うつの人が最強企業「キーエンス」から学んだ「起業に失敗しない方法」

うつの人が最強企業「キーエンス」から学んだ「起業に失敗しない方法」

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/06/11
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気分が落ち込む、集中力が続かない、夜眠れない……。そんな「うつ」の人でも稼ぐことができる起業法と、ビジネスプランを教えてくれるのは、著書『うつでも起業で生きていく』を上梓した林直人氏だ。うつの人は「大成功する起業術」より「生きていける起業術」を学ぼう、とアドバイスする林氏。世のビジネス書には決して載っていない、ユニークな成功法則を伝授してくれた。

なぜうまくいかないかを考える

大成功する起業家というのは常人には想像もつかないほどのバイタリティーを持っています。彼らのやり方をうつの人がそのまま真似するのは危険です。

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私にも「自分は第二の孫正義だ」と信じ込んで暴走し、2年ほどを棒に振った黒歴史があります。
(関連記事:「うつ病」の私が「孫正義」のマネをして起業したら、大失敗したワケ

このような悲劇を繰り返さないためにも、うつの人は身の丈を知ったうえで、まず自分でもできそうな起業術を身につける必要があります。

つまり、うつの人に必要なのは「大成功する起業術」ではなく、「生きていける起業術」なのです。

では、「生きていける起業術」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

「生きていける起業術」について考えるためには、逆に「どのようにすれば死んでしまうのか」を知る必要があります。

私自身も事業を潰した経験がありますが、やはり事業を潰す経験ほど勉強になるものはないです。あれほどの大失敗はもう二度とやりたくないですが、今でもマーケティング施策がうまくいかないときには、なぜうまくいかないかを考えることが一番の勉強になっています。

逆に成功は慢心を生む。いい加減にやった仕事でも、思いのほかお客様に来ていただけたりすると、それは破滅への第一歩となります。

「倒産経験」が会社を強くする

倒産経験といえば、教育業界のガリバーであるベネッセやセンサー業界のガリバーであるキーエンスは、いずれも創業者が倒産経験を持っています。通販化粧品でいうとDHCの創業者なども、1度会社を倒産させた上、5回ほど会社を潰しかけたといいます。

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こうした企業から学ぶべき点はたくさんあります。

たとえば、キーエンスは売上高5381億円で営業利益率は51.4%(2020年度)、完全無借金経営で、正社員の平均年収は1839万円(2020年3月20日時点)と驚くべき数字であり、非常に堅実な経営をしているかがよくわかると思います。

キーエンスがこのような経営をしているのは、キーエンスの創業者がキーエンス創業前に2度ほど会社を倒産させているからです。

そのときの経営経験が、キーエンスの営業利益率設計や、完全無借金経営、それを支える従業員には高額な給与をもって報いることや、現金を潤沢に持つという考え方につながっています。

「失敗しない方法」を極めよう

うつの人がキーエンスの経営手法から学ぶべきことは、「起業に成功する方法」ではなく「起業に失敗しない方法」です。起業に成功している企業は数多ありますが、起業に失敗しない方法を極めている企業はさほど多くありません。では、どうすれば潰れない企業を作ることができるか考えてみましょう。

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まず当たり前の話ですが、借金をしないこと。これが大事です。倒産というのは、基本的に借金が返せないときに起こりますから、借金がなければ会社は潰れようがありません。

また、会社が潰れなかったとしても、稼げなければ永続的に会社を存続させることはできません。ですから、なにはともあれ稼ぐ必要があります。

うつの人の場合は、お客様に怒鳴られたりした日には、ガラスのハートが粉々に砕け散ってしまって思わぬ出費を強いられるかもしれません。そういうリスクも考えると、やはり健常者の経営する企業と比較しても、営業利益率がかなり高い商売をする必要があります。

ただ、営業利益率が高い商売をするには、高い付加価値を生む必要があるわけですから、やはり優秀な人を雇うことが大事になります。あるいは人を雇う前の段階では、自分自身がなにかの分野で優秀な必要がある。

キーエンスぐらいの大企業になれば、とにかく人材への出費を惜しまない、ということもできますが、起業したばかりだとそれは難しい。ただ、少なくとも人を雇う場合には、一緒に働いてくれる仲間への心遣いは惜しまないという姿勢が大事です。

自分への心遣いを惜しまない

また、自分一人で事業をおこなう場合に大事なのは、「自分への心遣いを惜しまない」ことです。うつの人にとっては、これが案外難しい。

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そもそも、私も含めてですが、うつの人というのは総じて自傷的だと思います。自分で自分を傷つけるようなところがあるのが、うつの人の特徴です。

だから「自分への心遣いを惜しまない」ことが難しくなるし、自分が楽しむことをしないから、必然的に人をどう楽しませたらよいかがわからず、人間関係がうまくいかない。これはよくない循環だと思います。

ですが、やはり自分が楽しまなければ、人を楽しませることはできません。人を楽しませることができないということは、お客様もスタッフも楽しませることができないということです。ですから、まずは自分が楽しむ、そのうえでお客様やスタッフにも楽しい思いをしてもらう、そういう正の循環を回していくことが大事だと思います。

ただ、私自身もそうでしたが、うつになってからしばらくはリフレッシュすることすら難しかったものです。であれば、「楽しむ」とまではいかなくても、少なくともどうすれば自分の心の平安が得られるかを考えるべきです。

それがわかれば、お客様やスタッフの心の平安にも寄与できるかもしれません。そうなれば、それも立派なサービスを生み出すキッカケになるはずです。

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