ユーロ2020を「知られざるジンクス」で占う。強豪国に嫌なデータがズラリ

ユーロ2020を「知られざるジンクス」で占う。強豪国に嫌なデータがズラリ

  • Sportiva
  • 更新日:2021/06/10

ユーロ2020の豆知識

新型コロナウイルス感染拡大の影響によって1年延期されたEURO(ユーロ)2020が6月11日(日本時間6月12日)に開幕する。今大会は欧州の異なる国の11都市で開催され、出場24カ国が6つのグループに分かれてリーグ戦を実施。各グループを勝ち上がった16チームが決勝トーナメントに進出し、覇権を争う。

◆ワールドサッカー「天才ランキング」

その熾烈な争いによって、どのチームが頂点に立つのか注目されるが、16回目となるユーロにおいては、これまでにさまざまなデータが蓄積され、いろいろなジンクスも生まれている。ここでは、そんな因縁や法則をグループごとに紹介していきたい。実はそこにこそ、大会の行方を占う重要なヒントが隠されている――。

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2016年大会はポルトガルが頂点に立った。photo by Getty Images

◆グループA:注目の開幕戦は"最強の矛盾(ほこたて)決戦"

(イタリア、スイス、トルコ、ウェールズ)

ユーロ2000の開幕戦は、ローマで地元イタリアとトルコが激突する。実はこの2チーム、それぞれが真逆の記録を継続中なのである。

トルコは現在、主要国際大会(W杯、ユーロ。以下同)で開催国相手に4戦全勝。片や、イタリアは自国開催の主要国際大会で19戦無敗という状況にある。ホームで圧倒的な強さを誇るイタリアだが、「ホームキラー」トルコを打ち破ることができるのか、注目である。

【主要国際大会におけるトルコの対開催国との戦績】
2000年ユーロ=トルコ2〇0ベルギー
2002年W杯=トルコ1〇0日本
2002年W杯=トルコ3〇2韓国
2008年ユーロ=トルコ2〇1スイス

【主要国際大会におけるイタリアの自国開催での成績】
1934年W杯=優勝(5戦4勝1分)
1968年ユーロ=優勝(3戦1勝2分)
1980年ユーロ=4位(4戦1勝3分)
1990年W杯=3位(7戦6勝1分)
※PK戦は記録上「引き分け」と見なされる

◆グループB:FIFAランキング1位の"意外な天敵"
(ベルギー、デンマーク、フィンランド、ロシア)

ここ3年以上、FIFAランキングで首位を維持しているベルギー。今大会でも優勝候補に挙げられているが、グループBで同居する対戦相手に意外な天敵が存在する。今回、主要国際大会初出場となるフィンランドである。

なんとベルギーは、フィンランドとの最近7試合で3分け4敗と未勝利なのだ。最後に勝利を収めたのが1968年。53年間もフィンランドに勝てていないことになるが、はたして今回はどうなるか......。

【ベルギーの対フィンランド戦における未勝利記録】
1999年=ベルギー3●4フィンランド(親善試合/ベルギー)
2001年=ベルギー1●4フィンランド(親善試合/フィンランド)
2007年=ベルギー0●2フィンランド(ユーロ予選/フィンランド)
2007年=ベルギー0△0フィンランド(ユーロ予選/ベルギー)
2010年=ベルギー0●1フィンランド(親善試合/フィンランド)
2011年=ベルギー1△1フィンランド(親善試合/ベルギー)
2016年=ベルギー1△1フィンランド(親善試合/ベルギー)
※( )内は大会名/開催地

◆グループC:有力国を悩ます"ドイツの呪い"
(オーストリア、オランダ、北マケドニア、ウクライナ)

A代表の公式大会でドイツ(西ドイツ時代を含む)とグループリーグで同居した国が優勝したケースは、男女含めて1度もない。特に男子においては、その"呪い"は予選にまで及ぶ。旧東西ドイツを含めて「ドイツ」と名の付く国と主要国際大会の予選で同居し、本大会に出場したのは27チームがあるが、優勝を果たした国は皆無なのである。

そして今回、その"呪い"の餌食となるのは、オランダ。ドイツと同居した厳しい予選を勝ち抜いて本大会へと駒を進めたが、過去のジンクスどおりであれば、今大会での優勝はない。

【主要国際大会の予選でドイツ(東西ドイツを含む)と同居した国の本大会の成績】
〈W杯〉
初戦敗退=1934年フランス
GL敗退=1958年チェコスロバキア、1986年ポルトガル、1990年ソ連、オーストリア
ベスト16=1986年ブルガリア、1990年オランダ
ベスト12=1982年オーストリア
ベスト8=1958年ウェールズ、1962年、1966年ハンガリー、1978年オーストリア、2002年イングランド
ベスト4=1938年スウェーデン、1982年ポーランド、1986年フランス
準優勝=1970年イタリア
優勝=なし
〈ユーロ〉
GL敗退=1980年オランダ、1984年ベルギー、1996年ブルガリア、2008年チェコ
ベスト16=2016年アイルランド
ベスト8=2000年トルコ、2016年ポーランド
ベスト4=1964年ハンガリー
準優勝=1968年ユーゴスラビア、1988年ソ連
優勝=なし
※GL=グループリーグ

◆グループD:イングランドが抱える"忌まわしきジンクス"
(クロアチア、チェコ、イングランド、スコットランド)

優勝候補の一角となるイングランドだが、いまだ破れないジンクスを抱えている。これまで出場したユーロにおいて、一度も初戦で勝った経験がないのだ(9戦5分け4敗)。

そして、今大会の初戦の相手は2018年W杯準決勝で敗れたクロアチア。再び苦戦が予想される。

【ユーロにおけるイングランドの初戦の成績】
1968年=イングランド0●1ユーゴスラビア(イタリア)
1980年=イングランド1△1ベルギー(イタリア)
1988年=イングランド0●1アイルランド(ドイツ)
1992年=イングランド0△0デンマーク(スウェーデン)
1996年=イングランド1△1スイス(イングランド)
2000年=イングランド2●3ポルトガル(オランダ)
2004年=イングランド1●2フランス(ポルトガル)
2012年=イングランド1△1フランス(ウクライナ)
2016年=イングランド1△1ロシア(フランス)
※( )内は開催国

◆グループE:4度目の頂点を狙うスペインの"アキレス腱"
(ポーランド、スロバキア、スペイン、スウェーデン)

ユーロでは最多タイとなる3度の優勝を誇るスペイン。ただ一方で、主要国際大会において、開催国との相性が非常に悪い。PK戦の負けも敗戦に含めると、過去10戦2分け8敗と壊滅的だ。

今回は、欧州の異なる国の11都市で開催される特殊な大会。開催国と対戦する確率も通常大会よりも増すため、スペインにとっては不吉なデータとなる。

【主要国際大会におけるスペインの対開催国との戦績】
1934年W杯=スペイン1△1イタリア
1934年W杯=スペイン0●1イタリア
1950年W杯=スペイン1●6ブラジル
1980年ユーロ=スペイン0△0イタリア
1984年ユーロ=スペイン0●2フランス
1988年ユーロ=スペイン0●2西ドイツ
1996年ユーロ=スペイン0(PK2▲4)0イングランド
2002年W杯=スペイン0(PK3▲5)0韓国
2004年ユーロ=スペイン0●1ポルトガル
2018年W杯=スペイン1(PK3▲4)1ロシア

◆グループF:連覇を目指すフランスに欠けている"優勝の法則"
(フランス、ドイツ、ハンガリー、ポルトガル)

前回大会準優勝、2018年W杯優勝とあって、今大会でも優勝候補の最右翼と目されているフランスだが、今回は厳しい戦いが予想される。というのも、"優勝の法則"を満たしていないからだ。

過去、W杯で2度、ユーロでも2度の優勝を果たしているフランスは、いずれの大会においても、グループリーグでデンマークと同居していた。それが今回、その条件を適えられていないのだ。逆に、同組だと優勝確率0%のドイツと同居。データ的には連覇に向けて黄信号、いや、赤信号が灯っていると言える。

◆        ◆        ◆

ここ最近のユーロ優勝国は、スペイン(2008年)、スペイン(2012年)、ポルトガル(2016年)。さらに、2018年に始まった第1回UEFAネーションズリーグ2018-2019ではポルトガルが戴冠を遂げた。近年、欧州圏の大会ではイベリア半島勢が断然の強さを誇っている。

このトレンドから、今大会もスペイン、ポルトガルが有力だが、前回王者のポルトガルは同居すると優勝確率0%のドイツと同組に。もはや優勝の目はないだろう。そうすると、優位なのはスペイン。決勝トーナメントで「開催国と対戦しない」という条件をクリアできれば、史上最多4度目の優勝が見えてくる。

宝田雅樹/National Football Teams-Results●文&データ

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