どこからが“毒親”?「あなたのために」が子供の毒になることも

どこからが“毒親”?「あなたのために」が子供の毒になることも

  • 女子SPA!
  • 更新日:2020/10/16

こんにちは、恋愛ジャーナリストのおおしまりえです。

No image

◆大人になって、改めて親子関係に悩む

血が繋がっていようと、親子関係は難しい。常々思うことですが、最近親子の問題がよく注目される気がします。少し前ですが、ドラマ『私の家政夫ナギサさん(TBS系列)』では、母と娘のちょっと歪んだ関係性が物語のベースとなっていました。

またここ数年「毒親」といった、子どもにとって毒となる親の育児や接し方が漫画や記事になることも増え、その言葉が浸透することとなりました。

かくいう筆者も30歳までは親との関係に葛藤を抱え、取り除くために心理学を学んだりカウンセリングに通い、その根深さを痛感しています。同時に周りの20代30代男女に親との関係について聞くと、「絶縁というほどではないけれど、親との関係に悩む人」は多いようです。

例えばある30歳の女性は、親が過度な心配性で、自分がしっかりするのがシンドイと漏らします。はたまた35歳の男性は、感情的な母がどうにも苦手で帰省が億劫だと話します。意外なところでは、親からお金の無心をされた経験がある人も数名いて、理由はそれぞれですが、虐待スレスレの関係性を感じることもありました。

No image

親子関係がギクシャクしており、帰省ブルーになる人も…(写真はイメージです。以下同)

程度は違えど、親との問題を抱えていない人の方が少ない気がしてくる今回のテーマについて、母娘*謎解きカウンセラーの高橋リエさんに話を聞きました。高橋さんは、“毒親”に育てられた、また自身も毒親になってしまった経験があるそうで、現在「心理相談所 成城カウンセリングサロン」を運営しています。

※毒親=米国のスーザン・フォワード(医療関係のコンサルタント、グループ・セラピスト)が作って1989年の著書で使った言葉。学術的な定義はない。

◆子どもが負担に感じたら、それは毒親

「そもそも毒親の定義は、子どもに何かしたら『毒親』ではないですからね」(髙橋さん。以下同)

No image

高橋リエさん

今回話を聞く上で、改めて毒親の定義を教えてもらうと、毒親は行為で判断すべきものではないという回答が。一体どういうことでしょう。

「毒親かどうかの判断の基準は、子どもがどう感じているかです。『子どもがどれだけ我慢してきたか』の大きさで、相手が毒親かどうかを判断します。世の中では毒親=暴力やネグレクトなど、いわゆる虐待行為をする親というイメージですが、毒親のほとんどは判断が難しいレベルの親です。子どもが親の行為を負担だと感じていたら、それは毒親といえるのです」

◆「あなたのためを思って」は子どもではなく親のため

毒親はそもそも「不安神経症」の場合が少なくないと、高橋さんは言います。不安神経症とは、不安や恐怖を慢性的に強く持ち続け、日常生活に支障をきたす病気です。

No image

ついつい子どものことを心配しがちですが…

「毒親が問題なのは、自分の不安が先立っているのに、表面上では子どものことを考えて子どものために心配していると信じている点です。しかし、親の行動は自分の不安を解消するための行為だから、当然子どもには響かず、むしろ傷つけてしまうこともあります」

例えば「あなたのため」といった枕ことばがついた行動は、大体が親の都合です。こういった押し付けも辛いですが、他にも「あれは向いていないからダメ」「これは危ないから止めなさい」といった行動制限も、親の心配を減らすためにおこなう毒親の典型的な行動だといいます。

「でも面白いもので、相談に来る方のほとんどは、最初は自分の親を客観的に見られていません。むしろ『ウチは仲が良いほうだと思う』なんて話す方も多いんです。ご自分の親を悪く言いたくないという優しい方も多いんですね。ただ、私としては自己否定的な思考の癖がある方は、多くの場合、毒親育ちなのではと思っています」

◆毒親育ちかも…と思ったら

程度の差はあれど、子供を害する行為をしている親は意外とたくさんいるのに、毒親育ちであると気づいていない子どもは多い。このミスマッチは一体どういうことなのでしょう。そもそも自分が毒親育ちかもと思ったら、どこから判断すればよいか聞くと、入口はやはり“自分のおかしさ”だと教えてもらいました。

「実は相談に来る方で、親との関係からダイレクトに悩んで話す方は少ないです。なぜなら子どもは親を美化している傾向が強いから。だから『毒親後遺症』がご自身にあれば、全て親の影響だと思っています。この毒親後遺症がご自身に思い当たるかという点から、振り返ってみてはどうでしょう」

毒親後遺症とは、毒親との関係がその後の性格や思考の形成、時には体質や疾患に影響が出ている状態のことです。

過緊張や赤面症、頑張りすぎや無気力状態、自分の意志が自分で分からない、パニック障害、引きこもりなど、心と密接な関係のある病が想像しやすいかもしれません。また心の負担が一般的な病気にも繋がってしまう場合もあるといいます。まさに病は気からの状態です。

そういえば筆者も、親子関係を見直すキッカケは、月に数日突然『燃え尽き症候群』となり、何もできなくなることが続いたのが始まりでした。原因は本音を押し殺す育ち方。その後、我慢が無意識に溜まると燃え尽きてひきこもり、回復にあてるという仕組みがあることがわかり症状は完治しました。

その時から親子関係を見直すことになったわけですが、確かに最初は親子関係の問題だとは全く思っていませんでした。

◆40代以降、無理がきかなくなる前に

「自分の親はちょっと変かも」、はたまた「自分はなんでこんなに生きづらいのか」と思ったら、まずは親子関係や親からどのように育てられたかを振り返ると、原因のヒントが見つかるかもしれません。

No image

「親の洗脳って、実は50年くらいすると解けてきます。人は40歳程度までは、体力があるから親の毒に耐えられるんです。でも体力がなくなってくる40代以降は、毒に耐えきれず体調を壊す人が多くなります。ぜひ毒が積み重なって爆発する前に、早めに気づき、そして適切な対処をして下さい」

なんとも恐ろしい未来予想図。みなさん、親との関係はどうですか? ぜひ早めの見直しを。

【高橋リエ・カウンセラー】

子供の不登校・ 再不登校を経験して、自身が重度のアダルトチルドレンだと気づく。

心理療法を学びながら自身の問題に取り組むうち、現実はすべて意識の現れで、意識が変われば現実も変わると、身をもって確信。著書に『気づけない毒親』『お母さん、私を自由にして!』ほかがある。

<取材・文・イラスト/おおしまりえ>

【おおしまりえ】

水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。Twitter:@utena0518

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加