
福本大晴(ふくもと・たいせい)/1999年、大阪府生まれ。関西ジャニーズJr.のグループ「Aぇ! group」メンバー。2022年、大阪市立大学(現大阪公立大学)経済学部卒業。「おはよう朝日です」「あさパラS」レギュラー、「ラヴィット!」7~9月水曜レギュラーなどを務める。現在、ドラマ「埼玉のホスト」に岩槻キセキ役で出演中(撮影/木村哲夫)
ドラマやバラエティーなど、マルチな才能を発揮して「2023年上半期にブレイクした男性タレント」にトップ10入りもしたAぇ! groupの福本大晴。忙しいほうが輝けると語り、失敗にも貪欲な彼の心境の変化とは。AERA2023年9月18日号より。
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──8月放送の「THE神業チャレンジ」の画面隠しダンスダンスレボリューションで100万円を獲得。練習は1週間とか。
福本:いや、1週間もしてないです(笑)。4日間ですかね、実際は。
──DDRをやったことは?
福本:なかったです。でもダンスは俺、得意やと思います。普段あんまり言ってないかもやけど。
──成功した瞬間に「やっぱり」「自分ジャニーズですわ」と。
福本:あれは本気で言ってるというより、ネタなんですけど(笑)、ジャニーズイコール成功させるとか、本番に強いとか、なんでもできちゃうとか、そのくらいの意味です。でも、ジャニーズはみんな根性あると思います。あと「持ってる」というか……なんかやっぱり神様みたいなの、いるんじゃないですか。頑張ったやつはできるようになってるんじゃないですかね(笑)。
ジャニーズの人たちって、バンバン本番出てるから、絶対ほかと違うなとも思いますね。ちっちゃいときから人前に立ち続けて、何をすれば自分が見てもらえるかめっちゃ考えてるし。絶対セルフプロデュース力高いと思います。僕は、とりあえずやろうや、ほら意外といけるやん、みたいな感じ。口でどうのこうの言うよりやったほうが絶対にいいと思ってます。
──神業のDDRもですが、努力を惜しまない。原動力は?
福本:集中力かな。でも自分ではあんまり努力してる感ないんです(笑)。たまにやりすぎて、まわりに心配されるけど、集中してるから、あ、もうそんな時間?とかけっこうありますね。あとは、シンプルに、やったら意外とできるって知ってるから。自分で言うのあれやけど(笑)。負けず嫌いってのもあるし、成功したときめっちゃ気持ちいいって知ってるから、かな?
僕、常になんかやっときたいんですよ。いや、たまにはめっちゃぐーたらな生活したいんですよ?(笑)。でも3日それが続いたらもう無理で。停滞してる感じが。今年オフが数カ月ない状態のときに、マネージャーさんに、めっちゃ忙しいけど、めっちゃいい顔してるね、って言われて。いや、たぶんそうなんやな、って。僕ってたぶん、忙しいほうが輝くタイプ。苦にはなんないです。忙しいのをグチグチ言ってガス抜きしながら頑張るのが好き(笑)。「うわ、今日もこんな時間やん」とか言わないと、バランス崩れちゃうんで(笑)。とにかく同じことずっとやっとるの無理で、なんか新しいことしてるのが好き。僕、年取っても、たぶん脳、老(ふ)けへん気するんですよね(笑)。飽き性で、好奇心旺盛やと自分では思ってます。性分ですね。
■できる失敗は全部せな
──半年前の取材で、今年が踏ん張りどころだと。その後、変化は?
福本:なんやろうな。焦りのほうが強いですね、正直。個人的には、やっぱりもう1コ、変わんなきゃあかんな、と思います。このままやったらちょっと不安、みたいな気持ちもあるし、あとは……最近、昔やった失敗がめっちゃ恥ずかしくなるときがあるんです。いま思えばあのときなんであんなことしたんやろうなとか。例えば先輩のライブつかせてもらったときに、頑張らな、って思いすぎて、話に参加しちゃったりとか。そういう失敗、いまは反省できるんですけど、そのときは気づいてもいなかったんですよね。そう思うと、やっぱ失敗しないと人って成長せえへんなと思うんですよ。
で、最近ほんまに、それ感じるんです。ドラマ2本やらせてもらって、バラエティー番組もたくさん出してもらえるようになって、いろんな現場行かせてもらって、すごい方たちと会うわけじゃないですか。それで自ずと、あ、僕ここ足りてへんなとか、そういうのわかるようになってきた、つもりです。まあ、いま自分ではできることを精一杯やってるつもりやけど、たぶん数年後の自分が見たら、いまの自分もいっぱい失敗してるんやろうけど。それでも、いまできる失敗は全部しなあかんな、みたいに思いますね。失敗できるのは若者の特権やと思うから。何事も恐れんと試して、武器を見つけないとな、って思います。
──以前、なんでも一つ軸を持ったほうがいい、と。アイドルとしての福本さんの軸は?
福本:必要とされること。もうそこ忘れたら絶対ダメやと思ってます。わかりやすく言ったら、感謝は忘れたらいけないってことですよね。あとは、たぶん僕らに対するファンの方の理想像みたいなのあると思うんですけど、そのままになったらいけないなと。つまり、理想そのもの、にはなったらあかんと思ってます。だって自分の思った通りのやつって、おもんないでしょ?(笑)。自分の知らんところがあるほうがやっぱ面白いし、僕らも、サプライズ感覚というか、新しいものを準備して、みんなを驚かせたい気持ちがあります。やっぱり、エンタメやから。
いま、いろんなことをやらせてもらえるのは、本当にファンの方のおかげやと思ってます。新しいこと挑戦してもあんまり不安になりすぎずにできるのも、ファンの方は絶対見てくれるって信じてるからやと思うんですよね。これからも何かやるときは見ていてほしいなと思います。
(構成/編集部・伏見美雪)
※AERA2023年9月18日号より抜粋
伏見美雪