“出羽守論法”ってなに?「~では」からはじまる発言の思わぬリスク

“出羽守論法”ってなに?「~では」からはじまる発言の思わぬリスク

  • ダ・ヴィンチニュース
  • 更新日:2021/01/13
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世間を賑わせているニュースなどに触れた際に、「こんな現象を前にも見た気がする」と感じたことはありませんか? 身近な物事には様々な文脈によって名前をつけられている現象が多くあります。今回は「出羽守(でわのかみ)論法」について解説していきましょう。

度々注目を集める「出羽守論法」の特徴

「出羽守」とは元々、かつての令制国である「出羽国(でわのくに)」を治めていた長官の職を指す言葉。ですが最近ではその言葉の響きから、「~では」からはじまるタイプの発言を揶揄する表現となっています。

具体的には「外国では日本と違ってこんな行為はありえない」など、日本と他国を比較する形で問題点を提示しようとするのが「出羽守論法」。比較対象としてはフランスやアメリカなど、欧米の先進国が挙げられることが多いようです。たとえば日本のブラックな労働環境を批判する議論や、青年誌などの規制をめぐる議論のなかで使用されてきました。

「出羽守論法」は日本と比べて諸外国を理想化する傾向があるとも言われていて、不信感を抱いてしまう人も多くいるようす。ネット上では「自分の主張のために都合よく外国を持ち出してるだけ」「そもそも日本と外国では歴史や文化が違うんだから、単純な比較は難しい」「フランス人の友人やドイツ人の同僚から聞いたって話は胡散臭く感じるようになった」と批判する声がよく見られます。

その一方で「出羽守論法」を擁護する人からは、「日本の現状が唯一の選択肢ではないってことを示す意義はある」「『ここは日本だ』で意見を蹴散らすのは歴史に学ばないってこと」といった意見も上がっていました。

違いを教えてくれることが重要?

以前、茂木健一郎さんがTwitter上で「良い悪いではなく、違う」と題した連続ツイートを行ったことがあります。そこで茂木さんは「出羽守論法」について、「『フランスでは』『ブラジルでは』『アメリカでは』と何でも引き合いに出す。確かにそういう人がいることは事実だろう」と言いつつ、「『出羽守』の解釈が問題なのであって、良い悪いの話ではなく、『違い』を伝えてくれていると思えば、『出羽守』は役に立つ」と指摘していました。

続くツイートではアメリカ映画を例に挙げ、エンドクレジットの最後に関係者の家庭で生まれた赤ちゃんの名前が表示されるケースがあることを紹介。これについて良い悪いではなく、「そういうのもあるのか」という驚きを覚えたことを明かしています。

茂木さんは他にも国内外の様々なエピソードを紹介し、「良い、悪いではなくて、世界には異なるやり方がいろいろあるんだ、ということを知る必要があると思う」とコメント。最終的に「知ること自体は、悪いことではない」と結んでいました。

すべての意見を鵜吞みにしたり、一緒くたにして批判するのではなく、新しい知識を得るために参考にするのが賢い議論の方法なのかもしれませんね。

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