緊急事態宣言で大阪の夜の街は...「同業者同士の潰し合い」を心配する声も

緊急事態宣言で大阪の夜の街は...「同業者同士の潰し合い」を心配する声も

  • 日刊SPA!
  • 更新日:2021/01/13

関東1都3県で緊急事態宣言が発令されたが、今日にも大阪、兵庫、京都の関西3府県で緊急事態宣言が再発令されるという。

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大阪・道頓堀

緊急事態になると、現在大阪市全域で要請されている時短営業は3府県に拡大され午後8時までに繰り上げられるのだが、これに現地で働く人々からは様々な声があがっている。

◆景気が良かった11月

まず、話を聞いたのは大阪市内でスナックを経営する女性。

「11月から開始された大阪市北区と中央区の酒類を提供する飲食店の時短営業要請ですが、うちの店はそのときはまだ対象外エリアだったため、飲み屋難民となった客が大量に来るようになったんです。うちはセット料金が5000円なので、普段は北新地やミナミの高級クラブやキャバクラで飲んでいる人にとっては安く感じたんでしょうね。ボトルを何本も入れてくれる客もいて、少しずつですが売上が挽回したんです。

また、女の子もミナミのキャバ嬢や北新地のホステスが時短営業で働けなくなったからと、うちの店に面接に来るように。この辺りはスナックばかりで若いキャストがほとんどいないから、お客さんは喜んでくれました。中には、『忘年会も中止になったので、ボーナスの使い道がない』と、女の子にチップを配る客もいましたね」

◆東京の緊急事態で様子が一変

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写真はイメージです(以下同じ)

しかし、12月16日より大阪市全域に時短営業要請が拡大された。さらに1月11日まで延長となり、彼女が務めるスナックも要請の対象となったという。

「市内全域で時短要請になり、さすがにお客さんも警戒するようになったのか一気に客足は遠のきました。うちの店も最初は午後9時に閉めるようにしていたのですが、周辺では開けている店も多いので真面目に時短しているのがバカバカしくなってきたんです。表向きは21時に看板を消すようにしていますが、お客さんがいる間は遅くまで営業するように。でも、年が明けて関東で緊急事態宣言になるという報道が流れてからはこの辺りでも閉める店が目立ってきました。

理由は店を開けても客が来ない、人件費がもったいない……など様々です。ちょうど、去年の今頃は商売繁盛の神を祀る十日戎のお祭りで今宮戎神社からの参拝客で深夜まで賑わっていました。今年は規模が縮小され露店も中止になったので、外を歩く人もほとんど見かけません。うちの店でも商売繁盛の縁起物の熊手を毎年買いに行っていたのですが、今年はそれすら難しいですね。商売繁盛どころか商売あがったりですよ」

◆同業者同士の潰し合いを懸念

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そんな中、近隣の他のスナックで働く女性からはこんな声も。

「緊急事態宣言が発令されたら、うちの店では常連客の予約営業のみ行うつもりです。午後8時までなんて、どんなに営業開始時間を繰り上げても1時間ほどしか開けられないし、完全に閉めたとして1日6万円の協力金をもらってもアルバイトの子達にまでお給料をあげることができないので……。今は午後9時を過ぎても看板を消して営業しているのですが、近隣の飲食店が時短営業に協力していない店を密告する、なんて話も聞くので警戒しています。

中には客のフリを装って巡回しにくる同業者もいるというのでタチが悪いです。なので、私達も今は新規の客はお断りするように。もし、やむを得ずに入店させてしまったときは、必ず連絡先を聞くようにしています。まさに同業者同士の潰し合いです」

緊急事態宣言前から諦めて休業する店、営業時間を密かに延長するも自粛警察や同業者からの密告に怯える店など、真っ二つに別れる大阪の夜の町。時短営業に違反することはもちろん問題である。しかし、こういう状況だからこそ同業者同士は協力しあうべきなのではないのだろうか。なんとも、やりきれない思いである。<取材・文/カワノアユミ>

【カワノアユミ】

東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。ツイッターアカウントは@ayumikawano

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