光の演出によって選手を後押し!? ヨドコウ桜スタジアムが持つ知られざる機能性

光の演出によって選手を後押し!? ヨドコウ桜スタジアムが持つ知られざる機能性

  • サッカーキング
  • 更新日:2021/07/21
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ヨドコウ桜スタジアムのホームロッカールーム[写真]=セレッソ大阪

セレッソ大阪は7月17日に開催されたJ1リーグ第20節ヴィッセル神戸戦からリニューアルオープンとなったヨドコウ桜スタジアムをホームとして戦っている。

球技専用スタジアム、その最大の特徴はピッチと観客席の近さにある。スタンド最前列からタッチラインまでは、わずか5.8メートルと国際基準を満たすスタジアムの中では“日本一”の近さを誇っている。

キャプテンの清武弘嗣が「一体感のあるスタジアムで戦えるのは心強い」と語るとおり、選手にとって球技専用スタジアムで戦えるのは大きな利点になる。

ピッチとスタンドの近さ以外にも、ヨドコウ桜スタジアムには選手を後押しする要素が、数多く散りばめられている。

まず、ホーム側のベンチはセレッソ仕様のカラーに仕立てられ一体感を演出。選手がピッチへと向かう入場ゲートのサイド壁面には、日本初となるピンク色のコンクリートを使用している。そして、ロッカールームはまさに‟至れり尽くせり”だ。温水と冷水の交代浴ができる浴槽が設置され、照明も特別仕様となっている。照明はチームカラーのピンクをはじめ、青や緑、レインボーなど、シチュエーションに応じて8種類のライトを使い分けることができるという。

実はこの照明、セレッソのプラチナパートナーコイズミ照明株式会社(小泉産業株式会社)が提案、導入したもの。コイズミ照明広報が導入の経緯について、次のように明かしてくれた。

「光によるチームカラー演出は、視覚的な煌びやかさはもちろん、試合前のチームの結束を強めるという意味や、闘争心をかきたてるという意味でも選手のモチベーションにいい影響を与えると考えていました。そんな時に、桜スタジアム改修の話を聞き、クラブも同様の考えを持っていたことから、提案に至りました」

照明の重要性については、セレッソ大阪の森島寛晃代表取締役社長も同調する。

「選手にとってロッカールームはすごく大事な場所。試合の前後を過ごす場所で、気持ち的にもいろいろな浮き沈みがある。そういった中で、照明によって気持ちを高めたり、落ち着かせたりできる利点は大きいと思っています。私が現役の時にも、このような華やかでカッコ良い照明の演出があれば、もう少し点を取れていたかもしれません(笑)」

ユーモアを交えて話してくれた森島社長だが、「もう少し点を取れていたかも」というのは、あながち間違っていないのかもしれない。「選手のメンタル面をコントロールする」という意味では、照明の効果は無視できないものになりつつある。

「光の色を見て集中力が増したり、体を癒したりするなど、色と光には様々な可能性が秘められています。色と光に対する研究は、様々なところで行われており、一般的に寒色系は鎮静色、暖色系は興奮色に分けられます。これらの研究を演出の参考にテストの意味も込めて採用いただきました。例えば、試合前は高揚感を演出するチームカラーで一体感を盛り上げ、試合後には光のトーンを落としてリラックスとクールダウンを促す空間へと導きます。ロッカールームの色をコントロールすることで、選手のモチベーションに訴えかけるような光の演出を探る画期的な空間となっています。今後は選手へのヒアリングを行い、より最適な光環境を目指していきます」(コイズミ照明広報)

光と色によって選手を後押しし、チームの勝利に貢献する。その効果を明確な根拠をもって立証するのは難しいかもしれない。だが、確実に言えることは、セレッソ大阪とコイズミ照明が互いに手を取り合い、勝つ確率を少しでも上げるために試行錯誤しているということだ。その姿勢と思いは、ピッチに立つ選手たちの闘志を高めてくれるに違いない。

取材・文=山本剛央

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