
拳王をコキ下ろした青柳優馬
全日本プロレスの世界タッグ王者・青柳優馬(27)がノアの拳王(38)を断罪し、勝利を誓った。
野村直矢とのタッグ「ノムヤギ」で世界タッグ王座を保持する青柳は、21日の大田区総合体育館大会で「金剛」の拳王、征矢学組を迎えてV1戦を行う。試合に向けて「世界タッグっていう名前のベルトを持って言うのも変ですけど、ノムヤギが日本一のタッグチームになるためにしっかり初防衛したい。相手もネームバリューがある2人ですから。日本一のタッグになる第一歩を踏み出したいなと」と殊勝に話した。
だが、王道きってのひねくれ者が素直だったのは最初だけだ。拳王の印象を問われると「小さい男だなと思いました。プロ意識の低さにガッカリしましたよ。選手としては素晴らしいのに…」と即答する。青柳が指摘したのは16日の「退席事件」だ。V1戦に向け、全日本プロレスの事務所の一室に両チームそろって会見したが、拳王が「なんだ、この豚小屋は。俺様が来てやってんだぞ?」と吐き捨てて強制終了し、立ち去ったのだ。
さらに拳王は、翌17日のノアの会見でも「豚小屋発言」を蒸し返している。青柳は「確かに反論はできないですよ。本当に豚小屋みたいなところなんで。僕もビックリしましたもん。座ったらイスが全然動かせないくらい狭くて…」。豪華なホテルなどで会見を行うことが多いノアと比べれば、小さな会場であったことを認める。
その上で「でも、僕は仮に『豚小屋で会見するよ』って言われても全力でやるんですよ。場所がどうだろうとやるのがプロですから」と断言。そして「逆に言わせてもらいますけど、どうせ大したことも言わないのに、無駄にいいホテルで場所を借りて会見するくらいなら、豚小屋の方がマシだろって。豚小屋がお似合いの選手だと、試合で突き付けてやりますよ」と陰湿な笑みを浮かべた。
武藤敬司引退興行(2月21日、東京ドーム)での対抗戦で3カウントを奪われた拳王へのリベンジもかかっている。それだけに「きっちりと仕返しをしてやる。倍返しします!」と直接の勝利も虎視眈々と狙う。敗れはしたものの、対抗戦以降「全日本を見ようという人がSNSなどで明らかに多くなっていますし。全日本が注目を集めているのかな、というのは感じています」と追い風を実感する。
だからこそ「この試合で、その流れをさらに加速させたい」と意気込む。最後に「ノアファンの〝クソヤローども〟を全日本プロレスの〝素敵なファンの方々〟に変えてやりますよ」と拳王の言葉を引用し、闘志をみなぎらせた。
前田聡