
中国の大学入試の日本語試験問題
中国の李克強首相と経団連の十倉雅和会長ら日本の財界首脳が9日にオンライン会談を計画したものの、中国側の意向で延期された。複数の日中関係筋が明らかにしたもので、新型コロナウイルス対策で上海のロックダウン(都市封鎖)が続いていることに日本側で懸念が強まる中、会談成功を危ぶんだとの見方が出ている。
日中双方の関係者は、会談が行われていれば上海の都市封鎖が必ず話題になったと言及した。習近平国家主席は「ゼロコロナ」政策の堅持を繰り返し強調。ただ日本側では行き過ぎた対策だとの見方も強い。中国政府関係者は「李氏は封鎖に関し発言権がなく、具体的に回答できないため(会談の)成果を望めなかったのだろう」と解説した。
会談日程は上海で都市封鎖が始まる前に固まっていたもようだ。延期になったとはいえ、今回、日本側は最大の貿易相手国である中国での市場拡大を、中国側は対日関係の改善を狙っていたとみられる。
ロックダウンなどの影響から、中国国内の経済は壊滅的なダメージを受けている。また対外的には、欧米など西洋諸国との関係は悪化し、ウクライナ情勢を巡ってロシアとも良好な関係を保ちたいので、中国は国際的孤立が顕著となっている。
ユーチューブチャンネル「地球ジャーナル ゆあチャン」で日中の情報を発信している中国人ジャーナリストの周来友氏はこう語る。
「今後、難しいかじ取りを迫られる中国ですが、日本との関係強化に努めたいという思惑が義務教育課程の変更政策から見えてきます。中国教育部(日本の文部科学省に相当)は、中学校の義務教育課程における外国語教育の履修内容を大幅に変更することを発表しました。新学期が始まる9月から、中学校での外国語必修科目に、これまでの英語に加え、日本語とロシア語を新たに加えることにしたのです」
すでに大学入試では、外国語科目として日本語を選ぶ学生が増加。毎年約1000万人が受験する中国の大学入試では、2017年に日本語を選択した受験生が1・6万人だったのが、20年には10万人を超えた。
周氏は「中国が日本との関係改善を模索していることが、教育改革からもよく分かります。不確実性が増す世界情勢の中で、日本の役割はさらに重要となってくるのではないでしょうか」と指摘している。
東スポWeb