
一回、佐藤輝は体勢を崩されながらも左犠飛。貴重な先制点をもぎとった(撮影・甘利慈)
(セ・リーグ、広島2-3阪神、16回戦、広島11勝3敗2分、5日、マツダ)なんとか食らいつきバットに当てた。佐藤輝の打球は高く左翼に舞い上がると、犠飛には十分。幸先のいい先制点を虎の主砲がもたらした。
「追い込まれていたので、なんとか食らいついて、外野まで運びたいという気持ちでした」
最低限でも仕事を果たした。一回、1死から島田が左前打で出塁すると、続く近本が16打席ぶりとなる右前打で一、三塁を作った。ここで佐藤輝が打席へ。カウント2-2から外角フォークにやや泳がされた。並みの打者であれば遊飛だったかもしれない。持ち前のスイングスピードで左翼まで運び、三走・島田がタッチアップ。快足を飛ばして先制のホームを踏んだ。この島田の走りに「そこまで飛距離が出た打球ではなかったですが、島田さんがよく走ってくれたと思う。ありがとうなぎ」と感謝した。
だが、次打席からもHランプは灯せず…。4日の巨人戦(東京ドーム)に続き2試合連続無安打。チームとしての得点は、この犠飛を除けばロハスの一発のみだった。強力な中継ぎ陣が抑えて、逃げ切るのが虎の勝ちパターンだが、矢野監督も「もうちょっと点がどこかで取りたい。点ほしいね」と野手陣の奮起に期待した。
大山を新型コロナ感染で欠くことはチームにとっては痛手。打線を支え続けてきた先輩の分まで、ボクが引っ張る。誰よりも打球を飛ばす佐藤輝がここに残っている。(平野佑治)