愛くるしい鬼のキャラクターの絵 人気画家の瀧下 和之さん拠点を東京から故郷の美里町に

愛くるしい鬼のキャラクターの絵 人気画家の瀧下 和之さん拠点を東京から故郷の美里町に

  • TKUテレビ熊本
  • 更新日:2023/05/26
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テレビ熊本

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愛くるしい鬼のキャラクターの絵で知られ、全国にファンが多い画家の瀧下 和之さんがこの春、拠点を東京から故郷の下益城郡美里町に移しました。その思いに迫ります。

7レンジャーの鬼たちに…

スイカ割りや…ゴルフ…

読み聞かせをする鬼まで…

こちらはタイガーマスク?

画家・瀧下 和之さんの『桃太郎図』には桃太郎は登場せず、自由気ままな鬼ばかりが描かれます。悪役のはずですが、どこか愛嬌があり、どのようなシーンなのか想像をかき立てます。

【瀧下 和之さん】

「鬼目線の日常の場面を描くようになって見ている人が『これはこういう場面でしょう』とか、『絵のここに桃太郎がいるんでしょう』とか、いろんな感想を言うようになって、それがヒントになってそういう見方もあるんだと続けていくうちに自然と鬼への愛着も深くなるし、描ける場面というか、いろんなシチュエーションも描けるようになってどんどん広がっていったかな」

鬼を描く時は利き手とは反対の左を使います。

偶発的に生まれるアンバランスさで躍動感ある作品が生まれます。

長い人では4年もの間、瀧下さんの作品を待っているといいます。

全国に多くのファンがいる人気画家・瀧下和之さんは1975年、現在の美里町で生まれました。3きょうだいの真ん中で、小さい頃から絵を描くのが大好き。

県立第二高校の美術科に進学し、この頃から頭角を現します。

県の水彩画のコンクールでグランプリを受賞し、TKUの取材を受けたことも。

【瀧下さん(当時・高校3年)】

「グランプリの受賞の感想はいかがですか?」「最初聞いた時は信じられなかかったけど次の日新聞見てグランプリとったんだと思った」「人物をかすかに入れるところがあまりできてないんですが、そこが一番苦労したところ」「将来はデザインの方向で有名になれるように頑張りたい」

東京藝術大学大学院を修了後、4年後には画家として活躍していました。

【瀧下和之さん】

「僕は絵描きですけどデザイン科なんですよ。デザイン科の先生でちょうど絵描きの先生がいらっしゃって、デザイン科でも絵を描いていけるんだと思ったのがきっかけで」

木のパネルに絵を描き、その線を彫ってアクリル絵の具で彩色します。

以前は動物をモチーフにしていましたが、行き詰った時にたまたま左手で描いた鬼が面白く描けたのが鬼を描くきっかけでした。

瀧下さんの姿は故郷の美里町にありました。

「こんにちは」

「幼なじみです。ちょうど昔の写真があった」

幼なじみや友人たちがたくさん残っています。

【幼なじみ橋口美香さん】

「これ私だろ、一緒ね」

恩師とも久々の再開です。

【3人でのやりとり】

「車の絵とか好きで庭でよく描きよった」「ここで?」「普通、子供って自分の方から見た絵を描くじゃない。それが和くんは私の方から見た絵を描いてくれよったたい」

地元の小学校に今の瀧下さんの制作に大きな影響を与えた物が残っているといいます。

【瀧下さん】

「これだ!これですね」

小学校卒業記念に制作した木彫りです。

【瀧下さん】

「今の作品を『彫る』というもの原点のような気がする」「(図工で習う)版画とかは紙に写すじゃないですか。それよりも彫ったものの方に興味を持つようになったのはこれがきっかけだと思うので懐かしい」

瀧下さんはこの春、実家近くにアトリエを構えました。

【瀧下さん】

「ずっと東京にいるというイメージはなかったので」

「環境がいい所で制作したほうがいいのかなと」

自然に囲まれた静かな空間が広がります。

【瀧下さん】

「ここのアトリエができるまでは限られたスペースでやっていた。小さい作品がメインだったがやっと大きい作品も並べて描けるなと」

「こんにちは」

この日、訪れたのは熊本市の厚賀人形店の10代目厚賀 新八郎さんの工房です。

厚賀さんはひもを引っ張ると舌を出し、目がひっくり返る郷土玩具『おばけの金太』を制作しています。

瀧下さんは故郷に戻ってきた記念に思いついたことがあります。

【やりとり】

「せっかくだったら熊本の郷土玩具に、もの自体を作るのは無理なので彩色をして

出品をしたいなと思いまして、それで『おばけの金太』がいいなと思いまして」

ことしの夏、東京の百貨店で開かれるアーティストたちが作るおもちゃの展示会に

『おばけの金太』とのコラボ作品を出そういう計画です。

【厚賀さん】

「考えもつかんかったけど面白そう」

【数日後さっそく金太の制作】

【和紙を20層重ね胡粉を塗るなどし約1カ月で完成】

【金太が届くと今度は瀧下さんが制作へ】

【金太の土台部分に鬼たちを描きだんだんにぎやかに】

およそ2週間で完成。金太の島にいるたくさんの鬼たち…、

サルや犬もにぎやかな仲間たちもいます。

赤鬼はどうやら桃を探しているようです。

金太のひもを引っ張ると…

(ひっくり返った目玉に桃が!)

東京のイベントではアート作品としては珍しく子どもたちにたくさん遊んでもらう予定です。

【瀧下さん】

「面白いのができたなと思います。遊び心も感じてほしいし、熊本にこういう郷土玩具があるんだというのも全国に知ってもらえたらなと」

瀧下さんはこれまでの活動とともに地元での個展を増やしていく予定です。

故郷ではどんな鬼たちが誕生するのか楽しみです。

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