
RAB青森放送
養殖サーモンの血液不法投棄を巡り県職員が独断で裁判所に提出した「陳述書」についてです。
ほかの県では港に魚の血を流す事業者が確認されず県は「陳述書は事実とは異なる」という認識を示しました。
「陳述書」は2022年6月、今別漁港で養殖サーモンの血液などが不法投棄され、養殖業者の社長が廃棄物処理法違反の疑いで逮捕されたことに対し県職員が「港に魚の血を流す行為は全国で通常行っている」などと書いて独断で作成し裁判所に提出しました。
社長は不起訴処分となり、県警察本部は魚の血を流す事業者は全国でも「皆無である」として「虚偽の陳述をした疑いを拭いきれない」と県に抗議しました。
県議会では「抗議文」などを巡り県の対応を問う質問が相次ぎました。
県議会農林水産委員会 丸井裕 県議
「今回の事例は関係法令に適合なのか違法なのかそれが重いのか軽いのかどういう判断になるのか」
県水産振興課 種市正之 課長
「血を流す行為は法律(廃棄物処理法)に規定するところのみだりに廃棄物を捨ててはならないということで確実にそこは抵触するということになる」
また県は取材に対し事件当時サーモンやブリなどが盛んに養殖されている岩手と宮城、鳥取と徳島の4つの県を調査したところ港に魚の血を流す事業者は確認されなかったと明らかにしました。
このため「全国で通常行っている」という実態はなく陳述書は事実とは異なるという認識を示しました。
県は「当時は魚の血が廃棄物にあたるという認識が低かった」としており事業者などの指導を徹底し現在は適正に処理されているとしています。