新垣結衣、石原さとみ、橋本環奈も......中国から日本人女優“フェイクポルノ”大量拡散の恐怖

新垣結衣、石原さとみ、橋本環奈も......中国から日本人女優“フェイクポルノ”大量拡散の恐怖

  • 文春オンライン
  • 更新日:2020/10/18

ディープラーニング技術を利用し、ある人物が実際は行っていない言動を行っているかのように、動画や音声を合成する「ディープフェイク」は、来る米大統領選においても、世論操作に悪用される危険性が警戒されている。

【画像】実際に業者が作成した動画

そんななか、日本国内でもディープフェイク関連の一斉取り締まりが行われ、10月2日までに熊本県の大学生をはじめ3人の男が逮捕された。容疑はいずれも「名誉毀損と著作権法違反」である。

No image

©️iStock.com

逮捕者が作成していたのは“フェイクポルノ”

これは、日本初のディープフェイク関連での逮捕例となったが、彼らが手を染めたのは政治的意図を持った世論操作などではなかった。彼らが作成したのは、ポルノ動画の女性出演者の顔を芸能人のものにすり替えたフェイクポルノだったのだ。

警視庁によると、フェイクポルノに無断で顔を使われた日本の女性芸能人は約200人にのぼり、作成された動画は3500本以上にのぼる。こうしたなか、サイバーパトロールを強化していたようだ。

初の逮捕者が出た10月2日、芸能事務所で作る日本音楽事業者協会も顧問弁護士のコメントを発表し、「早期にその芽を摘みたい」として警察の捜査に協力したことを明かした。

しかしここで断言したい。いくら日本国内で取り締まりを行ったところで、彼女らのフェイクポルノ被害はなくならない。なぜなら、日本の女性芸能人を利用したフェイクポルノの主要生産地は、中国であるからだ。

世界がディープフェイク対策に乗り出すなか、中国では……

筆者が昨年12月に確認した時点では、「Pornhub」や「X Videos」といった海外の大手ポルノサイトで、日本の人気女性アイドルや女優の名前を中国大陸で使用される漢字「簡体字」で打ち込むと、無数の動画がヒットしていた。そのうち、いくつかの動画を閲覧したが、顔と胴体のつなぎ目も違和感なく表情も自然で、一見してそれがフェイクとは見破れないレベルだった。

しかし今、これらのポルノサイトをのぞいてみても、フェイクポルノと思われる動画はほとんど投稿されていない。世界的にディープフェイクが社会問題となるなか、各国当局やポルノサイトが、対策に乗り出しているためと思われる。

ところが、中国語でタイトルが書かれたいくつかのポルノ動画の投稿者のなかには、プロフィール欄に「フェイクポルノ販売」をうたい文句に、外部のSNSへと誘導する内容を書き込んでいる者も少なくない。

そこで筆者は、そうして集客をしているフェイクポルノ販売業者のひとつにコンタクトをしてみた。

日本の女優では、新垣結衣、石原さとみ、橋本環奈の名前が

「どんなフェイクポルノがあるのか?」そうメッセージを送ると、すぐに先方から、販売しているフェイクポルノのリストが送られてきた。そしてそこには、中国の女性芸能人の名前に混ざり、「新垣結衣」の名前もあったのだ。

「日本の女優では新垣結衣しかないのか?」筆者がこう尋ねるとこの業者は「石原さとみと橋本環奈のものもある」と回答してきた。いずれも中国でも高い人気を誇る女性芸能人である。ちなみに価格はそれぞれ約80円~160円という安さだ。

さらに先方は、こうも付け加えた。

「リストになくても、好きな芸能人で作成できる。胴体になるポルノ動画と、芸能人の様々な角度から撮られた顔写真や動画があれば、こちらで合成する」

新型コロナの影響で『フェイクポルノ職人』に

つまり、フェイクポルノのオーダーメードを請け負うというのだ。驚くべきはその価格。「5分の動画で1600円から3200円」(販売業者)というのだ。ちなみに昨年末に筆者が取材した際には、中国系の業者にオリジナル動画の作成を依頼する際の料金は、1分で3200円前後が相場と言われていたのだ。1年弱の間に実に5分の1の価格まで値崩れを起こしている。ずいぶんと安くなったものである。

中国在住で、IT事情に詳しい男性は、この低価格化の理由をこう推測する。

「ディープフェイクを作成するソフトは日々進化していて、今では基礎知識がない人でも作業できるソフトが低価格で出回っていることが一因。特に、新型コロナ感染拡大による、数か月にわたる都市封鎖期間には、こうしたソフトを使い、内職として『フェイクポルノ職人』になる人も増えた」

ともかく、日本国内のフェイクポルノ作成者を検挙したところで、こうした状況の中国から、世界に拡散されているフェイクポルノを放置していては、日本の女性芸能人の被害も食い止めることはできないのである。

さらに筆者は、前出の販売業者が漏らしたこんな言葉が胸につかえた。

「別に芸能人じゃなくても、恋人や同僚でも誰でも、何枚かの顔写真か動画さえあれば、合成は可能だよ」

たしかにこれだけ低価格でフェイクポルノの作成が可能なら、ターゲットとなるのは芸能人だけとは限らないだろう。自身や自身の愛する人のフェイクポルノがひそかに作成されているとしたら……。

考えるだけでおぞましい事態が、現実に起きようとしているのだ。

(奥窪 優木)

奥窪 優木

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加