「自分で選んだ道を信じる」19歳。斉藤光毅が海外移籍を決断した理由

「自分で選んだ道を信じる」19歳。斉藤光毅が海外移籍を決断した理由

  • Sportiva
  • 更新日:2020/11/21

横浜FCの19歳、FW斉藤光毅がベルギー2部のロンメルSKへ完全移籍することが決まった。

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年明けからベルギー2部のロンメルSKへ移籍する斉藤光毅

横浜FCがJ2だった一昨季、16歳にしてトップデビューを果たした斉藤は、自身初のJ1シーズンとなった今季もチームの主力FWとして活躍。切れ味鋭いドリブルを武器に、ここまでリーグ戦26試合に出場し、3ゴールを記録している(11月20日現在)。

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また、U-20日本代表としても、昨年行なわれたU-20ワールドカップに"飛び級"で出場。10代でありながら、プロの世界で順調すぎるほどに右肩上がりの成長曲線を描いてきた。

しかしながら、「(8月22日のJ1第12節以来)最近点を取れていないし、Jリーグで(今季)3点しか取れていないのは課題」と貪欲に語る新鋭アタッカーは、現状にまったく満足していなかった。

そんな斉藤がさらなる成長機会を求め、新たな戦いの場に選んだのが、「ここからステップアップしていきたいとか、野心を持った人たちがたくさんいて、めちゃくちゃ競争できるイメージがある」というベルギーだった。

近年、海外移籍の低年齢化が進むJリーグにあって、またひとり、小さな体に大きな夢を詰め込んだ19歳が、海を渡ることを決断したのである。

「初めての刺激もあると思うので、いろんな部分で学びたい。海外に出て、いろんな経験をして(日本に)還元するのも大事」

海外移籍を前にして、そう語る斉藤だが、周囲の盛り上がりをよそに、不思議と肩に力が入った様子は見られない。それは移籍が正式に決まり、オンラインでの発表会見を終えてもなお、変わることがなかった。

そこには、プレーする舞台が変わろうとも「自分がやるべきことは変わらない」との強い思いがあるからだ。

「これから海外に出て、そこでやるプレーと、こっちでやっているプレーを変えちゃダメだと思っている。どこにいても、どんな環境でも、常に自分のプレーを出せるように。それも経験だと思うので、そうしていければいいかなと思う」

当然「日本では味わえない壁も出てくると思う」。そんな覚悟はできている。

例えば、ベルギーリーグに多いアフリカ人選手特有のリーチの違い。日本でプレーしていれば、絶対に出てこないようなところから、相手DFの長い足が伸びてくることもあるだろう。本人曰く、「そういう違いに(日本人選手が)手こずるみたいなことを結構聞く」。

だが、「それも行かなきゃわからないこと。そういう部分も楽しみに思っている」。不安要素になりかねないことにすら、むしろ今はワクワク感を覚えている。

「そうなったときに自分で考えて、自分で乗り越えられるように。常に自分にベクトルを向けながらやっていければ、いろんな場面で生きてくる。そういう部分でも、海外へ行ったら成長できるのかなと思う」

とはいえ、この年齢での海外移籍にデメリットがないわけではない。

そのひとつが、年代別代表との兼ね合いだろう。

現在、斉藤はU-19日本代表の主力として、来年の開催が予定されているアジアU-19選手権、さらにはU-20ワールドカップへの出場が期待されている。

同代表は今夏以降、およそ月1回のキャンプを行なっており、斉藤はその常連だ。

しかし、ベルギーへ行ってしまえば、そうした日常的な活動に参加するのはまず不可能。それどころか、貴重な国際経験を積む場となる、大会本番の出場も難しくなる可能性がないわけではない。

「(大会で代表に)呼ぶ、呼ばないは、日本サッカー協会とクラブの交渉次第。いい交渉をしてもらえるとうれしい」

U-19日本代表・影山雅永監督が、そう話すとおりだ。

斉藤自身も「代表との兼ね合いは、クラブとのことなので、自分はまだわからない」と言い、「(代表の活動に)関わらせてもらったときに、自分が成長しているなって、いろんな人から思われるようなプレーをしたい」と話すにとどめる。

それでも、斉藤がこのタイミングで日本を離れることを決断したのは、その先にある、もっと大きな目標を見据えているからに他ならない。

「今のA代表も、欧州の(クラブでプレーする)方たちだけで組まれている。(自分も)ステップアップしていくためには、やっぱり海外に出るほうが早いと思う。自分の目標に対して、こうやって早いうちから海外に出て慣れることも大事だなと思っていた」

そう語る斉藤は、まだあどけなさの残る愛らしい笑顔で続ける。

「どうなるかわからないけれど、自分の選んだ道を信じていければいいかなと思っています」

久保建英世代の19歳は、Jリーグにいくつものインパクトを残し、新たな挑戦をスタートさせる。

浅田真樹●文 text by Asada Masaki

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