栽培方法が確立されていない野菜も!?地域の農家と子どもたちが一緒に取り組む「伝統野菜」づくり|SDGsリポート

栽培方法が確立されていない野菜も!?地域の農家と子どもたちが一緒に取り組む「伝統野菜」づくり|SDGsリポート

  • 福島中央テレビ - 福島県内ニュース
  • 更新日:2021/10/14
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■伝統野菜とは?

福島県にはスーパーなどの店頭にはほとんど並ぶことのない野菜があります。「会津丸茄子」もその一つ。形が可愛らしい巾着型で、身がしっかりしていて食感が柔らかく味が濃いのが特徴で、会津地方の農家が何世代に渡って栽培を続けている「伝統野菜」です。

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伝統野菜は自家採種によって作る在来種であるため、種をとって次の年につなげないと、その野菜は無くなってしまいます。しかし、育てたとしても、形や大きさは揃いにくいことから農家が生業として栽培するには不向きなものでもあります。

一方で、現在市場に出回っている野菜の多くは「F1種」とよばれ、大きさがほぼ同で改良されて生育も早い野菜なので、栽培するにも効率がいい。その結果、年々伝統野菜をつくる農家が減っているという現状があります。

■地域の子どもたちへ受け継ぐ思い

「このままではいずれ伝統野菜が消えてしまう。どうすれば未来に残していくことができるだろうか?」

そう話すのは会津若松市で伝統野菜を作り続けてきた農家の長谷川純一さん。長谷川さんは、伝統野菜を未来へ残していくために“ある取り組み”を始めました。それは地元の学校との連携です。

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地元の子どもたちに、スーパーなどに出回る規格野菜だけではなく、長く受け継がれてきた「会津の味」とも言うべき伝統野菜の魅力を知ってもらいたい。その野菜を栽培するために守られてきた会津の風土や歴史を未来に残して欲しい。

そして、もう一つ。

「学校が種を持っていることで、農家はもしかしたら自分の代でとぎれるかもしれないが、学校が続く限り種は残る」という思いです。

長谷川さんは、いま、会津若松市立第二中学校や会津農林高校の授業の中で、伝統野菜作りを教えています。

■農業指導書「会津農書」って?

長谷川さんの授業には教科書には乗っていない奥深さがあります。

会津若松市立第二中学校では、古くから会津に伝わる農業指導書『会津農書』について講義をしました。夏暑く冬寒い会津の厳しい気候のなかで農業の礎を築いた『会津農書』は、江戸時代中期(1684年)にかかれたもので、野菜作りに適した土壌の色や土の味などが細かく記されています。現代の農業にもつながる日本農学史上、不朽の名著とも言われています。

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生徒たちはその『会津農書』 を教科書として、今年6月に伝統野菜の一つ、会津余蒔胡瓜(あいづよまききゅうり)の栽培に取り組みました。

「自分たちで育てるのは初めて」「食べるのが楽しみ」と話しながら、約120本の余蒔胡瓜などの苗を定植しました。苗を運んでいるときには楽しそうにしていた生徒たちは、土にふれると真剣な表情になり、大事そうに苗を植えていったのが印象的でした。

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<福島中央テレビ『ゴジてれChu!』放送より>

一方、会津農林高校では、長谷川さんの指導のもとで伝統野菜の会津丸茄子の栽培を始めていました。連日真夏日が続いた今年の夏、会津丸茄子を栽培する畑では、茄子の育ちを良くするために余分な枝を切る「3本仕立て」という作業が行われていました。収穫量を増やすための露地栽培の方法として長年受け継がれてきた技でもあります。

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■伝統野菜を守る農家レストランの思い

子どもたちに伝授するのは、伝統野菜の栽培方法だけではありません。

農家レストラン「けやき蔵」を営む慶徳敬子さんは、野菜本来の味がわかる素揚げや塩麹漬けを作り、会津丸茄子の味の魅力も生徒たちに伝えていました。

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<農家レストランを営む慶徳敬子さん>

「会津丸茄子は、身がぎゅっとしまっていても、火を加えると甘味を出してくれる。昔から種をとりつづけ世代を超えて伝えてきた野菜を今も作っているから、それをきっかけにみんなと出会える。まさに伝統野菜が“宝”だと思うんです。そういう宝が、次の世代にも伝わればと思っています。」と話す農家レストランの慶徳さん。

生徒たちは、そうした様々な思いを受け継ぎながら、自らも伝統野菜を美味しく食べるメニューを考案していました。

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■分からないことが面白い!

こうして農家の長谷川さんが地元の学校で授業を初めてから、新たな動きも生まれています。

伝統野菜に興味を持った会津農林高校の長嶺夢花さんと高久澄玲さんは、長谷川さんが栽培を続けてきた会津丸茄子や会津余蒔胡瓜だけではなく、他の伝統野菜の研究も始めていました。

研究をしていたのは、会津若松市ではなく南会津町に受け継がれている伝統野菜。栽培方法を地元の農家に聞きに行き、肥料の与え方などどうすればうまく育つかを調べているそうです。

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「栽培方法がまだ確立されてなくて、どのくらいの肥料を入れればいいか正解がわからない野菜もあるので研究しています。伝統の野菜がなくなってしまうのは悲しいし、おいしいから広めたい。こういう栽培方法だったらよく育つとか、こっちだったらダメというのがわかっていくのが楽しいです。」と目を輝かせていたのが印象的でした。

その土地の風土に合った伝統野菜を育てるために、農業の技術を地元の子どもたちに継承すること。そして、その技術を基盤として新たな産業に結び付けていくこと。先人たちの思いを受け継ごうとする子どもたちのチカラがSDGsの達成にもつながっています。

(福島中央テレビSDGs推進チーム リーダー中山可那子)

福島中央テレビ

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