これからの「インフレ時代」に強い、日本株「狙い目な10銘柄」の全実名

これからの「インフレ時代」に強い、日本株「狙い目な10銘柄」の全実名

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2022/01/15
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年が明けて今年は寅年。

どうにも理解しがたいのだが、証券業界には十二支におけるアノマリーというかジンクスめいた言い伝えがあり、寅年は「虎は千里を走る」など、相場の急騰を期待する声もあるようだ。

結果として株価が上昇すればいいわけだが、神頼みのようなものにすがっていては投資で勝てるはずはない。ここは冷静に銘柄選定、投資行動を起こす時期を見極めたいところだ。

今年のキーワードは「インフレ」

2022年の日本経済を取り巻くキーワードは「アフターコロナ」に続いて「インフレ」ではないだろうか。

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日本は長年、デフレ経済に苦しんできた。そのため日本は世界でも物価が安い国の部類に入るようになってきた。

海外からは「日本の物価は安い!」と一昔前では聞かれないような声を多く聞くようになった。単に物価が低いだけならいいが、収入がまったく上がらない状況だった。

ところがここにきて状況が様変わりしてきた。日用品の値上げが盛んに伝えられるようになった。経済の回復を受けて原油や金属といった原材料の値上げが世界的に起こっている余波である。

くわえてここ2年ほどの間に、政府はコロナ対策として世間に金を大量にばらまいた。そのコロナも終息が見えつつあるなかで「リベンジ消費」が先行している印象で、これからも盛り上がる気配を見せている。政権与党の自民党は今年の参議院選挙を意識してか、盛んに産業界に賃上げを要望している。

インフレに向かう条件は多分に揃っているのだ。

インフレというと「物価が上がる」という悪いイメージがあるが、株式市場にとっては必ずしも悪者ではない。そもそも株そのものがインフレに強い資産といわれ、インフレに強い銘柄群もあるくらいだ。

株のほか不動産や資源など「実物資産」はインフレに強いといわれ、関連銘柄への物色が期待できるところだ。

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さらにインフレともなると、価格競争力がある企業が強い。汎用品のように多くの企業がひしめき合ってシェア争いしているようなレッドオーシャン市場では、各社は原材料費の上昇分を価格に転嫁しにくい。しかしある分野で高シェアを占めている企業であれば、価格決定権を握っているため、たとえ原材料費が値上がりしても価格に転嫁して高い利益率を保つことができる。

もう一つのポイントが「借金」の問題。インフレ時代到来ともなれば、いずれ利上げが視野に入る。もちろん日本経済の現状でそうそう利上げはないだろうが、先読みする株式市場は意識するようになる。金利が上昇すれば、大きな負債を抱えている企業にとっては利払いが増え、業績の足を引っ張ることになる。

借入金の少ない企業、具体的には有利子負債自己資本比率が低い企業にも注目が集まりやすい。

実は高シェアな「掘り出し物」企業が狙い目

以上の点を踏まえて銘柄を見てみよう。

まずは自社製品が高いシェアを持ち、有利子負債自己資本比率が低い企業では日本触媒(4114)あたりが狙い目。

日本触媒は紙おむつに使用される高吸収性樹脂では世界シェア首位、アクリル酸は世界3位。中でも自動車向け塗料に使われるアクリル酸エステルが好調だ。21年3月期は営業赤字(▲159億円)を計上したが、22年3月期は急回復。売上3550億円、営業益240億円。23年に関してはまだ数値を出していないが、「会社四季報」では売上3650億円、営業益280億円と増収増益の見通しを立てている。

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有利子負債自己資本比率も20%以下と、財務体質はいい。株価も昨年末に底値をつけ出直りつつあるところだ。

三菱ガス化学(4182)は、海外での合弁方式によりメタノール生産で世界トップクラス。半導体やスマホ向け材料でも強みを発揮している。有利子負債自己資本比率も20%以下。株価は昨年3月に2858円の高値をつけたあと調整局面に入った。11月には1900円割れまであったが出直りつつあり、ようやく2000円を超えた水準では、まだ上値余地は大きいだろう。

東邦チタニウム(5727)は航空機向け金属チタン生産で高い技術力を持つ。一般工業向けでも用途が拡大しており、業績も連続して好調。有利子負債自己資本比率はけっして低くないが、これからの業績拡大が見込める。

21年3月期の実績値は売上361億円、営業益31億円に対し、22年3月期の会社計画では売上581億円、営業益47億円。ちなみに23年3月期の会社四季報予想では売上630億円、営業益53億円と連続増収増益予想だ。

株価は昨年9月に1316円の高値をつけたあと年末にかけて下落。12月には1000円、そして900円までも割ってしまった。年が明けてからも950円近辺でもみ合っていたが、上値余地は大きいと見る。

不動産は手堅く伸びるのではないか

実物資産の代表である不動産関連からは、三菱地所(8802)をまず推したい。東京・丸の内に賃貸ビルを多く持ち、大手町の再開発にもかかわっている。コロナ禍では、商業施設やホテルの稼働低下もあって株価は低迷してきた。

21年3月には瞬間株価2000円を回復したが、その後下落。いまは1600円台をうろうろしている。PERも15倍程度、底値圏にあると見ていいだろう。

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丸の内の風景[Photo by iStock]

同じく不動産セクターではヒューリック(3003)にも注目だ。東京都区内の駅近好物件を多数所有。最近では電通本社ビルを取得したことでもニュースになった。業績も好調だ。本原稿を執筆している1月11日、業績の上方修正を発表した。

当初計画では2021年12月期の売上4200億円、営業利益1100億円だったが、売上4400億円、営業利益1130億円に引き上げた。主力の賃貸事業が好調なうえに、物件売却も順調に進んでいることがその理由だという。2022年12月期も増収増益の見込みだ。

業績好調ながら株価は調整局面にある。21年9月末には1400円を超えていたが、現在(1月11日)、1100円を下回っている。これは9月末に公募・第三者割当による新株の発行を発表したことによる。株式の希釈化が嫌気されたわけだが、それを加味しても純益最高益更新となっている。

11日の上昇修正の発表を受け、株価見直し買いが入る可能性大だ。

資源価格はまだ上がり続ける

資源株の本命として住友金属鉱山(5713)は入れておきたい。

ニッケルや銅など非鉄金属の鉱山開発から精錬、さらには車載向け電池など材料の製造も行なう。金属価格急騰の恩恵を受け22年3月期は大幅増収増益を見込む。23年は金属価格一服で反落だが、それでも売上、利益ともに高水準だ。

チリで銅鉱山の開発にも関わり、今年中の生産開発を目論む。2月に発表予定の中期経営計画でも成長戦略を謡うものと思われる。

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株価は21年2月に5500円超えを果たしたあと調整局面を迎えた。4000円前後まで落ち込んだが、そこから出直りの途中。節目の4500円を超え、上値メドの5500円が当面の目標だろう。その上値を超えれば、さらに上昇の勢いが増す可能性が高い。

資源高は原油も同じ。その恩恵を受ける会社にENEOSホールディングス(5020)がある。石油元売りでは国内シェア5割を超え、さらに銅など非鉄事業も行なう。ほかに再生エネルギーにも進出し、風力発電や太陽光発電を手掛けるジャパン・リニューアブル・エナジー社(JRE)の全株式を取得した。業績は資源高を追い風に好調だ。

一方で株価はその好業績を織り込んでいるとはいえない。2018年に株価900円をつけたあとは、ずっと調整したまま。いまだ500円以下の株価は割安ではないだろうか。指標にもあらわれており、PERは5倍、PBRも1をはるかに下回った状態だ。

資源が伸びれば、商社も好調

同じく資源高の恩恵を被って最高純益を更新しそうな銘柄として、三菱商事(8058)と三井物産(8031)を挙げたい。三菱商事は天然ガスや原料炭、三井物産は原油や鉄鉱石の価格上昇が利益を押し上げている。

さらに2020年、著名な投資家、ウォーレン・バフェット氏がこの2社に3社(伊藤忠商事、住友商事、丸紅)を加えた、いわゆる5大商社の株式を時価総額の5%まで取得したと公表したことが注目された。

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アメリカの投資家ウォーレン・バフェット[Photo by gettyimages]

なによりPERが10倍以下、配当利回りも高いとあって割安感もあった。22年3月期は営業利益を大幅に押し上げ、純益も最高益の見通しだ。

ただ株価は昨年末にかけてかなり高い水準まで上げてきている。新年に入ってやや調整しているが、どこまで下げるかがポイントだ。

このままずるずる下げていくことも考えられ、ひとまず下げ止まったことを確認してから買い進めたい。買うタイミングを間違えて下落の途中で突っ込んでしまうと、大やけどを負いかねない銘柄でもある。

リスクを避けるなら同じ総合商社の双日(2768)も挙げておきたい。22年3月期の業績も絶好調で、営業益は前期比倍増の620億円。

双日も含めた商社に関しては、「資源価格の落ち着きを前提にして23年3月期の業績は減収減益」が市場のコンセンサスとなっている。

しかし三菱商事、三井物産もそうだが、資源価格が高止まりとなれば株価もさらなる上値追いの可能性も出てくる。

今月推奨した銘柄はいずれもバリュー株だ。業績から見ても割安に放置されており、配当利回りもいいものが多い。できるだけ下押ししたところで安値を拾うことができれば中長期で報われる確率は高いはずだ。

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今回紹介した銘柄一覧

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