勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出し忘れたらどうなる?

勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出し忘れたらどうなる?

  • ファイナンシャルフィールド
  • 更新日:2022/05/14
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退職申告を忘れた場合

「退職所得金額の受給に関する申告書」は、退職金を受け取る全ての人が退職金を受け取るまでに、退職金を支払う企業などに提出しなければなりません。この手続きを忘れてしまうと、退職金に対し一律で20.42%の税率で所得税の源泉徴収が行われ、手元に残るお金がぐっと減ってしまいます。例えば、勤続40年で2000万円の退職金を受けた人が申告書を出し忘れると408万4000円の所得税が源泉徴収されるため、手元に残るのは1591万6000円です。なお、勤めていた本人の死亡に伴い、死亡から3年以内に確定した退職金を家族などの法定相続人が受け取る場合は、みなし相続財産となり、所得税の課税対象とはならないため「退職所得金額の受給に関する申告書」を提出しなくても構いません。

退職申告をした場合に引かれる税金は少ない

退職金は、長年同じ会社で働き続けた人への慰労の意味もあるため、受け取る人の税負担が少なくなるように制度設計されています。退職金に対する課税所得金額は、退職金から退職所得金額控除を引いた額を2で割った金額で、退職所得金額控除の額は勤続年数によって決められています。さらに体に何らかの障がいを負ったことで退職した場合、退職所得金額控除が100万円加算されます。勤続年数が40年の場合、800万円+70万円×(40-20)=2200万円が退職所得金額控除になるため、これより退職金が少なければ所得税が課税されません。申告書を出し忘れることで、本来納めなくてよかった所得税が退職金から引かれてしまうのです。

多く引かれた税金は戻らない?

中には「退職所得金額の受給に関する申告書」の提出を忘れてしまったことで、本来源泉徴収されずに済んだ税金を納めることになってしまった人もいるでしょう。そのような場合、多く引かれてしまった税金は確定申告をすることで、戻ってきます。ただし、自分で書類を作るか税理士などに作成を依頼しなければならず、手続きが煩雑です。この確定申告も期限内に行わないと、翌年払う住民税の額がぐっと高くなってしまうため注意が必要です。なお、確定申告によって戻ってくる所得税の額は、本来納めるはずだった退職金に対する所得税額との差額です。勤続40年で3000万円の退職金を受け取る場合だと、本来課税所得金額は400万円で、納めるはずの所得税額は38万322円ですが、退職申告を忘れると一時的に612万6000円が源泉徴収されてしまいます。確定申告を行うことで、その差額である574万5678円が戻ってきます。なお、「退職所得金額の受給に関する申告書」を提出している場合、企業が正しい税率で源泉徴収をしているため、特に確定申告は必要ありません。

一時的に高い税率で源泉徴収される

退職申告をうっかり忘れると、20.42%の所得税が一時的に引かれます。このとき多く源泉徴収された税金は、退職した人自らが確定申告をすることで戻ってきますが、手続きを自分で行うか税理士などに依頼しなければならず、手間がかかります。適切に退職申告をすれば、新たに確定申告をしなくても済みます。退職金を受け取ることを予定している人は、必ず退職金の受け取り前に退職申告を行いましょう。

出典

国税庁[手続名]退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)国税庁 別紙退職所得の源泉徴収税額の速算表国税庁 No.2020確定申告執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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