片渕須直監督、最新作は「いままで作ってきた映画の連合体」。題材の「枕草子」は「映像にしてくれと言われているようでたまらなくなった」

片渕須直監督、最新作は「いままで作ってきた映画の連合体」。題材の「枕草子」は「映像にしてくれと言われているようでたまらなくなった」

  • MOVIE WALKER PRESS
  • 更新日:2023/03/20
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片渕須直監督、制作中の最新作でも圧倒的なこだわりが!

開催中の第1回新潟国際アニメーション映画祭にて、3月19日に「片渕須直監督 現在制作中新作についてトーク」が新潟市中央区の新潟日報本社ビル20階そらの広場で行われた。片渕須直監督が登壇し、新作について「枕草子」を題材とした理由から、現在の制作状況について話した。

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当初5月に本作の説明会を予定していたとのことで、片渕監督は「新しい映画の話をと思っていたのですが、3月だと題名がまだないんです」と、笑いながら挨拶を行った。本作の制作については、「プロデューサーは、『この世界の片隅に』の真木(太郎)さんや、『マイマイ新子と千年の魔法』に製作委員会に入っていた松竹とエイベックスのプロデューサーも呼んじゃいました。いままで作ってきた映画の連合体みたいな作品になります」と、期待のコメントをした。

「枕草子」という題材を選んだきっかけには、『マイマイ新子と千年の魔法』に登場した清少納言が、その後どのような人生を歩むのかを、性分で調べてしまったことだと片渕監督は語る。「『枕草子』には風流なことが書かれているイメージがありますが、実は清少納言がスパイの疑いをかけられているなど、風流な事象以外も書かれているドキュメンタリーなのです。そして、そのまま絵コンテにできるのではと思えるほどドラマチックな出来事が多く、映像にしてくれと言われているようでたまらなくなりました」。

そして片渕監督は、「枕草子」の序文である「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際」を実際に検証も行ったという。「当時の京都はもう少し東にあったなどを調べていって、ここじゃないかなというところを探し出しました。12月ぐらいに写真を取りに行って、本当に山が近く見えるのか試してみたりしました」と、制作準備段階でのそのこだわりぶりを披露した。

制作中の新作については、片渕監督自身も「僕も動いている清少納言を1カットも見ていない」そうで、作品の詳細については発表されなかったが、「1000年前ぐらいの世界を、手前に引き寄せられた気がしますね。この人物に宿っていくというか、彼女たちの心情をこちらで感じられるようになってきました」と手応えを話す。

2025年ごろの公開を目指して制作をしているとのことで、「大々的な発表を予定していて、それに合わせてパイロットフィルムを作っています。その時初めて題名がわかると思いますので、ご期待いただければすごくうれしいなと思います。また完成まで時間がかかるなか、『マイマイ新子』や『この世界の片隅に』は、この新しい作品へのすべて道標だったわけなので、この作品を通じていろんなことをやっていきたいなとも思っています」と締めくくった。

第1回新潟国際アニメーション映画祭は、3月22日(水)まで、新潟市民プラザを中心に、クロスパル新潟、T・ジョイ新潟万代、シネウインドの4拠点を会場として開催。映画の上映やトークイベント以外にも、痛車の展示やアニソンライブなど多種多様なイベントも予定されている。

取材・文/編集部

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