世界一のスローインコーチが教える「ロングスローとデラップ」の話

世界一のスローインコーチが教える「ロングスローとデラップ」の話

  • Qoly
  • 更新日:2021/01/13
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昨季、悲願のプレミアリーグ初優勝を遂げたリヴァプール。

彼らのスローインはリーグ最低レベルだったが、スローイン専門コーチのトマス・グラネマーク氏によって欧州トップクラスへと改善された。

『ESPN』によれば、グラネマーク氏は「ほとんどのチームはスローインの質が本当に低い。その理由は知識がないからだ」と述べているという。

かつてプレミアリーグにはロングスローの達人だったロリー・デラップという選手がいた。グラネマーク氏はデラップについてこう語っている。

トマス・グラネマーク「ロリー・デラップはファンタスティックだった。スローインの質と距離だけでなく、速さとフラットさ(軌道の低さ)。ロングスローを投げる選手たちのほとんどは高く投げすぎる。それだとクリアするのは楽勝だ」

デラップの獲得を熱望していたというトニー・ピューリス監督が作り上げた当時のストークは相手にとって悪夢的なチームだった。

スカッドには大男たちが揃い、オープンエンドなスタンドによって国内で最も強い風が吹く仕様のブリタニア・スタジアムでデラップのロングスローが猛威を振るったのだ。

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当時のストークがやった“悪名高き”試合がある。2008年11月にブリタニア・スタジアムで行われたアーセナル戦だ。

アーセナルが7割以上のボールポゼッションを記録するも、勝ったのはストーク。デラップのロングスロー2発から2点を奪い、2-1で勝ち切ったのだ。

「ちょっと不公平なアドバンテージだ。彼は通常サッカーでは強みにならない強みを使っている」とデラップに恨み節をぶつけたアーセン・ヴェンゲル監督は、スローインに代わってキックインの導入を訴えたほど。

一方のデラップは「我がチームの身長とクオリティから考えれば、僕が完璧なボールを投げたら、守るのは不可能だと思う」と豪語していたが、相手チームも何かと対策を試みていた。

当時ストークでプレーしていたFWリアム・ローレンスは『Sky Sports』でこんな話をしている。

リアム・ローレンス(元ストークFW)「ヴェンゲルはあらゆることを試したよ。ルールを変えようとしたし、ロリーにタオルでボールを拭かせないようにしようとした。あらゆることをね。僕らは彼らから嫌われていることを分かっていた。当時のアーセナルは5人制のチームのようだった。細かなコンビネーションでプレーするのを好んでいた。彼らが僕らのプレースタイルを嫌悪しているのは分かってたよ。彼らが僕らのことをあまりいい選手たちだとは思っていなかったこともね。でも、それは僕らに拍車をかけるだけだった」

また、ローレンスは「(デラップのロングスローは)コーナーキック以上といえた。彼が投げる軌道は凄かったよ。フラットでストレートで伸び続ける。味方選手に届かなかったとしても、相手に大混乱を引き起こした」とも語っている。

【動画】プレミアリーグを震撼させたデラップの反則級ロングスローまとめ

実際、ハル・シティ戦では相手GKボアズ・マイヒルがスローインではなくコーナーキックに逃げるという驚きの光景もあった。また、ウェストハムはデラップが助走できないように広告ボードをピッチに接近させるという手法まで使った。

ただ、グラネマーク氏はロングスローに固執していない。

リヴァプールやアヤックスでは、デラップの再現ではなく、むしろスローイン時にポゼッションを保持することに焦点を当てている。

さらに、最終的にはどの位置のスローインからも得点を奪えるようなプレーを目指しているようだ。

トマス・グラネマーク「リヴァプールでロングスローから多くのゴールを奪えるかもしれないのは分かっている。だが、そうするためには毎試合ごとに8~10回ほどのロングスローをやる必要がある。アンフィールドではロングスローを準備するのに30秒ほどかかることが多い。スロワーと選手たちを配置する必要がある。それにはかなりの時間がかかる。私の見解でしかないが、そうなるとほとんどのトップチームのプレースタイルから魅力を奪ってしまうだろう」「ファイナルサードで(スローインから)ゴールを奪うことが重要なわけではない。もちろんだが、それもやろうとはしているよ。実際、我々(リヴァプール)はウルヴス戦やトッテナム戦でスローインからゴールを奪った。だが、私の哲学では自陣のペナルティエリア付近でのスローインからもゴールを奪いたい」

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