGネクスワンの関係者は「野砲、迫撃砲、ロケット砲はもちろん野砲の変種のロケット補助推進弾(RAP弾)も区分でき、正確度はかなり高い」と説明した。もちろん前方に対砲兵探知レーダーがどれほどきめ細かく配置されるかは対外秘だ。