子どもにステロイド剤を使っても大丈夫......? 薬剤師が徹底解説!

子どもにステロイド剤を使っても大丈夫......? 薬剤師が徹底解説!

  • たまひよ ONLINE
  • 更新日:2023/03/19
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子どもの皮膚トラブルは、どう対処したらいいのかわからずに焦ることも。

病院を受診すると、外用ステロイドが処方されることもあるでしょう。ステロイドに対してはマイナスのイメージを持つ方も多く、副作用の心配もあるかもしれません。

今回はそのような不安を解消するために、外用ステロイドについて詳しく解説します。

子どもの皮膚トラブル、受診の目安は?

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子どもの皮膚は角質が薄く、バリア機能も未熟です。そのため、些細なことでも皮膚のトラブルが起こりやすく、病院に行ったほうがいいのか判断に迷うこともあるかもしれません。

湿疹や赤みが少しある程度なら、半日から1日様子を見てもいいでしょう。軽い症状の場合は自然に治ることもあります。

しかし、何らかの薬を使った後に発疹などが出た、範囲が広い、嘔吐や血便・下痢を伴う、発熱がある、ぐったりしている、呼吸がおかしい、かゆみがひどいなどの症状があるときはすぐに受診をしてください。

受診する科は、小児科か皮膚科のどちらでも大丈夫です。その際、いつから症状が出たのか、どのような状況で出たか、機嫌はどうか、食事や水分摂取はできているかなどの情報も伝えるといいでしょう。

皮膚科でよく処方される「ステロイド」とは?

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外用ステロイドは、病気そのものを治す薬剤ではなく、炎症を抑えるためのものです。皮膚の炎症に見合ったものが適正に使用されないと十分に炎症を抑えられず、結果として使用量や治療期間が長引くこともあります。

特徴

ステロイドとは、もともとからだの副腎で作られる副腎皮質ホルモンを薬剤として人工的に作ったものです。

主な作用は抗炎症作用と、免疫抑制作用、抗アレルギー作用があります。

種類と効果

日本ではステロイドの強さは5段階にわかれています。

1〜5群まであり、種類も豊富です。症状や部位によって使いわけますが、からだの部分によって吸収率が100倍以上異なります。

たとえば、頬や陰嚢は吸収率が高いため弱めのステロイドが使われます。また、傷で角質が剥がれている場合や乳幼児の皮膚も吸収率が高くなります。

副作用について

外用ステロイドの副作用としては、皮膚が薄く弱くなる皮膚萎縮、毛細血管の拡張、色素脱失、産毛が太くなる多毛などがあります。

しかし、外用ステロイドで副作用が生じることはほとんどなく、適正に使用すれば心配はありません。

子どもに塗っても大丈夫?

ステロイドは怖い薬というイメージがあるかもしれませんが、適切な強さのステロイドを子どもに塗ることは問題ありません。

内服や点滴など、全身に薬剤が回る場合は副作用に慎重になる必要があります。しかし、外用の場合は長期に大量のステロイドを塗布する以外、通常量の使用で恐れる必要はありません。

薬剤師が解説する正しいステロイドの使い方とは?

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外用ステロイドは基本的に、皮膚の状態が悪いときに使用する薬剤です。塗った部分の炎症を鎮める作用がすぐれているため、皮疹や皮膚炎など幅広い皮膚疾患に使用されています。

塗るべき症状の目安

外用ステロイドは、肌が腫れている、かゆみが強い、湿疹やかぶれなどの症状があるときに使います。なかには火傷や虫刺され、じんましんなどで使用する場合もあります。

患部の症状によって、はじめは強いステロイドでしっかり炎症を抑えて、よくなったらステロイドを弱くする、または保湿剤を用いる、数日おきに使うなど、さまざまな治療法があります。

事前に医師、薬剤師に使い方を確認しておきましょう。

塗り方・塗る量・頻度

塗る量の目安としては、大人の人差し指の第一関節まで出した量が、大人の手のひら2枚分くらいに塗布できると考えてください。5gチューブの場合は、1本で手のひら20枚分くらい塗れます。

塗り方や塗る頻度は、指示された用法を守りましょう。薬がとれても、何度も塗り直す必要はありません。皮膚に塗布してから1〜2時間後には大部分が吸収されています。

やってはいけない注意点

外用ステロイドに関しては、「塗ると黒くなる?」「塗ったら日光に当たってはいけない?」などの不安がある方もいるかもしれません。

しかし、外用ステロイドを塗ることで、皮膚が黒くなることはありません。黒く見えるのは、炎症が治まってきたときの色素沈着であり、ステロイドとは関係ありません。

また、紫外線自体は肌にいいものではありませんが、外用ステロイドを塗布した状態で普通に外出しても問題ありません。

やってはいけないことは、自己流で使用量を調節することです。これは、結果的に炎症が長引くことにもなりかねません。医師の指示を守り、適切に使用することが最も重要です。

また、ステロイドにも強さのランクがあり、症状や部位によって使いわけられています。そのため、残った薬剤を家族内で使い回すこともNGです。

よく効くからといって、診察を受けずに自己判断で使うのもやめてください。

すこしテカるくらいが目安

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子どもに外用ステロイドを塗るときは、どうしても薄く塗ってしまいがちです。しかし、患部に炎症などが生じているときの皮膚は凸凹しています。薄く塗り過ぎてしまうと、患部にしっかり薬剤が届かず、結果として症状が長引くことにつながります。

どのくらい塗ればいいのか迷ったときは、軟膏ならのせるように「少しテカる程度」と考えるといいでしょう。怖がらず、適切に使うことが大切です。

参考URL:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa39/q03.html

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あんしん漢方薬剤師
相田 彩(あいだ あや)

昭和薬科大学薬学科卒業。総合リハビリテーション病院・精神科専門病院・調剤薬局の現場で漢方薬が使用される症例を多く経験。医薬品での治療だけではなく、体質や症状に適した漢方薬を活用し根本改善を目指すことの重要性を実感する。現在は、症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でサポートを行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010005

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