リアル「ルイーダの酒場」に!? 乙武政治塾が来月開講!国政新党も続々参入する日本の政治塾まとめてみた

リアル「ルイーダの酒場」に!? 乙武政治塾が来月開講!国政新党も続々参入する日本の政治塾まとめてみた

  • 選挙ドットコム
  • 更新日:2022/11/25
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作家で、元選挙ドットコムちゃんねるMCの乙武洋匡氏が12月10日に政治塾「未来をつくる政治塾」を開講します。入塾希望者は必ずしも政治家志望とは限らず、一市民として政治を学びたいと思っている人も多いそうです。これまでの政治塾は議員や首長を数多く輩出し、政治家の「需要と供給」を満たしてきた一方で、一般的にはあまり存在が知られていません。乙武氏に設立の狙いをインタビューするとともに、日本の政治塾をまとめてみました。

選挙ドットコム編集部(以下、編集部):

この時期に政治塾を立ち上げるのはなぜですか。

乙武洋匡氏(以下、乙武氏):

7月の参院選では、ダイバーシティの実現をはじめとした「社会に選択肢をふやす」ことを公約に掲げて、一定の支持を集めましたが、落選してしまいました。

選挙戦の最中には、「今までは消去法で投票先を決めていたけれど、今回は自分の思いを積極的に託したいと思える人(乙武氏)に投票できてうれしい」など、ありがたい言葉をたくさんいただきました。その反面、こうした今まで政治に関わってこなかった有権者の声を国会に届けることは叶わず、悔しさと申し訳なさで胸がいっぱいになりました。

選挙後の回復期間を経て、9月頃から次のステップを考えていく中で考えついたのが、政治塾の立ち上げです。今後は政治を通じたダイバーシティ実現に向け、ともに活動する仲間を募り、サポートしていくことに力を入れていきたいと思います。

編集部:

塾ではどのようなことを学べますか。

乙武氏:

経済学者でイェール大学助教授の成田悠輔氏、選挙プランナーの松田馨氏など豪華な講師陣をそろえて、政治や選挙の「リアル」を学んでいただきます。ただし、知識伝達型の一方通行的な塾ではなく、受講者同士によるディスカッションの時間を充実させるなど、横の関係づくりを重視したコミュニティとしての発展を目指しています。

イメージは「ルイーダの酒場」(ゲーム「ドラゴンクエスト」で主人公が冒険の仲間を探せる場所)ですね。

編集部:

ほかにも政治塾は様々ありますが、今回立ち上げる塾の特徴は。

乙武氏:

政党主催の政治塾のように公認を出したり、選挙資金のサポートはできません。なので、どう差別化を図るかはとても悩みましたが、ダイバーシティに焦点をあてた政治塾は他にないので特色になると考えています。

僕らがサポートしたいと思っているのは、政治を通じてダイバーシティを推進したいと考えて、行動に移そうとしている人です。保守やリベラルのような既存の枠組みにとらわれず、社会に選択肢を増やすことが大事という考え方に共感する人なら大歓迎です。

編集部:

応募状況はいかがですか。

乙武氏:

11月16日に一次募集を締め切り、多くの方からご応募いただいています。年齢層は20~60代と幅広く集まっていただいています。

統一選を控えている時期でもあるので、立候補を考えている方の応募が多くなるのかなと予想していましたが、ふたを開けてみると純粋に政治を勉強したいという動機で入塾を希望している方が多い印象です。

驚いている一方で、これからの日本の政治や民主主義にとっては希望が持てる話だなと思いました。選挙ありきの人材ばかりが集まってしまうと、ますます政治家と有権者の距離が遠のいてしまう恐れがありますから。有権者が政治を勉強して民主主義の質を上げていくことは非常に大切だと思います。

編集部:

政治塾の立ち上げを、乙武さん再出馬への布石とみる向きもありますが。

乙武氏:

私自身は、もう選挙には絶対に出ないと決めているわけでも、虎視眈々と次のチャンスを狙っているわけでもなく、フラットな状態です。

自分が政治家になることは、目的を達成するための手段の一つであって、最終目標ではないので。

参院選で32万人を超える方から票を託してもらったとはいえ、当選に絡む戦いはできませんでした。参院選の結果はよくも悪くも、政治におけるダイバーシティの「現在地」を示しているなと総括しています。

編集部:

地域政党の立ち上げは考えていますか。

乙武氏:

いろいろ憶測が流れていることは承知していますが、現時点でそうした意図はありません。

政治塾での活動を通じて、これから自分が進むベストな道を模索していきたいと思います。

編集部:

最後に、メッセージをお願いします。

乙武氏:

入塾者募集は11月25日までです。その後の選考を経て、12月10日にいよいよ開講します。

費用は入塾料5万円プラス受講料15万円と設定していますが、特に若い世代から「受講したいけど、高いので難しいです」といった声が多く上がっていたので、入塾料を免除して受講料を割引きとする「U-30割」の導入も決定しています。これだと総計10万円なので、じつに半額となります。

統一選への立候補を検討している人はもちろん、一市民としてダイバーシティ推進を進めるために政治を勉強したいと考えている人は、ぜひご応募ください。

乙武氏が政治塾について語った選挙ドットコムちゃんねるはこちら

2019年衆院選以降は新党も続々参入

「未来をつくる政治塾」は個人が立ち上げますが、現在、国内で開かれている政治塾をみてみると、大きく、個人や団体が主催しているもの、政党が主催しているものに分けられます。

期間は1日~数年、金額は数千円から数十万円など多様です。

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団体・個人主催をみると、知名度がトップクラスの「松下政経塾」は、パナソニック創業者の松下幸之助氏が私財を投じて立ち上げ、現在は財団が運営しています。今年で設立43年を迎え、多数の議員や首長らを輩出してきました。学ぶ期間は4年間と比較的長期間にわたりますが、入学金や授業料を財団が負担するのが特長です。

また、「豪腕」の異名をとる小沢一郎衆議院議員(立憲民主党)や社民党党首の福島みずほ参議院議員は、個人で政治塾を立ち上げています。

もう一方の政党主催では、自民党や立憲民主党、日本維新の会を始めとした国政・地域政党が開催しているものがあります。
2020年以降は、国政新党が政治塾を立ち上げて全国展開する動きが盛んです。

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2019年参議院議員選挙で国政政党入りしたNHK党党首の立花孝志氏が責任者を務める政治団体「ホリエモン新党」は「堀江政経塾」を主催しています。政治や経済に関するオンラインサロン形式を採用しています。

同じく2019年参院選で国政進出した「れいわ新選組」も来年の統一地方選を見据えて、今年8月から政治塾をスタートしました。午前と午後の2部制で政策や選挙に関する授業を行い、1回につき1000円と比較的リーズナブルな価格に設定されています。

また、今年7月の参院選で国政政党となった参政党は一昨年から「参政党DIYスクール」を開いています。こちらは立候補予定者というより、各地での選挙活動や議員の政策立案をサポートする党員を対象としているのが特徴です。

「狭き門」から「門戸を開く」へ?

政治塾は、主催する個人・団体や政党にとっては次世代を担う人材発掘、政治家を志す人にとっては立候補への近道と、お互いにウィンウィンの関係にあります。

一方で、入塾には試験があったり、勉強するために数万円に上る費用が必要だったりと、「狭き門」でもありました。

現在は、オンライン方式の採用や若者世代の割引制度など、参加者層を広げるための取り組みも出てきています。政治家のなり手不足、投票率の低下が叫ばれる中で、政治塾のあり方が変化しつつあるようです。

選挙ドットコム編集部

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