
農村の生徒たちの健康と成長を守る学校給食 中国貴州省
貴州省黔東南ミャオ族トン族自治州三穂県台烈中学校にある食堂の厨房で、食材を炒める調理員。(5月9日撮影、貴陽=新華社記者/周宣妮)
【新華社貴陽5月26日】中国南西部の山地に位置する貴州省黔東南ミャオ族トン族自治州三穂県台烈中学校で、終業のベルが鳴ると生徒たちがぞろぞろと学食へ向かった。同県台烈鎮頗洞村に住むトン族の生徒、何績春(か・せきしゅん)さん(13)はトウガラシペーストの入った缶を持って、夕食を楽しみにしながらクラスメートと列に並んだ。

農村の生徒たちの健康と成長を守る学校給食 中国貴州省
貴州省福泉市にある貴州潤泉食安農商互聯農業科技の倉庫で、野菜を仕分ける作業員。(5月8日撮影、貴陽=新華社記者/周宣妮)
何さんは「食堂の食事はおかず3品にスープが1品。それにリンゴと牛乳もつく。家のご飯よりも豪勢」と言い、「辛いものが好きなので家からトウガラシペーストを持ってきた」とはにかんだ。
呉卓財(ご・たくざい)校長によると、同校は郊外の田舎町にあり、在校生818人のうち87.8%に当たる718人が少数民族という典型的な少数民族学校で、ほとんどはミャオ族の生徒だという。また生徒の39%が「留守児童」(両親が都市部へ出稼ぎしている子ども)と紹介した。

農村の生徒たちの健康と成長を守る学校給食 中国貴州省
貴州省福泉市にある貴州潤泉食安農商互聯農業科技の倉庫で、仕分けを終えて籠に入れられ配送を待つ新鮮な野菜と果物。(5月8日撮影、貴陽=新華社記者/周宣妮)
同校は山間部の子どもたちに「おなかを満たす食事」から「科学的に栄養バランスがとれた食事」へ、さらには家庭の温かみが感じられる食事を提供している。
同省福泉市の企業で、地元の学校向けに弁当の配送や食堂の運営を手掛ける貴州潤泉食安農商互聯農業科技の品質検査室を訪れると、専門の検査員2人が手際よく野菜の残留農薬検査を行っており、傍らには当日仕入れた全ての食材が置かれていた。

農村の生徒たちの健康と成長を守る学校給食 中国貴州省
貴州省福泉市第五中学校の食堂で、並んで食事を受け取る生徒。(5月8日撮影、貴陽=新華社記者/周宣妮)
同社の責任者である劉金鳳(りゅう・きんほう)さんは「当社は現在87カ所から野菜を仕入れていて、全17本の輸送ルートがある」と紹介し、今年1〜3月の野菜供給量のうち3分の2が地元の学校向けだったと説明した。
同社は栽培基地との契約や集中調達によって産業チェーンを延伸させており、現時点で零細企業50社余りをとりまとめ、農家170人余りの雇用を創出した。(記者/周宣妮、呉思)