鎌田大地がさらに急成長。アシスト数ブンデス3位でCL出場も視野

鎌田大地がさらに急成長。アシスト数ブンデス3位でCL出場も視野

  • Sportiva
  • 更新日:2021/05/04

今季開幕前、鎌田大地(フランクフルト)は自身の契約延長を発表する記者会見の席でこう言った。

「ブンデスリーガで15点に絡みたい」

鎌田大地以来の「希望」となる17歳が出現。新生サガン鳥栖の未来

すかさず、記者から質問が飛んだ。

「それは15ゴールという意味か? スコアリングポイントのことか?」

ドイツには、得点とアシストを同じ1ポイントとして合算する「スコアリングポイント」なるものがある。得点とアシストが等価というのも不思議だが、このポイントの順位も選手を見るひとつの指標となる。『キッカー』誌などのサイトを見ても、得点ランクとともにスコアリングポイントランクという項目が記載されている。もちろん、得点ランキングのように、1位になったからといってトロフィーが授与されるなどということはないが。

鎌田は記者の問いに「スコアリングポイントだ」と堂々と答えた。契約延長を発表したばかりの攻撃の選手から、「15ゴール」という威勢のいい言葉を聞きたかったのだろうが、鎌田の回答は素直だった。質問者は肩透かしだったかもしれないが、その正直さは好感が持て、会見場は笑いに包まれた。

鎌田がこの時、やや控えめな回答をしたのも無理はない。レンタル移籍先だったベルギーのシント・トロイデンから戻ってきた昨季は、得点が決まらずに苦しんだ。初ゴールは新型コロナによる中断があけた5月のことだった。トータルでは2ゴール6アシストの8スコアリングポイント。鎌田にしてみれば、倍近い結果を叩き出すことを宣言したことになる。

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ゴール、アシスト以外のプレーも高く評価されている鎌田大地(フランクフルト)

ところが、ふたを開けてみれば今季は第31節まで終えた時点ですでに5ゴール14アシスト、19スコアリングポイント。リーグ全体で9位の数字だ。目標の15スコアリングポイントを達成したのは3月のこと。本人もSNSで安堵の気持ちを吐露した。気にかけていた数字だったのだろう。

トップ下やシャドーという実質2列目でプレーすることの多い鎌田にとって、5ゴールは決して多い数字ではないように見える。だが、フランクフルトでは現在25得点で得点ランク3位のアンドレ・シウバが圧倒的な得点源で、チーム内ではそのシウバに次ぐ得点数となる。

ちなみにアシスト数だけを見ると、14アシストは現在リーグ3位。1位バイエルンのトーマス・ミュラー、2位のチームメイト、フィリップ・コスティッチの次につけている。この数字は、ブンデスでトップクラスのチャンスメーカーになったことを示している。

もうひとつ特徴的なのは、ビッグクラブや上位チームとの対戦で結果を残していることだ。フランクフルトよりも順位が上の1位バイエルン、2位ライプツィヒ、3位ヴォルフスブルク、そしてひとつ下の5位ドルトムントからそれぞれ1得点。バイエルン戦、ヴォルフスブルク戦ではアシストもしている。アディ・ヒュッター監督は「こういうビッグクラブ相手の時には、最後の数パーセントはモチベーションによって決まるのだろう」と、鎌田の高いモチベーションを称えている。

◆鎌田大地以来の「希望」となる17歳が出現。新生サガン鳥栖の未来>>

これまで鎌田は、好不調の波がある選手だと思われていたきらいがある。2月、ホッフェンハイムに3-1で勝利した翌日の『ビルト』紙は、この試合での鎌田のプレーを高く評価しつつ「鎌田ほどファンを二分する選手はいない」と表現していた。つまり、優れたパスセンスなどすばらしいプレーする一方で、存在感が消える試合ではまったくといっていいほど消えてしまうというのだ。

それでも最近は、たとえ目立った活躍ができなかった試合でも、ピッチで必要とされる守備や力強さへの高い評価が聞こえてくるようになった。そのホッフェンハイム戦で鎌田が「力強く守備をし、走った」と言うのは、フランクフルトのブルーノ・ヒュブナーSD(スポーツディレクター)だ。

また1ゴール1アシストした4月ヴォルフススブルク戦後、ヒュッター監督は「彼は最高だった。得点したから、というだけではない。ボールを奪い得点につなげた。ボールのあるなしにかかわらず、走ることをいとわない。彼のパフォーマンスには100パーセント満足している」と、称賛した。パスやシュート以外の仕事でも、信頼を勝ち取っていったのだ。

来季からヒュッター監督はボルシア・メンヒェングラードバッハで指揮をとる。シウバ、コスティッチ、鎌田ら、ヒュッターのお気に入りは、引き抜かれるのではないかという憶測がメデャアでも流れ始めた。

だが、冒頭の記者会見で、鎌田は「フランクフルトでチャンピオンズリーグ(CL)に出たい」と明言している。残すところ3試合、フランクフルトが4位という順位を守ってCL出場権を勝ち取った場合、CLに出場できないボルシアMGに移籍するとは考えづらい。

来季はいよいよ、CLの舞台で羽ばたく鎌田が見られるのではないだろうか。

了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko

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