東京女子医大「夏の賞与1カ月分」支給決定 コロナ担当看護師「嬉しさはない」【内部文書を入手】

東京女子医大「夏の賞与1カ月分」支給決定 コロナ担当看護師「嬉しさはない」【内部文書を入手】

  • 文春オンライン
  • 更新日:2020/08/01

東京女子医大、一転ボーナス支給検討へ 退職希望400人は「予測値を立てている中で出た人数」から続く

【画像】東京女子医大がボーナスについて看護師らに伝えた内部文書

新型コロナウイルスの感染拡大による経営難から、看護師らに対して「夏のボーナスゼロ」を通告していた東京女子医大病院(東京・新宿区)が一転して、基本給1カ月分のボーナスを支払うことが、「文春オンライン」の取材で分かった。

7月31日付の理事長、学長、病院長らの連名による文書で、教職員に通知した。

入手した文書によると、7月29日に開かれた同大学の理事会で、夏季賞与(ボーナス)に加え、これまで同病院が支給していなかったコロナ患者に対応した医療従事者への危険手当について審議された。

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東京女子医大病院 ©文藝春秋

その上で「夏季賞与」については、「理事会では一旦、本給の0.9か月分で決定しましたが、コロナ感染症拡大に伴う様々な心労・負荷に対する慰労を込めて、本給の0.1か月分を上乗せし、合計で本給の1か月を支給する」とした。夏季賞与の原資については、同大学の7月15日付の文書で無担保、低金利で福祉医療機構から資金調達する旨が報告されている。

コロナ対応にあたった看護師らに支払われる「危険手当(特別手当)」については、今回の文書には具体的な金額や支給時期が明示されず、「支給額や支給時期について、自治体からの助成金等の交付を踏まえ、近日中に審議し決定する予定」とした。

一方、国から医療従事者に対して1人当たり最大20万給付される「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金」の交付については、具体的な申請手続きが自治体より示されているとして、教職員に、該当者の委任状を病院側に提出するように求めた。

看護師「職員の気持ちを経営者は分かっていない」

東京女子医大病院をめぐっては、同病院系の看護師400人の退職が予測されていることがメディアで報じられるなど、混乱が続いていた。6月25日に開かれた労働組合と病院側の団体交渉では、病院側の弁護士が「(大量の退職予測が出ているのは)深刻だとは思うが、足りなければ補充するしかない。現在はベッド稼働率が落ちているので、仮に400名が辞めても何とか回るのでは。最終的にベッド数に見合った看護師を補充すればいいこと」などと発言し、看護師に反発が広がっていた。

病院内外で反響が広がったことで、病院側は7月15日付の文書で、夏季賞与を検討することを教職員に通知したが、具体的な賞与額は未定となっていた。

コロナ患者を看護した内科系に勤務する20代女性看護師は、賞与支給の通知を見ても、「嬉しいという気持ちはない」と語る。

「昨日(7月31日)の夜にボーナスが支払われることを知りました。正直、期待もしていなかったので、状況が変わったことには少し安心しています。とはいえ他の病院では、今までとほとんど変わらない額に加えて(特別)手当が出ているのに対して、うちの病院は昨年夏約2カ月分支払われていたので、賞与が約1カ月分下がる。すごく嬉しいという気持ちはあまりないです。

金額のことより、今回発表された文章に、いつもより賞与が下がったことに対して『申し訳なく思っている』というような経営側のお詫びの気持ちが書かれていないことが残念でした。賞与の出る出ないだけではなく、そういう部分で職員の気持ちが病院から離れていることを、経営者は理解していないんだなと感じました」

待遇の改善は一歩進んだとはいえ、看護師の不信感は残ったままだ。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

「文春オンライン」特集班

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