『恋です!』獅子王の森生への愛が切なすぎる “自分”を打ち消す鈴木伸之の演技力に脱帽

『恋です!』獅子王の森生への愛が切なすぎる “自分”を打ち消す鈴木伸之の演技力に脱帽

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  • 更新日:2021/11/25
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『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(c)日本テレビ

「森生、幸せになってくれ。それが、俺の夢だ」

泣きながら森生(杉野遥亮)に語りかける獅子王(鈴木伸之)が切ない。中学生の時に、森生の顔にキズをつけてしまってから、獅子王はずっと苦しんできた。森生から、“普通”に生きる道を奪ってしまったことを。いっそのこと、恨んでくれればラクだったのに、森生は責めてくれない。どうして自分には、傷跡ひとつ残っていないのだろう……。『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ系/以下『恋です!』)第7話では、そんな獅子王の葛藤が繊細に描かれた。

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ユキコ(杉咲花)の父・誠二(岸谷五郎)が言うように、若気の至りなんてものは誰にだってある。無意識のうちに他人を傷つけてしまったり、逆に傷つけられたり。そうするうちに、人の痛みを学んでいくものだ。それに、“されたこと”は覚えていても、“したこと”はすぐに忘れてしまう人が多い。でも、獅子王はちがう。ずっと、“傷つけてしまった”十字架を背負って生きてきた。だからこそ、森生には幸せになってほしいのだ。泣くほどに他人の幸せを願えるとは、どれほど深い愛なのだろう。

さらに獅子王は、自分が“普通”ではないという悩みも抱えていた。イズミ(奈緒)に明かしていた“想い人”とは、森生のことだったのだ。となると、イズミの失恋が確定してしまう。想いを寄せていた相手の好きな人が、妹の恋人……。きっと、複雑な気持ちにもなっただろう。それでもイズミは、「推しだと思って見守っていいですか?」と獅子王に語りかける。「引かないんですか?」「えっ? 獅子王さんを? どうしてですか?」と変わらぬ態度で接してくれるイズミに、微笑む獅子王。2人の関係は恋とはちがう。それでも、獅子王とイズミには、2人ならではの“普通”の価値観が共有されたように見えた。

獅子王の愛すべきキャラクターが光った第7話。演じている鈴木伸之の演技が、またいい。これまでは、森生のことを“ライバル”として見ていたはずなのに、「幸せになってくれ」と語りかけた時の表情は、“大事な存在”に向ける眼差しに変わっている。純粋で優しい目からは、森生の幸せを切に願っているのが伝わってきた。さらに、“貴様”と呼ぶ時と、“森生”と語りかける時は、声の柔らかさがちがう。獅子王は森生と向き合う時に、さまざまな表情を使い分けなければいけない。因縁のライバル、傷つけてしまった相手。そして、“想い人”として。その変化を、鈴木は見事に演じ分けていた。

本当に、鈴木は多彩な俳優である。同クールの月9『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系/以下『ラジハII』)で演じている辻村は、ヤンキー・獅子王とは180度異なる爽やかな整形外科医。恋愛面においても、主人公・唯織(窪田正孝)が想いを寄せる杏(本田翼)に積極的にアピールしていく……という役どころ。

奥手な獅子王とは、対極的である。金髪頭の獅子王と、黒髪短髪の辻村。見た目も大きな違いがあるにせよ、醸し出すオーラまで操っているのがすごい。『ラジハII』を観ている時に獅子王が浮かんでこないのは、鈴木が“自分”を打ち消し、役に染まっているからだろう。『あなたのことはそれほど』(TBS系)のような天性のモテ男から、獅子王のように恋に悩む純粋な青年までを演じ分ける振り幅の広さ。今後も、さまざまな役に挑んでいく姿が見たい。 (菜本かな)

菜本かな

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