リュウグウ試料から炭酸水 液体の水は初めて 「豊富な水の証拠」

  • 毎日新聞
  • 更新日:2022/09/24

探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰った試料から炭酸水を検出したと、東北大や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの分析チームが22日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。水酸基(OH)や水分子としての水は見つかっていたが、液体の水は初めて。

試料に有機物守る「ゆりかご」物質

リュウグウの元になった小惑星(母天体)に豊富な水があった証拠で、地球の水が太古に衝突した小天体からもたらされたとする説を補強する成果だという。

チームは17粒の試料(直径1~8ミリ)を調べ、わずかな水が硫化鉄の結晶の中にある五つの穴(直径1~3マイクロメートル)に閉じ込められているのを発見した。水は塩、有機物のほか、二酸化炭素(CO2)を含んでいた。銅と硫黄でできたサンゴ状の結晶構造も見つかった。この構造は鍾乳洞のような環境で成長してできたとみられ、豊富な水の存在を示す証拠だという。

母天体は気体のCO2をとどめるには小さすぎるため、ドライアイスになっていたとみられる。チームは、母天体が太陽から遠く離れた極低温の環境でできたと結論付けた。

一方、カルシウムとアルミニウムに富む包有物など、1000度以上の高温にさらされた物質も見つかった。これらは太陽の近くの高温のガスから凝縮してできたとされる。太陽系の誕生からまもない時期に、太陽近くの物質が遠く離れた場所へ移動する大規模な物質混合があったことを裏付けた。

チームはこの結果などをもとに、リュウグウの形成過程を推定した。

母天体の直径は約100キロで、太陽系誕生(約46億年前)から約200万年後にできた。約500万年後に内部の温度が50度まで上昇し、大量の水が液体になった。その後、直径が10分の1程度の他の天体が衝突して壊れ、破片が集まってリュウグウができたとみられる。

チームの中村智樹・東北大教授(惑星科学)は「わずか1滴の水だが、リュウグウの母天体内部にたくさんあった水と同じだ。水をたくさん抱えたまま地球に衝突すれば、水や塩、有機物などを直接供給できたことを意味する」と話した。【垂水友里香】

毎日新聞

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